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令和7年7月14日発行 第3559号 掲載

建設・測量展でDXの講演/コベルコ建機、三菱マテリアル

 建設・測量業界で国内最大級の専門展示会「CSPI―EXPO 2025 第7回国際建設・測量展」(同実行委員会主催)が6月18~21の4日間、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれ、19日の同展示会のセミナー会場においてコベルコ建機(株)新事業推進部長の佐伯誠司氏が「人を中心としたDXの重要性」と題して講演した。
 また、三菱マテリアル(株)CIO(最高情報責任者)システム戦略部長の板野則弘氏が同社のDXの取り組みについて紹介。講演要旨は次の通り。
    ◇
 コベルコ建機は重機の遠隔操作システム「K―DIVE」の普及を進めている。建設業界は▽危険を伴う労働環境▽熟練者へのスキル依存▽人手不足の深刻化―といった様々な課題に直面している。
 こうした課題への打開策として同社は「誰でも働ける現場への変革」を掲げている。実現のためにK―DIVEは重機オペレータ(人)を中心とした価値を継続的に提供する。
 K―DIVEは遠隔操作システムと稼働データを用いた現場改善ソリューション。実機搭乗時のような操作性のコックピットから重機を操作。安全快適な場所から現場作業を行うことができ、特定の人、場所、時間などの制約を受けずに働くことが可能になる。これにより、従来の労働環境のイメージが大きく変わる。
 コックピットに採用されている「モーションシート」は実機に搭載したジャイロセンサーから振動や傾きをコックピットへフィードバックし、大きな傾きや操作に影響する微細な振動もオペレータに伝わるようになっている。
 エンジン動作音や機械動作音、ホーン等がコックピットへフィードバックされており、コックピットにいながら現場にいる感覚で操作できる。
 1台のコックピットで複数重機を切り替えて遠隔操作をすることも可能。コックピット搭載の手元モニターで、あらかじめ登録した作業エリアと遠隔重機を任意に選択することで簡単に接続できる。これにより、オペレータは現場間移動の手間がなくなり、効率的に現場作業を進めることができる。ダッシュボード、Microsoft Azureクラウド環境の提供により、クラウドに蓄積した稼働データが現場の課題を見える化。月次活用支援ミーティングなどデータベースと専任担当者によるデータ活用サポートで、現場の効率化を図る。
 人が中心となって気づきの種を生み、一人ひとりが創造性を発揮できる環境を構築することで組織、プロセス、企業文化・風土を変え、建設土木業界をさらに発展させていけるような、未来に向けて共に歩んでいく。
 次に三菱マテリアルのDXの取り組みについて。同社は金属事業、銅加工事業、電子材料事業、加工事業、再生可能エネルギー事業などを手掛けており、人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会の実現を目指している。
 グローバル競争を勝ち抜くための基盤づくりとして、2020年からデジタル化戦略MMDX(三菱マテリアル・デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション)を推進。
 MMDXは経営改革の一つとして位置づけられ、データとデジタル技術の活用を通じて「ビジネス付加価値向上」「オペレーション競争力向上」「経営スピード向上」を重要な視点としている。
 さらに▽ものづくり強化▽実行体制の強化▽ボトムアップ活動の活性化―を目的に、「事業系DX」「ものづくり系DX」「研究開発DX」の3本柱と「全社共通DX」「基幹業務刷新」を合わせた5領域で再構成したMMDX2・0へと進化させている。
 MMDX2・0の成果例としてE―Scrapビジネスプラットフォーム「MEX」がある。E―Scrapとは家電やパソコンなど各種電子機器類の廃基板のこと。銅・貴金属等の有価金属を高濃度に含有しており、製錬原料の新たな供給元(都市鉱山)として注目されている。
 環境意識の高まりを背景に世界各国の廃家電等リサイクル率が向上しており、E―Scrapの発生量は拡大傾向。
 E―Scrapビジネスプラットフォーム「MEX」は業界で初めて納入予約から買鉱価格の確認までの取り引き情報をオンラインで提供し、取り引きの透明性と利便性向上を実現している。
 運用開始後、多くのリサイクラーや商社に利用され、さらなる利便性向上を目指して機能拡張に努めている。
 三菱マテリアルの取り組みは経済産業省の「DX注目企業」に3年連続で選定されており、期待や関心が高まっている。
 DX戦略は企業成長の要であり、デジタル化の推進と可視化された気づきの種に対する、従業員一人ひとりの創造性の発揮がDX戦略の本質だ。 主役は従業員一人ひとりであり、全従業員にDXの学びと実践の場を提供することで人を育てていく。企業競争力の源泉は、従業員一人ひとりのパフォーマンスの総和である。

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