北海道土を考える会:土壌内空気・水の動き探る/北海道特集

48回目となる北海道土を考える会が10日、土の館ホワイト農場(北海道空知郡上富良野町西2線北25号)で開催され、85名が参加した。
今回のテーマは「土壌断面から空気と水の動きを観るシーズン2」。昨年に引き続き帯広畜産大学の谷昌幸教授が心土破砕と緑肥について説明し、実際の圃場で無施工区とサブソイラによる運転速度別の土壌断面の違いを比較した。
冒頭、物故者への黙祷が捧げられた後、北川和也会長が挨拶。続いて行われた総会では、昨年開催の土を考える会の決算や組織運営について議案が可決された。また、3月に逝去し、北農工専務理事などを務めた村井信仁氏を偲ぶ会への参集を呼び掛けた。
第1部の情報提供では「緑肥のメリットと活用のポイント〈最新成果〉戦略的スマート農業技術の開発・改良」と題し、農研機構中日本農業研究センター温暖地野菜研究領域の唐澤敏彦領域長が講演。肥料価格高騰を受け再評価される緑肥の現状や堆肥と緑肥の効果比較、マメ科緑肥による窒素補給と溶脱抑制効果、カリやリン酸肥料の削減、緑肥作物の選択と効果の違い、すき込みタイミングと効果の変化などを解説した。
同研究センターの森伸介上級研究員とスガノ農機(株)波多野篤開発本部長は「緑肥の細断・すき込み作業の高速化」について、緑肥導入における作業工程と導入時の課題、緑肥の細断とすき込みで一般的に使われるフレールモアによる細断とロータリーによるすき込みを低燃費で高速化するため、リボーンローラーとプラウによる細断、すき込みの研究内容を解説し、今年度中に開発予定の70PS程度で牽引できる軽量型リボーンローラーを紹介した。
その他、「緑肥の空撮画像から圃場の地力むらは推定可能か?」を同有機・環境保全型栽培グループの夜舩友咲研究員が、「ドローンセンシングによるソルガムの窒素吸収量の推定と施肥マップ作成への取り組み」を長野県野菜花き試験場環境部の矢口直輝研究員が、それぞれ講演した。
第2部では、農研機構農業環境研究部門土壌資源・管理グループの前島勇治グループ長が、今回の実演圃場である土の館ホワイト農場の土壌断面について説明。土壌断面の層分け5層、それぞれの斑紋(二化鉄反応)、ち密度、表面水湿性を観察し、非常に土が硬く、水抜けが悪く、酸欠状態であるという特徴を解説した。
それを受け、帯広畜産大学グローバルアグロメディシン研究センターの谷教授は、土壌は栄養分よりもまず水と酸素の動きが作物の生育に重要で、物理性が異なるだけで生育に大きな差が生じること、土が硬く、根が物理的に入っていけない状態では、作物は育たないこと、排水性が悪い土壌は、まずその問題を解決しない限り、施肥や堆肥の効果は得られないことなどを実例とともに解説した。
次に、ショベルで予め掘られて土壌断面が観察できる状態となった実圃場で、サブソイラを入れて、1・6キロ/時、2・3キロ/時、3・5キロ/時でそれぞれ施工した3区画に無施工区を加えた4区画に、緑肥のエンバクを同じ量で播種し、同施肥量で生育させて、その土壌断面の違いやエンバクの根の形状、重量を検証した。最初に、無施工区と2・3キロ区の土壌断面をモノリスで比較し、表面が粘質で下層にいくほど硬い土質であることを前島氏が解説。その後、各区の特徴を谷教授が説明した。1・6キロ区では根が横に広がったものの、表層にしか根が張らず、2・3キロ区ではやや幅広に60センチまで根が入り、3・5キロ区では狭く40センチまで根が入る結果となり、速度によって亀裂と根張りに違いが出た。また、坪刈りしたエンバクの重量では、遅く作業したほど重くなり、バイオマス量にも違いが現れた。
その後、スガノ農機(株)(渡邊信夫社長・茨城県稲敷郡美浦村間野天神台300)の新製品実演会では、溝曳きリバーシブルプラウ(特別仕様・尾形農場との共同開発)、リボーンローラー、スプリングハロー、ケンブリッジローラーなどの製品紹介と実演を実施した。









