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令和7年7月21日発行 第3560号 掲載

東北水田農業の未来を議論/東北地域農林水産・食品ハイテク研究会が講演会

 東北地域農林水産・食品ハイテク研究会(宮澤陽夫会長)は16日、宮城県仙台市のTKPガーデンシティPREMIUM仙台西口及びWebで、東北ハイテク研究会講演会「日本農業・東北農業の未来を拓くスマート農業の新たなイノベーションを展望する」を開催した。
 開会挨拶した同研究会の門間敏幸事務局長は、スマート農業技術をはじめとした技術革新への期待が大きく高まっているとし、講演を通して、スマート農業の今後の展開と日本・東北の水田農業の未来を考えたいなどと語った。続いて、(1)農業の普及と日本農業の未来(梅本雅氏・(株)ファーム・マネージメント・サポート代表)(2)スマート技術が拓く東北の水田農業の未来(大谷隆二氏・東北大学大学院農学研究科教授)―の2講演と質疑応答が行われた。
 梅本氏は、地域条件に対応した輪作体系のもとでの生産性・持続性の高い雇用型水田営農体系の構築が求められているが、現状と未来像が乖離していると述べ、それを解消する手立てとしてスマート農業技術があると指摘。同技術はスマート農機の導入のみならず、データの活用・先端技術の導入・生産方式の革新を一体的に実施するものとし、▽経営改善に向けたPDCAサイクルの中でデータを活用していく▽スマート農業技術は自動化や遠隔操作などによる省力化に加え、今後は知能化に関わる機能向上を▽最も高コストなポストハーベスト分野において乾燥調製作業の技術革新を▽スマート農業の推進と併せて生産方式の革新を同時に実施―などが必要などと語った。
 一方、大谷氏は、東北の生産現場の変化や取り組みとして、農業従事者の高齢化と減少、担い手への農地集積、圃場区画の大規模化、乾田直播やGPS利用・直進田植機の普及―などを示した。宮城県では産学官が連携し、RTK基地局を活用したスマート農業普及拡大を図る「みやぎRTK普及拡大コンソーシアム」が可変施肥や大規模直播体系などの実証を行い、効果の検証や研修会を実施している。また、先の東日本大震災で被災した福島浜通りにて、浪江町に福島復興牧場を建設するなど新たな農業モデルづくりに着手。畜産と耕種経営の循環システムを構築するとともに、ロボット技術を導入した耕種経営での有機栽培体系を確立する取り組みが進められている。東北管内では、各地で農研機構の両正条田植機や、FarmDroid社の全自動播種・除草ロボットなど様々な実証が行われており、スマート農業の進化と普及においては、現場をベースに生産者・企業・研究機関が連携し、共創と人材育成を進めるべきなどと述べた。

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