林業機械化協会:7年度の林業機械開発3課題を採択/高性能林業機械特集

一般社団法人林業機械化協会(島田泰助会長)と公益社団法人日本木材加工技術協会(信田聡会長)が12日に公表した令和6年度の補正予算で実施する「林業機械・木質系新素材の開発・実証事業」の採択課題。既報の通り、林業機械は「ラジコン式伐倒作業車の自動走行技術の改良及び集材システム等の開発・実証」(事業者=松本システムエンジニアリング(株)、久大林産(株))、「急傾斜地における自動運転型下刈機械の実証および植栽アタッチメントの試作」(同=(株)NTTドコモ、(株)筑水キャニコム、千歳林業(株))、「乱巻き防止型自動集材・造材マルチワークシステムの開発・実証」(イワフジ工業(株)、(株)中井林業)の3課題が選ばれた。
7年度末までに取り組む3課題の事業内容は次の通り。
【ラジコン式伐倒作業車の自動走行技術の改良及び集材システム等の開発・実証】
(1)ケーブルグラップル集材システムの開発=ラジコン式伐倒作業車のアシストウインチを主索として利用し、伐倒した材を別付けのグラップル装置で集材するシステムを開発する。また、ウインチを全長150メートル巻に改良し集材範囲を拡大する。
(2)ラジコン式伐倒作業車の装着するマルチャーの開発=遠隔操作で急傾斜地での地拵えができるよう、ラジコン式伐倒作業車のアタッチメントとして使用可能なマルチャーを開発する。
(3)自動走行技術の改善=自動走行の経路表示ソフトに追加するナビゲーションシステムの開発を行い、走行経路をQGISに入れて管理できるようにする。これにより、伐倒地点の位置データの記録も可能となる。
また、自動走行の演算処理待ち時間を短縮するための自動走行ソフトの改良を行う。
(4)開発・改良した伐倒作業車の性能等の確認・評価=久大林産(株)の現場等において開発・改良した機械、システムの性能、機能等の確認を行うとともに、生産性や経済性を評価するための時間観測など実証試験を行う。
【急傾斜地における自動運転型下刈機械の実証および植栽アタッチメントの試作】
(1)急傾斜地に対する下刈機械の動作検証と傾斜地における現場整備方法の検討=急傾斜地(想定傾斜35度)にて自動走行の検証を実施する。また、伐根除去をチェンソーで行い急傾斜地における機械走行に適した現場整備方法を検討する。
(2)事業規模面積(1ヘクタール程度)での自動走行試験と自動運転による実刈りの検証=今期秋植えを行った植栽現場において自動走行試験を行い、実運用における施業時間や誤伐の発生など、自動化における効率性、信頼性の検証を行う。また、植栽4年目の実証地で、青草が繁茂した状態下での下刈り作業の仕上がり具合についても検証を行う。
(3)植栽アタッチメント試作機の開発と苗木位置情報の取得方法の開発=下刈機に搭載可能な植栽アタッチメントの試作機を開発し、苗木位置情報の取得を行う。
【乱巻き防止型自動集材・造材マルチワークシステムの開発・実証】
(1)自動荷掛けシステムの改良=横取り後の巻き下げ時に集材木が架線式グラップルの真下にある状態を維持するよう、AI画像認識でズレを検出してズレが小さくなるようホールバックラインを制御するとともに、トング間に集材木を位置合わせできる揺れのタイミングを推測して巻き下げ制御するようシステムを改良する。
(2)自動荷下ろしシステムの開発=搬送途中から自動で少しづつ巻き下げを行い、引きずるようにして元口を荷下ろし場に向け、荷下ろし場に着く時点では架線グラップルから集材木の荷重が抜けるくらいの位置まで巻き下げを行う自動荷下ろしシステムを開発する。
(3)乱巻き防止システムの開発=油圧集材機のホールバックドラムのワイヤーが乱巻きになる予兆を検知して、乱巻きの発生前もしくは直後にドラムの回転を停止するシステムを開発する。
(4)林業現場での実証試験=伐採事業地において上記の開発、改良したシステムにより集材・造材を実行し、所要時間等を観測して生産性・経済性等を評価する。









