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令和7年7月7日発行 第3558号 掲載

各社の対応:普及進むスマート機械/長崎県特集

 (株)福岡九州クボタ(久保雄司社長/長崎県下15拠点・96人)の2024年度実績は前年並みで推移した。原田裕章取締役によれば、上期は厳しい状況が続いたが、下期には米価や野菜価格の上昇により顧客の購買意欲が高まり、事業案件も増加。後半にかけて盛り返すことができたという。畜産分野も、23年の子牛価格下落から回復の兆しが見られ、市場は活発化した。24年度の主要機種の動向としては、トラクタは減少傾向にあったが、主流は30、40、60馬力。田植機は4、5条植えが伸長し、販売増。コンバインは2、3条刈が中心で、こちらも増加となった。トラクタは減少したものの、野菜関連の作業機、移植機、肥料散布機が伸長し、売上げ全体を下支えした。また、米価上昇の影響により米乾燥機の販売が増加。草刈機なども好調だった。
 25年度の方針について原田取締役は「営業の基本に立ち返り、お客様のコストに向き合った提案を強化する」と意欲を示す。7月の製品価格改定に向け、3月は雲仙地区などでブロック展示会を開催し、約1000人が来場したといい、駆け込み需要にも対応した。DMやチラシを用いた告知活動も行い、6月後半には五島地区でも展示会を実施した。今年度の重点推進機種は、GSトラクタ、ドローン、自動操舵システム。GSトラクタは個別実演による販促を強化。ドローンは主に雲仙などの南部地区で自治体の補助を活用し、普及拡大を狙う。自動操舵システムについては、スタッフ向けの研修会を実施し、提案力の向上を図っている。また、メンテナンス付きの残価設定リースの導入など、販売チャンネルの多様化にも取り組んでいる。今後のイベントとして、8月には大橋松雄農業機械歴史館で中古機市を開催し、秋商材の受注拡大を目指す。11月には北部と南部それぞれのブロックで展示会を予定している。
 農機サービスでは、繁忙期前後の点検強化や、出張費や搬送費の適正化に取り組み、2024年度のサービス売上げは前年比110%を達成。原田取締役は「今年度はさらなる上積みを目指す」と抱負を語る。その他、働きやすい職場づくりとして、男性スタッフの育児休暇取得の促進や、女性営業スタッフへの支援を推進。夏季の熱中症対策としては、スマートウォッチを導入し、スタッフの健康管理にも配慮している。
 ヤンマーアグリジャパン(株)九州支社(増田広次支社長)北部九州営業部・長崎ブロックの24年度の実績は計画通り推移した。前田賢幸エリアマネージャーによれば、米価上昇などの影響による顧客の購買意欲の高まりから、個別実演の依頼が増加した。特にトラクタの実演を多くこなし、水稲、畑作、畜産と満遍なく提案できた。主要機の動向は、トラクタは30~57馬力が伸長した。「畜産に若い世代が増え、需要も増加した」と前田マネージャーは説明した。田植機は4条植えが横ばい。5~6条が苦戦。コンバインは2条刈中心に動いたが厳しい状況だった。その他に移植機やピッカーなどの野菜関連機、特にバレイショ関連がよく動いた。
 25年度、4月に製品の価格改定を実施した。前田マネージャーは「お客様にコストダウンの提案を強化し、売上げアップを目指す」と前向きだ。推進機種は直進アシストトラクタ。作業機をセットした実演を増加し、省力化、効率化に加えて幅広い機能性をアピールする。また、乾田直播の提案にも力を入れるといい、省力化をアピールすることでトラクタや播種機の販売につなげるねらいだ。
 農機の整備・修理サービスの動向は、繁忙期のマシンダウン防止のため、顧客へ点検の呼びかけを強化。急な呼び出しが減少すれば、スタッフの休日を確保できるので、年間を通して推進している。加えて工賃の価格改定を行い、時間外料金などを見直した。また、大型農機に対応できる若手の技術スタッフ育成に積極的に取り組み、サービスの充実に注力する。
 (株)ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷清社長)北部営業部長崎事務所(4拠点・19人)の24年度の実績は前年並みとなった。黒田正彦エリアマネージャーによれば、離農者の増加や後継者不足などで現状維持の傾向が強まり、「農業全体が減少している実感があった1年だった」と振り返った。一方で、人手不足を解消すべく、大手担い手によるスマート農機の普及は進み、また中山間地の共同利用や自治体の補助事業を利用しての購入も増加した。同年度の主要機の動向はトラクタは20~35馬力が主流で横ばい。田植機は苦戦したものの、4、5条植え「RPQ3」シリーズは好調だった。コンバインは2~4条刈が伸長した。作業機はフレールモアや畦ぬり機などが伸長し、その他にも効率化を図る作業機のニーズが拡大し売上げを伸ばした。後付け自動操舵システム「CHCNAV」は堅調、草刈機関連も好調だった。
 25年度は「売上げの前年比増加を目指す」と同マネージャーは前向きだ。7月の製品の価格改定に向けて各拠点で5~6月に商談会を開催し、駆け込み需要に対応。改定後の7月11、12日には久留米市の会場でメーカー46社が出展する合同展示会を予定している。前年度の減少ムードを打開できるか注目したい。
 25年度の推進機種はCHCNAV。トラクタにセットして実演活動を強化する。トラクタだけでなく田植機に付け替えて使用できることなどもアピールする。水田の雑草を抑制する「アイガモロボ2」も推進。水深の浅い地点の航行を「ブラシ型パドル」を採用することで走破性を高め、価格は旧型に比べ約半額。コストパフォーマンスの良さをアピールする。草刈機に関しては農家以外の企業からの問い合わせが増加し、このチャンスに更なる拡大を狙う。
 農機サービスの動向は、繁忙期のマシンダウンを防止すべく、点検活動に注力する。質の高いサービスを提供することで信頼を得て、更なる提案につなげる方針だ。工賃の適正化も行い、売上げの向上を図る。
 全国農業協同組合連合会長崎県本部・生産資材部農業機械課(31拠点・99人)の24年度の実績は前年比88%、計画比も87%と下回った。担当の木戸豊課長は「資材や燃料などの物価高騰や度重なる製品の価格改定などの影響で、1年を通じてお客様の購買意欲低下を強く感じた」と振り返った。9月以降は米価上昇などの影響で、微増ではあるが盛り返した。県本部主催の大展示会を雲仙市で25年1月に開催し、2日間で約3000人の来場があったという。24年度の主要機の動向はトラクタは減。30、40馬力が主流だった。田植機も減。4条植えが主流で、5、6条と続く。コンバインは3、4条刈が主流で増加となった。その他、動噴などの防除機と刈払機はキャンペーンや展示会の影響もあり伸長。野菜関連ではブロッコリーやタバコの移植機や、バレイショの収穫機などが伸長した。
 25年度は共同購入コンバインの他に、トラクタの実演活動を推進すると、木戸課長は抱負を述べた。ここ数年の実演強化が実を結び成果が出始めているとし、今年度もトラクタの実演を継続するとした。また、自動操舵システムと、それに付随する作業機なども同時に推進する。各メーカーの価格改定対策としては、台数限定で特別価格キャンペーンを実施予定。今後のイベントは、昨年同様に1月の大展示会を予定している。
 今年度の農機サービスの動向は、修理、整備について、部品の売上げも含めて概ね計画通りに推移。また、大村市に重整備工場の開業を予定している。大型機の整備や保守点検などに対応した施設で、スタッフの研修も含め準備が進行中だ。その他、セリ市の期間中に畜産機械のセルフメンテナンスなどの講習会を開催予定。セルフメンテナンスや安全啓発の講習会は、JAの担当者、顧客、農業高校の教員、学生向けなどについても開催を予定している。

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