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令和7年7月21日発行 第3560号 掲載

各社の対応:米価高騰でニーズ増、各社2桁増の勢い/新潟県特集

 新潟クボタ(吉田丈夫社長)の昨年実績について吉田社長は「上期は大苦戦、下期は大挽回と明暗がはっきり分かれた」と述べた。米穀事業が上振れて、計画比で105・5%。農機単体では計画通りとなった。一方、アグリロボ、自動操舵などのスマート農業関連製品の動きは芳しくなく、主要3機種の合計台数は初めて1000台を割り込んでいる。
 続く今期は農機も大きく伸張している。5月末時点で前年比140%を受注。主要機以外も全体的に活況を呈している。特にアグリロボは5月末で計22台を受注。発売から昨年末の累計で29台だったが、今年になって急伸している。同社の独自施策のKSAS加入でRTK基地局が無料利用できるサービスも手伝って、アグリロボとともに自動操舵も好調だ。自動操舵は、昨年の年間台数を5月末時点で上回るほどである。その他、草刈り関係や計量器、インプルなど、100万円前後の製品で活発な動きが見られた。
 価格改定を控え、例年7月に行っていた夏の展示会を6月に実施。成約札がこれまでにないほど貼られ、展示会のみの前年比実績でも146%と大いに賑わった。
 RTK基地局も今年、新たに1基を中山間地の十日町に設置。「中山間地域でどうスマート農業を活用できるか。ニーズに応えるきっかけになれば」と吉田社長は話す。
 KSASは加入数よりも、今は活用率を注視しながら、使い方に重点をおいて推進している。
 ドローンは昨年末累計で400台以上を販売。今年になってさらに伸び、更新も含めて500台が見えている状況である。農薬散布の他、播種や肥料散布などの活用も出てきた。吉田社長は「ドローンに限らず、生産者がどこに価値を見出しているかは提案を重ねる中で見極めて行きたい」と話した。
 アフター面でも伸長傾向。昨秋の刈取り時期の雨で作業環境が悪く、コンバインに負荷がかかり、その上、米価も良くなり、アフター受注も例年の倍近く獲得した。今秋の収穫に間に合わせるべく現場は汗をかいている状況だ。
 6月18日には(株)NKファーム村上内に実演にも活用できる研修圃場「アグリベース」を開所し、キックオフイベントを行った。農機販売数が減少する中で、社員が農機に触れる機会を作り、自信を持ってセールスにあたることを目的としながら、生産者に来場してもらうことで「来訪実演」にも対応していく。
 ヤンマーアグリジャパン(株)関東甲信越支社(杉山靖彦支社長)甲信越営業部(渡辺健二部長)の昨年度実績は米価高騰の影響もあり、下期で大きく伸長し、年間でも計画を上回る実績となった。ただ「作況指数の影響からか上越エリアに比べ中越・下越エリアは若干苦戦した」と渡辺部長は話す。主要3機種ではトラクタ、田植機で台数を落としたがコンバインは大きく伸長。新型4条刈の影響で市場が活性化し、特に作柄の良かった上越エリアでは大型6条以上のコンバインの伸長につながっている。その他、乾燥・調製関連商品や作業機にも動きがみられた。「米価の上昇で農家収入は増えたが、主要機の入れ替えまでは至らず、乾燥・調製関連商品や作業機など100万円前後の商品の更新が増えたのではないか」と渡辺部長は分析する。
 昨秋11月の展示会も盛況だった。乾田直播の講演会では予想を上回る数百名の生産者が来場し、水稲の省力化への関心の高さが伺えた。生産者への提案としては直進機能や直播など実演に力をいれている。週1日を実演日とし、着実に成果を積み上げた。今年は集落実演をプラスし、ヤンマー以外の生産者にも提案を広げている。
 今期は4月1日の価格改定で心配もありながら、大型機種を中心に出足は好調。「米価がどうなるか危惧する面もあるが、この勢いを維持したい」と渡辺部長。昨年の乾田直播の講習会で、実演を募ったが依頼が殺到して全ての要望には応えられていない。来期に向けてしっかりと準備を整えていく。「お客様の購買意欲は引き続き好況。日頃からしっかりと訪問することでヤンマーが選ばれるよう提案を続けて行きたい」(渡辺部長)としている。
 展示会を7月中旬に実施し、秋商品を中心に提案していく。直進アシストや自動操舵は当たり前の存在となり、本機の更新時には当然のように搭載するケースが増えている。またドローンも順調に活用が進み、更新需要はもちろん、メンテナンスも見込む。渡辺部長は「認証工場や有資格者も増え、しっかりと対応して行きたい」と話す。
 サービス事業については、日頃の点検整備が定着し、大がかりな時期中の呼び出しはほぼみられなくなった。ICTの浸透で電気系統のトラブルが増加傾向にあるが、社員のスキルアップを継続しユーザーをサポートしていく。
 ISEKI Japan関東甲信越カンパニー(瀧澤雅彦社長)の新潟県における昨年実績は2024年3月まで厳しい状況が続いたが、4月以降、米価上昇の兆しにより売上げが回復し、最終的には前年並みの実績となった。BFトラクタを中心に実演や旧型の並行販売で台数を確保し、トラクタは台数的に好調。4条、5条刈の新型コンバインや、全農共同購入機も好調だった。田植機は4~6条植えの台数が減少したものの、8条植えが増加し、金額的には確保できている。昨年3月開催の展示会時点ではユーザーの反応は厳しかったものの、6月に開催した中古展示会では中古機が完売。中古機がなくなったことで、旧型や新型のトラクタを購入する相乗効果もあった。
 今年の1~5月の実績は前年比1・3倍強と好調である。特にヰセキ製品の好調の要因として、「米価格高騰と7月1日からのヰセキ製品の価格改定による駆け込み需要が影響した」と樋口英樹副部長は述べた。現在、乾燥機や色選機など一部製品において、急激な需要増に供給が追いついていない状況で、昨年は農家の収入増により、税金対策としての機械購入を検討しても、買えないケースがあった。主要機はコンバインが引き続き好調。トラクタ、田植機は台数は前年並みながら、高馬力帯の販売が進み、金額は増加している。またアイガモロボや色選機、乾燥機などの季節商品についても投資が活発化している。
 今年の方針としては、既存顧客の取引率アップと大規模ユーザーへの訪問推進、個々の生産性向上を掲げる。実演はBFトラクタや直進アシスト付き田植機などを中心に展開、回数も重ねてきている。6月の展示会も来場者、実績とも良かった。「農家の雰囲気も明らかに良い。設備投資に意欲的だ」と樋口副部長。
 スマート農業関連では、アイガモロボⅡが早い段階で完売。ニーズは根強く生産の目途がつくまで受注も止めているほど。また今年からNTTeドローンの取り扱いを開始。国産メーカーならではのアフター面の充実をPRし、推進していく。
自動操舵も低コストな製品を中心に供給する。
 アフターサービスは、昨年格納整備受注キャンペーンを行い、前年比1・5倍。樋口副部長は、整備費と使用年数を比べてユーザーのコンバイン更新に影響した可能性も指摘した。
 三菱農機販売(株)の新潟支店(現・遠藤英貴長岡営業所長)の昨年実績は計画比104%で利益目標も達成した。主要3機種でみると、トラクタは全般的に苦戦。田植機は新型のXPSの発売で前年並みを維持。コンバインは4条刈で物不足となり、売り損じた。自走式草刈機が180%超と大きく伸長し売上げ達成に貢献した。また、計量器、籾すり機、乾燥機などの調製関係機械は全般的に好調だった。除雪機は高額商品は伸び悩んだものの、100万円以下の製品が伸長した。
 昨年の展示会は、サンクスフェアに参加して計画を達成。今年の同展は昨年を大幅に上回り、来場者の投資意欲は非常に高かった。実演の実施状況は三菱マヒンドラ農機がHPで募集しているKUSANAGIや紙マルチ田植機などで実績を作り、KUSANAGIは計画を達成。他社製品を使っている生産者の購入もあり、新規開拓にもつながった。工賃売上拡大プログラムが展開され、四半期ごとに拠点表彰があり、新潟県内でも2拠点が表彰を受けた。個人で全国1位のサービスマンも県内からだった。
 今年ここまでは、18~25PSのトラクタXSシリーズが市場投入され、3月までは動きは見られなかったが、5月以降、実販につながっている。トラクタGJも発売となり、その推進も図っていく。田植機XPSの6条、8条の自動操舵非搭載機、シンプル機もトレンドに反して伸長傾向にある。7月に価格改定されたこともあり、コンバインは昨年よりも動きが活発化。草刈機、調製機関連も依然好調が続き、前年比2桁増と好調だが、一方で7月以降の反動が心配されるところである。工賃売上げの拡大を継続しながら、主要3機種の台数増、KUSANAGIや紙マルチ田植機などの実販拡大を目指す。紙マルチのトライアルキャンペーンも行い、抽選で1反分の紙マルチをメーカーが負担し、利用拡大に努める。実演によって受注につながったケースもあった。
 今年扱いを開始した自動操舵EFIXは、興味のある販売店や生産者のニーズを拾いあげ対応していきたいところだ。
 アフターは引き続き好調。遠藤所長は「稼働年数、稼働時間、高額修理見積などに関わらず、直して使う方が多い」と話す。修理は昨年より多い。難修理案件は農協から持ち込まれることも多く、必然的に手間が掛かり単価も増加している。

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