関東農政局がみどり戦略勉強会:スマ農機を広域シェア/トラクタ・作業機特集

関東農政局は6月26日、みどりの食料システム戦略勉強会(第32回)をオンラインで開催した。これは、関東農政局が同戦略に関係するテーマについて毎月開催しているもので、4月からは「スマート農業による環境負荷低減の取組」をテーマに取り上げている。3回目となる今回は、(株)関東地区昔がえりの会社長・小暮郁夫氏が「農業現場での環境負荷低減に資するスマート農業技術について」の講演を行った。農産物の生産・加工・流通を行う関東地区昔がえりの会は、1999年、埼玉県上里町に設立。現在、埼玉県内250カ所に分散した計40ヘクタールの圃場で野菜を栽培している。以前は量販店向けの出荷が中心だったが、2010年から加工業務用契約栽培を開始。自社の敷地内にカット野菜工場を併設し、外食企業と施設賃貸借の長期契約を締結。物流コストをゼロにし、適地適作の中で最適な計画生産を行うなど、高い連携効果を生み出している。補助事業などを活用して、ロボットトラクタ、ディスクハロー耕うん機、乗用2条移植機、野菜全自動播種機など、多数のスマート農機を保有し、機械化一貫体系による面積当たりの作業時間低減にも取り組む。以前から、地域内での農機共同利用を行っていたが、2021年からは、近隣の長野や愛知の高冷地でキャベツ収穫機などを活用する広域シェアリングを開始した。収穫時期の異なる広域産地間リレーによるシェアリングで、農機の長期間稼働を実現しコスト低減を図るのがねらいだが、「新規就農者定着の一助になれば」との思いもあるという。2022年には、大型農機用の搬送車(8トン)を導入し、地域間移動がさらにスムーズになった。2016年からは、クボタの営農支援システム「KSAS」を活用。日報の入力や地図・気象アプリにより、作業や農場の高度化を図っているほか、給与計算や農機シェアリング料の請求などにも利用し、事務作業の軽減につなげているという。さらに、2020年には高速局所施肥同時畦立機を導入。局所施肥による環境負荷低減と省力化に効果を上げていたが、昨今の人件費や化学肥料の高騰により営農環境が激変。その対策として、元肥を発酵ブロイラー鶏糞堆肥の全層施肥へと変更し、化学肥料は追肥使用にする形へと大きく切り替えた。その結果、堆肥コストは従来の半分以下に。資源の有効活用につながると、ブロイラーメーカーも、新たな堆肥ラインを作って対応してくれた。現在は、衛星画像を使用した農作物の生育評価システム「GrowthWatcher(グロウスウォッチャー)」((株)Agriee)によるデータ活用型農業の本格稼働を検討中だ。同システムを使ったキャベツ・ハクサイの肥料削減効果の検証を行っており、今後の施肥管理に活かしていきたい考え。将来的には、同システムの情報を実需者・生産者が共有することで、サプライチェーンの最適化を目指すことを構想している。「次の時代に、農業をどう残していくか。微力ながら一生懸命トライしているところ」と小暮氏。環境負荷低減、および効率化・高収益化の実現に向けて、さらなる取り組みを続けていく。









