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令和7年7月14日発行 第3559号 掲載

農業法人実態調査を分析・解説/農業法人協会がレポート公表

 公益社団法人日本農業法人協会(齋藤一志会長)は6月30日、「農業法人実態調査」のデータを分析・解説したレポートを公表した。これは同協会が実施した2023年度「農業法人実態調査」データについて、分析・解説を東京大学・木南章教授に依頼し、木南教授、新潟大学・木南莉莉教授及び同・古澤慎一助教が取りまとめたもの。レポートのテーマは「農業法人の共有価値の創造(経済価値と社会価値の両立)を実現するための市場創造型戦略について」。持続可能性が社会の重要課題として位置付けられている中で、農業法人が経済価値・社会価値を両立するため、解決のカギは「起業家精神の醸成と市場創造型戦略」にあるなどと言及している。
 レポートの概要をみると、経営情報の分析の結果、現状において共有価値の創造(経済価値と社会価値の両立)を実現している農業法人の割合は少ないと指摘。
 同調査データをみると、経済価値に関して、売上高対前年比3%増以上、経常利益率対前年比3%増以上、経常利益率6%以上を実現している農業法人の割合はそれぞれ33・9%、25・1%、26・1%であった。また、社会価値に関して、(1)社会的課題の解決への貢献(2)資源の効果的かつ効率的な活用(3)農業の多面的機能の発揮(4)従業員の働きやすさ(5)地域の関係者との良好な関係―の5つの社会価値を実現している農業法人の割合は 35・4~54・5%だった。しかしながら、それぞれの経済価値と社会価値を同時に実現している農業法人の割合は大幅に少なく、10~20%程度に留まっているという。特に経常利益率の向上と社会的課題の解決の両立が最も困難となっていることが判明した。また、経済価値と社会価値の指標において、特に強い相関関係はみられなかった。
 一方で、共有価値の創造の経営理念、起業家精神及び市場創造型戦略は、経済価値と社会価値の両立に寄与することが分かった。結論として、経営者には利害関係者と良好な関係を構築し、組織学習により得た知識をイノベーションにつなげることが求められると説明。また、政策支援としては、従来型のイノベーションへの支援ではなく、市場創造型イノベーションへの支援に注力することが求められるとしている。

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