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令和7年7月7日発行 第3558号 掲載

窒素ガス置換での殺虫技術開発/農研機構

 農研機構はこのほど、窒素ガス置換により、酸素濃度0・1%、温度30度Cの条件を4日間維持することで、貯蔵穀物の害虫を殺虫できる技術を開発したと公表した。
 大量の穀物を海外から輸入する日本では、倉庫やサイロなどでの貯穀害虫の大規模な殺虫のために、臭化メチルやリン化アルミニウム剤を用いたくん蒸を行っている。しかし、これら化学くん蒸剤の使用には、オゾン層の破壊、薬剤抵抗性害虫の出現、薬剤の残留など、様々な課題がある。
 そこで農研機構では、窒素ガス置換を用いた低酸素処理の殺虫条件(酸素濃度、処理温度、処理期間)を確立するための研究を開始。ガス置換処理とは、二酸化炭素量の増加(高二酸化炭素)、酸素量の減少(低酸素または無酸素)、またはその両方となるよう空気中のガス濃度を変化させ、殺虫対象となる有害動物を死滅させる方法。研究では、貯蔵穀物の害虫の中でも低酸素耐性の高いコクゾウムシとタバコシバンムシを用い、小規模低酸素庫(容量7立方メートル)及び大規模低酸素庫(同210立方メートル)で殺虫試験を行った。
 その結果、酸素濃度0・1%、処理温度30度Cを4日間維持することで、いずれにおいても100%の死亡率を確認。従来のくん蒸剤での殺虫期間は3~7日なので、時間的にも大差なく処理できることがわかった。
 同技術は、穀物類の米、小麦、トウモロコシ、豆類の大豆等、香辛料といった乾燥した対象物への適用が期待され、植物検疫だけでなく、国内一般の穀物倉庫や乾燥食品の加工施設にも活用できる。また、殺虫を要する貯蔵穀物等の量や殺虫頻度を考慮した小規模低酸素庫を施工することで、施設導入コストを大幅に削減できるとしており、同技術の幅広い応用に期待がかかる。

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