関東甲信越土を考える会が研修会/関東地域特集

関東甲信越土を考える会(渡邉宏幸会長)は8日午後、茨城県県南生涯学習センターで、夏期研修会を開催した。参加した約50人の会員は、各メーカーが供給する土耕機および最新技術に関する知識を得るとともに、会員相互の交流を深めた。冒頭、渡邉会長は、説明される各社の機械について、「経営に必要か否かをメーカーとやり取りしながら営農に活かしてほしい」と述べ、変化する情勢の中、経営判断はそれぞれでやるべきものであり、今日の研修会がそのプラスになるよう期待していると挨拶した。
講演は、(株)ビコンジャパンカスタマーソリューション部の宿谷貴博G課長による「土耕機の基礎知識と最新トレンド」。同社が取り扱うイタリア・マスキオ社などの機械を参照しながら、耕起作業の作業深は環境、土壌の種類ばかりでなく作物の根系にも考慮して選択する必要があり、▽小麦、ライ麦、大麦、大豆=耕深20センチ▽トウモロコシ、米、ひまわり=20~40センチ▽タバコ、野菜=~40センチになると説明。耕すメリット、デメリットを掲げながら、耕さないと土壌中の雑草種子の数が急速に増え、地中に残っていれば毎年雑草が生える、菌類が増える可能性があるなどと指摘した。
また、減肥・減農薬が求められている日本農業の環境を踏まえ、ビコンのワイドスプレッダーの特徴を紹介。肥料を砕かず粉にしない、風の影響を受けにくい水平散布、正確な散布パターンで均一散布―の特徴を上げ、さらに新技術として、セクションコントロール、可変施肥を説明。秋播き小麦の安定生産、収支改善に貢献した可変施肥実証試験の成果を示した。
次いで、同社関東営業所・正木一真所長、(株)クボタ・菊池昌彦技術顧問、ヤンマーアグリジャパン(株)関東甲信越支社・薄井優紀氏、スガノ農機(株)開発本部・波多野篤本部長が土耕作業に関わる自社製品を説明し、この中で菊池氏は、「露地野菜づくりに役立つ排水対策」として、▽排水量の7割以上は地表排水で、その対策は効果が高い▽地下排水対策では、粘土質土壌にはカットドレーンや弾丸暗渠、シルト質・砂質土壌ではカットブレーカー、パラソイラー、プラソイラ、スーパーソイラーが適する▽排水対策でも後付けの自動操舵システムが有効―などと説いた。薄井氏は、ヤンマーが取り扱う輸入作業機を国別に紹介し、硬い圃場や湿田でも高効率な粗耕起、天地返しを実現するディスクロータリの特徴を説明。今秋から市場に投入する作業幅3・45メートル、3・95メートルの新製品情報も伝えた。
最後に会の事務局を務めるスガノ農機の波多野氏は、これまで土壌の物理性改善を目的に機械供給してきたのに加え、今後は生物性(緑肥の研究、馬糞堆肥活用)、化学性(深層施肥の研究)の改善にも取り組むと研究方向を示し、深層施肥機、土壌センシングの話題を提供した。
その後、各講師に(株)関東甲信クボタの荒品幸男氏を加え、会場の参加者とディスカッション。参加者からはクラスト(土壌の粒子が細かくなりすぎて、豪雨の後表面がコンクリート状になる)とは何か、機械が高額化してきたため自分の圃場で試用するいい方法はないか、農家個々で全ての作業を完結するやり方がどこまでできるのか、若い世代が楽にやっていけるようよりよい方法をメーカーにも考えてほしいなどの質問、意見が出た。
これに対し、メーカーサイドからは、▽欧州では農家助成措置や税の優遇措置が取られ、日本の農家よりも負担感が少ないと感じられる▽実演会、試乗会でできるだけ直接機械に触れてもらえる機会づくりをしているが、長期の試用に応えるのはなかなか難しい▽土木建設用の機械をみても価格が上昇している。従事者が減る中、農機も自動化や無人化でそれをカバーする方向になるが、それにつれ価格も上昇傾向になってしまう―といった回答が聞かれた。
研修会後は会場を移し情報交換会。和やかなうちに活発な交流が続いた。









