中山間地域等直接支払制度に「スマート農業加算」を創設/農林水産省

農林水産省の中山間地域等直接支払制度は、今年度から第6期対策に入った。高齢化等による集落協定などの廃止が増加する中、農地の荒廃化を食い止めるため、将来に向けて共同活動が継続できる体制づくりが求められている。農林水産省は15日、今年度第1回の中山間地域等直接支払制度に関する第三者委員会を開催し、第6期対策(令和7~11年度)のポイントを説明し、加算措置の見直しとして、リモコン式自走草刈機やドローンなどへの支援として、年間上限200万円の「スマート農業加算」を創設することなどを示した。中山間地域対策におけるスマート農業の重要性が高まってきている。
農林水産省が会議に提出した「中山間地域等直接支払制度をめぐる事情」によると、第5期対策(令和2~6年度)では、令和5年時点で1002市町村において、22・4万協定、50万人の協定参加者が、65・9万ヘクタールの協定農用地を維持管理。令和2年度の協定面積は、前年度に比べ2・6万ヘクタール減少したが、その後は増加傾向で推移した。
令和5年度の交付金は530億円が交付され、個人への配分が54・5%、共同取組活動への配分は45・5%で、農道・水路・農地の管理作業、鳥獣害対策など農業生産活動継続のための下支え的活動の他、共同利用機械・施設設備等、将来を見据えた取り組みにも活用されている。
同制度については、制度の実施により農用地の減少を未然に防止する効果があるとされており、一定の仮定を置いた上で、この効果を推計。第5期対策においては、約8・4万ヘクタールの農用地の減少を防止したと見込まれる。
昨年8月にまとめた第5期対策の最終評価では、人口減少・高齢化が進行し、共同活動の継続や集落の維持が困難になっている中山間地域等において、集落協定も高齢化による協定参加者の減少、担い手やリーダー不足等により、活動の継続が困難な協定の増加や協定の廃止が課題になっていることから、「共同活動継続に向けた体制づくり」「営農の継続」「事務負担の軽減」を検討する必要があると指摘された。
これらを踏まえ、第6期対策のポイントとしてあげたのは(1)対象農用地の見直し(2)体制整備単価の見直し(3)加算措置の見直し(4)集落機能強化加算に係る経過措置の設定(5)中山間直接支払の加算措置重複適用に係る単価減額措置の廃止。
対象農用地の見直しは、交付対象農用地を農振農用地区域内及び地域計画区域内の農用地とする(令和7年度については、「地域計画の策定が確実と認められる区域」も対象とする)。「中山間地域等における農業生産条件の不利を補正することにより、将来に向けた農業生産活動の継続を支援」という本制度の趣旨を踏まえ、目指すべき将来の農地の利用を明確化する地域計画との調和を図る。
体制整備単価(交付単価の10割)を交付する要件を、「ネットワーク化活動計画の作成」とする。複数の集落協定間での活動の連携(ネットワーク化)や統合、多様な組織等の活動への参画により将来に向けて農業生産活動が継続的に行われるための体制づくりを推進。
加算措置の見直しは、「ネットワーク化加算」を創設。ネットワーク等の活動を安定化、活発化させる主導的役割を担う新たな人材の確保・育成に向けた取り組みと農業生産活動の継続、向上に向けた意欲的な取り組みを支援する。
また、「スマート農業加算」を創設し、リモコン式自走草刈機やドローンなどを用いたスマート農業による作業の省力化、効率化に向けた意欲的な取り組みを支援する。上限は年間200万円。対象は集落協定農用地。取り組み内容は、スマート農業による共同取組活動の省力化・効率化を図る取り組み(リモコン式自走草刈機による除草、ドローンや無人ヘリコプターによる播種・防除・農薬散布、水管理システムの導入など)。期間は1~5年。単価は10アール当たり5000円(地目にかかわらず)。
集落機能強化加算に係る経過措置の設定は、第5期対策で集落機能強化加算に取り組んでいた集落協定については、経過措置を設定。
中山間直接支払の加算措置重複適用に係る単価減額措置の廃止は、第5期対策では加算措置を複数適用する場合に2つ目以降の加算の上限単価を1000円減じた額としていたが、第6期対策ではこの単価減額措置を廃止する。









