10周年の記念行事を開催/日本木質バイオマスエネルギー協会・通常総会

一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会(酒井秀夫会長)は6月30日、都内墨田区のKFC Hall&Roomsで、令和7年度定時総会および10周年記念行事「木質資源を無駄なく利用する社会へ」を開催した。総会では、第1号議案令和6年度事業報告及び決算(案)、第2号議案役員選任(案)を審議し、可決、承認した。また、報告事項の令和7年度事業計画及び収支予算を説明し、了承した。総会後の理事会で新たな執行役員体制を決め、会長に酒井秀夫氏(東京大学名誉教授)を再任、副会長に中島浩一郎氏(銘建工業(株)代表取締役社長)、矢部三雄氏(前アジア航測(株)総括技師長)を選任した。
通常総会で挨拶に立った酒井会長は、同協会が現在の一般社団法人に移行して10年となることを踏まえ、「日本の木質バイオマスエネルギーの利用促進に向けて、支柱の1本になってきた」と語り、会員らの協力に謝意を表した。また「物価や資材費の高騰、人手不足など、バイオマスエネルギーを取り巻く環境は厳しいが、地球温暖化防止の観点から、今後ますます社会的要請は高まっていくと思う」と述べ、前向きに進んでいこうと呼び掛けた。
令和7年度の事業計画では、(1)FIT/FIP制度の適切な運用(2)地域における木質バイオマスのエネルギー利用(3)燃料材供給の低コスト化―に寄与していくことをあげた。また、新たな森林・林業基本計画における木材需給見通しの材料となるよう、木質バイオマス資源の配分のあり方について議論していくとともに、会員以外にも広く木質バイオマスエネルギー利用の役割や重要性について啓発活動を進めていく―などとした。
総会終了後、同会場にて10周年記念行事「木質資源を無駄なく利用する社会へ」を開催。矢部副会長が同協会のあゆみを紹介した後、東京農業大学特命教授の末松広行氏が「森林と脱炭素化時代」と題して講演を行った。同氏は、2006年に農林水産省林野庁林政部長に就任以降、2020年8月に農林水産省事務次官を退任するまで、長きにわたり、木質バイオマスエネルギーなどの林政施策を推進してきた。講演では、2012年の資料を用いて当時の木質バイオマス発電の取り組みのほか、メディアからの批判なども紹介し、まだ脱炭素化が浸透していない時代、厳しい状況下でのスタートであったことなどを振り返った。
その後、菅義偉首相(当時)による2050年カーボンニュートラル宣言を受けて脱炭素化への理解が進み、現在は、地域ごとに様々な脱炭素化を進める「地域脱炭素化ロードマップ」が進行中であり、木質バイオマスエネルギーもその技術の1つであるとして、さらなる普及に期待を寄せた。「森を豊かにして地域経済を回すのは良いことだと、多くの人が応援している。これからは、具体的に何をするか知恵を出し合い、それを実現するための工夫が重要だ」とし、地域資源を最大限に活用するための努力を続けてほしいと訴えた。









