市場の概況:小麦の生育平年並み/北海道特集

十勝総合振興局などが発表した十勝管内23農協の昨年産農畜産物取扱高は、3770億円と過去最高を記録し、前年比5・5%増だった。畑作などの耕種部門は過去2番目に高く、畜産部門は過去最高といずれも高水準。しかし、肥料農薬、燃料などの生産コストの上昇で、「思った以上に農家の手元にお金が残っていない」などの話が出ており、秋以降の農機需要は思ったほどの高まりはみられなかった。
現在、麦の収穫が最盛期を迎えている北海道は、7月上旬の十勝帯広近辺ではすでに収穫を始めている圃場もみられた。現地メーカーや商社の話では、春先は長雨で気温がなかなか上がらず、生育の遅れも心配されたが、夏前から気温が上昇して高温が続き、結果として例年よりも1、2週間早く刈取りを迎えているとのことだった。 北海道農政部発表の5月15日現在の農作物の生育状況では、4月からの降雨の影響でバレイショ、テンサイ、タマネギの植付けや播種作業の遅れを指摘していたが、5月前半は平年より気温が高く、降水量と日照時間は平年並み。秋まき小麦の遅速状況は草丈及び茎数は平年並みとなった。水稲は苗の生育は平年並み。バレイショは4月からの降雨の影響で植付作業の遅れあり。大豆は播種作業は平年並み。テンサイ(移植)は草丈と葉数は平年並みで移植作業は4月の降雨でやや遅れ気味。テンサイ(直播)は播種作業が4月の降雨で遅れ、出芽もやや遅れ気味。タマネギは4月からの降雨で遅れたものの、生育は平年並み。牧草も平年並み。トウモロコシ(サイレージ用)の播種作業も平年並みとなっていた。
その後の7月1日発表の生育状況では、6月の平均気温が平年よりかなり高く、降水量は平年並み、日照時間は平年より多くなった。農作物の生育は概ね平年並みに進んでおり、小麦も平年並みに追いついた格好である。また、水稲、豆類、テンサイ(移植)、牧草及びトウモロコシ(サイレージ用)は平年よりやや早く推移している。5月15日時点より日照時間が多くなったため、生育ペースが全体的に早まったとみられる。
どうやら十勝帯広の麦の生育は、現場をみる限り、道内平均よりもやや早いようである。
地方独立行政法人北海道立総合研究機構の農業試験場の令和7年度作況状況をみると、秋まき小麦は中央農試でやや不良、上川農試で良、十勝農試は平年並み、北見農試はやや良。春まき小麦は中央、上川でやや不良、北見で不良と、地域によって生育がまちまち。実際の圃場とは違うとはいえ、地域による生育差が大きくなる可能性も。
一方、現地の話では、気温が急激に上がったことで、生育も同じく急速に促進されることから、小麦が熟成せず実が少なくなる懸念があるとの見方もあった。年間通じて麦の収穫の良し悪しが北海道の畑作農家の最初の収入を左右することとなる。出足が悪いと財布の紐が固くなり、今後の農機需要をも左右することになるため、豊作を祈るばかりである。
酪農では、昨今の猛暑から、牛の乳量低下を心配する声も。帯広の最高気温も2日連続の猛暑日となり、農家は扇風機や送風機、遮光シートを活用して高温対策をするとともに、水飲み場を増やすなどの対応をしている。
猛暑の影響から熊の餌となるどんぐりが減るなどで、熊などの害獣による農作物被害も年々深刻化。砂川市の農園では7月に入ってトウモロコシ30本、肥料50キロが熊によって食い荒らされる被害が出た。道内で目撃された熊はやせ細り、餌を求めて市街地に降りてくるケースも増えているようである。人への被害も出ており、害獣被害から作物を守るのはもちろん、人命にも関わることから、熊対策も欠かせないものとなっている。









