スマ農実地勉強会が盛況/北海道農研センターなど

農研機構北海道農業研究センター、北見工業大学オホーツク農林水産工学連携研究推進センターならびに津別町農業協同組合が、北海道北見市の北見工業大学などにおいて開催した(一部Web併催)スマート農業実地勉強会「AI画像認識を活用したスマート農業技術の実証」。
農林水産省が進める「スマート農業実証プロジェクト」におけるスマート農業技術の成果の発信と普及を目的としたもので、今回はAI画像認識を活用したスマート農機による除草やドローン空撮×AI病害・雑草検知とドローン等による防除の実証成果について報告された。また、勉強会後は矢作農場に移動して見学会を実施。ここでは、北見工業大学と(株)キュウホーが共同開発した「EVクローラ型除草カルチ自動化ロボット」による除草の実演が行われた。
勉強会では冒頭、農研機構北海道農業研究センター所長・奈良部孝氏が開会にあたり挨拶した。奈良部氏は200名以上の参加者に謝意を述べた後、日本の食料基地と称される北海道においても農業人口の減少と、規模拡大進展による作業の省力・効率化が喫緊の課題になっており、この解決策の1つがスマート農業であると指摘。北海道では既に自動操舵や直進アシスト農機、農業用ドローン、経営支援システムなどが身近なものになっており、そうした技術に関心が集まっているが、今回はAI画像の認識を活用したスマート農業技術にスポットを当てた取り組みを紹介するとし、スマート農業技術の現状と課題、今後の推進方向について議論し合い、理解が深まることを祈念するなどと述べた。
次いで講演に移り、(1)北海道のスマート農業実証プロジェクトにおけるAI画像認識を活用した実証の紹介(農研機構みどり戦略・スマート農業推進室みどり戦略・スマート農業コーディネーター・長澤幸一氏)(2)AI画像認識を活用したスマート農機による除草の実証成果およびその後の取り組み(北見工業大学機械知能生体工学コース准教授・楊亮亮氏)(3)AI画像認識によるてん菜褐斑病検知(津別町)および畑及び牧草地における精密除草の取り組み(NTTコミュニケーションズ(株)P&S本部5G&IoTサービス部ドローンサービス部門・中川宏氏、(株)NTTドコモR&Dイノベーション本部クロステック開発部・山谷佳祐氏)(4)カボチャのうどん粉病AI診断とドローン防除の実証(農研機構北海道農業研究センター寒地野菜水田作研究領域野菜水田複合経営グループ長・中村卓司氏)―の4講演が行われた。
そのうち(1)では、長澤氏が北海道で採択されたスマート農業実証プロジェクト29課題のうち、AI画像認識を活用した実証7課題を示し、畜産における乳牛の個体識別や疾病早期発見、ロボットトラクタにおける人・障害物の監視、醸造用ブドウにおける病害虫判定などを紹介。一例として、キャベツ自動収穫機に設置したカメラを示し、AI画像認識でキャベツの位置を特定のうえ自動収穫を行うことにより、収穫作業を省力化し、同機の導入で収穫作業従事者が半減する効果が得られたなどと説明した。
また、(2)の楊氏は玉ネギの有機栽培において、除草作業の時間が慣行栽培の約4倍に増えることから、効率化を図るべく、実証プロジェクトにて「5G通信を活用したネットワーク型AIによる有機玉ネギの中間管理除草作業の自動化」を進めた。これはAI画像認識で作物列を推定し、自動走行可能な除草カルチ作業自動化ロボットを開発したもの。走破性向上を図るべく、幅が可変可能なEVクローラを採用し、走行実験を行ったところ、自動トラクタや手動式のEVクローラよりも目標線に対する追従性が高く、ズレ平均が少なかった。
また、楊氏は研究を進めているレーザー除草技術についても紹介。これはレーザーを雑草に照射することにより葉内部の細胞構造を破壊させて死滅させる物理的な除草方法で、レーザー除草機の開発を進めているなどと語った。









