森林・林業白書にみる林業経営、技術開発/高性能林業機械特集

先に公表された森林・林業白書は、林業経営の動向についてどのように分析し、また、研究・技術開発、普及の推進をどうまとめているのかをみてみよう。
【林業経営の動向】
今回の白書では、トピックスで「木材自給率が近年で最も高い43%まで回復」を紹介。まず、世界有数の森林国である我が国において、森林資源の循環利用を進めることは、森林の有する多面的機能の持続的な発揮や地域経済の活性化に貢献することを確認した上で、国産材供給の減少と木材輸入の増加により低下し続けていた木材自給率が、平成14年(2002)の18・8%を底に近年、上昇傾向で推移し、令和5年(2023)の木材自給率が43・0%にまで回復し、直近で最も高い水準となったことを報告。上昇してきた背景として白書は、人工林資源の充実のほか、合板原料としての国産材利用の増加などをあげる。また、FIT制度の導入により、木質バイオマス発電施設の整備が各地で進んだことに伴い、燃料用チップ等の燃料材の利用量が年々増えて、国産材供給量増加の要因になっている、と分析している。
こうした木材を取り巻く環境が変化する中、林業経営の動向をみると、林家の数は69万戸(2020年農林業センサスから)。保有山林面積で、100ヘクタール以上の規模の林家の面積が116万ヘクタールとなり、前回調査から増えて、保有山林面積の合計に占める割合も上昇している。
林業経営体数は3・4万経営体(令和2年実績)で、前回調査の8・7万経営体から大幅に減少した。そんな中、素材生産を行った林業経営体数は、令和2年5839経営体であり、前回調査の1万490経営体から減少する一方で素材生産量の合計は増加。1経営体当たりの平均素材生産量は3・5千立方メートルとなり、前回調査の1・9千立方メートルから大きく増加。
白書は、「年間素材生産量が1万立方メートル以上の林業経営体による生産量は、生産量全体の約7割を占めるまで伸展しており、規模拡大が進んでいる」と指摘している。
一方、長期的に減少傾向にあった林業従事者数は、平成27年(2015)から令和2年(2020)にかけて横ばいに転じ、4・4万人。
【研究・技術開発及び普及の推進】
林野庁では、「林業イノベーション現場実装推進プログラム」を着実に進めるため、令和3年(2021)に林業イノベーションハブセンター(通称:森ハブ)を設置。また、令和4年(2022)に策定された「森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発戦略」では、(1)高度なセンシング技術等の応用による造林・育林作業の省力化・低コスト化(2)花粉発生源対策や気候変動適応等に対応した優良品種の開発(3)気候変動が国内外の森林・林業に及ぼす影響の予測(4)我が国の森林吸収量算定方式の改善に資するモニタリング技術の高度化などの研究・技術開発を推進するとしている。
この他白書では、昨年の7月に設置された「林業機械の自動運転・遠隔操作に関する安全対策検討会」を取り上げており、実用化段階にある遠隔操作林業機械を対象に、安全性確保のための関係者の取り組みや使用上の条件等について検討した上で、今年の4月に「林業機械の遠隔操作に関する関する安全性確保ガイドライン~Ver.1・0~」として公表したことを紹介している。









