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令和7年6月30日発行 第3557号 掲載

各社の対応:地道な実演、訪問重ねる/福岡県特集

 (株)福岡九州クボタ(久保雄司社長/76拠点・645人)の2024年度の実績は、前年比約98%で推移した。大橋健太郎副社長は昨年を振り返って一言「厳しかった」と述べた。
 「24年末には米価が上昇したが、米農家はこの数年間、高騰した資材価格を米の価格に転嫁できなかったことが影響したと考えている。高温障害やカメムシ被害もあり、品質、量ともに低下し、作付け面積も減少した。福岡県は全耕作面積の約8割が水田だが、担い手を中心に転作による土地利用型農業が加速してきている」と推察した。一方で整備事業は前年比106%と好調で、農機リースも伸長した。
 同年度の主要機動向は、GS機の構成比がトラクタ9・5%、田植機0・9%と増加した。また、米関連は軒並み伸長し籾すり機や育苗機だけでなく、米の保冷庫、またカメムシ被害の増加などから色彩選別機も売上げを伸ばした。
 作業機は(株)ササキコーポレーションの「超耕速アクティブロータリー」が、野菜作エリアを中心に伸長。草刈機も伸びた。その他、顧客のコストダウンを図るための活動として、化学肥料の使用を低減する取り組みを実施。緑肥「ヘアリーベッチ」の普及や、「国内肥料資源利用拡大対策事業」を活用し、有機肥料の利用を推進した。
 25年度、売上げ目標は215億円。7月に製品の価格改定を実施。前半は売上げを確保するねらいとして、今年発売されたトラクタ「GS3」シリーズの35、60、70馬力など、人気の馬力帯に絞って営業を強化。また、秋商材に関しても前倒しで推進している。
 今年度の推進機種は、安価型が発売された(株)トプコンの自動操舵システムが筆頭だ。同副社長は「RTK基地局を3台増設し県内はほぼカバーできた。これでスマート農業を市場に普及する準備が整った。今後は、KSASを中心にお客様をサポートする提案を強化する」と方針を語った。新規事業としては、フルオートメーションで育苗した野菜苗の販売を計画中だとした。今後の主なイベントは、8月に大橋松雄農業機械歴史館にて中古機市、11月に同敷地にて大展示会を開催する予定だ。
 農機サービスの動向については、作業工数に基づいた適正な工賃の徴収を目指す。また、繁忙期のトラブル軽減のため、入庫点検を更に拡充。大型機に対応できる設備を整えることも課題。その他に、ガラスコーティングやエンジン内洗浄といった新サービスも展開中だ。
 同社は24年9月16日に創立60年を迎えた。それに伴い策定したパーパス・ミッション・ビジョン・バリューに沿った人事制度を今年、トライアルで開始する。これについて同副社長は「業績評価だけでなく行動評価や情意評価など多角的な人事評価を取り入れた等級制度だ」と説明し、続けて「スタッフの教育プログラムを組み、スタッフと企業の相互成長を目指す」と抱負を語った。
 ヤンマーアグリジャパン(株)九州支社(増田広次支社長)北部九州営業部福岡ブロックの2024年度の実績は前年並みで推移した。同ブロックを担当している結城敏治エリアマネージャーは、米価上昇の影響で顧客の購入意欲が高くなったことを受け、担い手を中心に訪問活動を強化し、売上げを維持したと振り返った。
 同年度の主要機動向は、トラクタは50、60馬力帯が主流で、横ばい。田植機は6~8条植えが増加し、これまで主流だった4条が減少。コンバインも4条刈以上が伸長し、主流だった2条は減少した。作業機は草刈機が堅調。その他に、米価の上昇から、乾燥調製施設や色彩選別機など米関連機が伸長した。
 同社は25年4月に価格改定を実施したが、同マネージャーによればその影響はわずかだという。「今年度も地道に訪問活動を続け、お客様に最適な提案やサービスを実施する」と抱負を述べた。 スタッフの提案力を強化するため、スマート農機の研修にも力を入れる。例えば直進アシストトラクタの活用で人件費の削減、ドローンの活用で減肥料など、主にコストダウンを主眼においた研修を実施する予定だ。また、一部の顧客に対して乾田直播の実演にも力を入れるといい、省力化をアピールすることで播種機の売上げなどにつなげる。
 農機サービスの動向は、顧客の「手を止めない」サービスを施行できるよう、繁忙期後は顧客に対し農機点検の呼びかけを徹底する。また、スタッフのスキルアップ研修も定期的に行う。その他、農作業の安全啓発を顧客だけでなくスタッフにも実施する取り組みも行っている。
 (株)ISEKI Japan 九州カンパニー(中谷清社長)北部営業部福岡事務所(12拠点・71人)の2024年度の実績は前年比微増で推移した。寺内信雅部長によれば、上半期は前年並みであったが、下半期は米価と野菜の価格上昇の影響により作業機などが伸長したという。
 同年度の主要機動向は、トラクタは50、60馬力が主流。「BFREX」シリーズが健闘したものの、前年より微減。田植機は5、6、8条植えが増加し、4条が減少した。コンバインは4条刈「HFR4050」が伸長した。その他、自動操舵システム「CHCNAV」が堅調。米価上昇で、乾燥機や色彩選別機が伸長した。
 25年度は7月に価格改定を実施。それに向け、5~6月は各拠点で商談会を開催した。麦の収穫時期と重なるこの時期の展示会は避けたと同部長。改定後の7月11、12日に久留米市の会場でメーカー46社が出展する合同展示会を予定している。
 同年度の推進機種の筆頭はCHCNAV。実演などを担当している湯川真悟次長によれば、トラクタと田植機に付け替えて使用できることがユーザーに浸透し、お得感が受けているという。また、本社主導で乾田直播の実演にも力を入れ、アマゾーネやニプロなどの播種機を推進する。その他、水田の雑草を抑制する「アイガモロボ2」は既に25年度分を完売した。水深の浅い地点の航行を「ブラシ型パドル」を採用することで走破性を高め、価格は旧型に比べ約半額。コストパフォーマンスの良さが受けたと同次長は推察した。
 農機サービスの動向は、黒字化計画を推進し、メンテナンス収益が向上した。格納点検の徹底したプロモーションなどが実を結んだという。サービススタッフの技術力向上に関して、茨城県の研修センターで1週間程の様々なカリキュラムが用意されているといい、希望するスタッフは受講できるそうだ。その他、休日が取りやすい環境作りにも取り組んでいる。
 三菱農機販売(株)九州支社(松尾秀二支社長)福岡支店(4拠点・20人)の24年度の実績は、前年比減で推移した。米価は上昇したが顧客の動向は慎重で主要機が伸び悩んだ。
 24年7月の自社製品の価格改定対策として徹底した顧客周知で臨んだものの、駆け込み需要が今ひとつ盛り上がらず、また納品の遅れなども売り逃しの原因となった。主要機の動向は、トラクタは小~中型は減少し、45馬力以上が横ばいだったが、全体的に落ち込んだ。田植機は4~6条植えが前年並みで、8条は減少。コンバインは2条刈が伸長し、4条以上は減少傾向だった。その他、ミニ管理機がホビー層に伸長。自走式草刈機が堅調。米価上昇の影響から米保冷庫が伸長した。
 25年度、業務の効率化を図るため同支店と佐賀支店は4月に合併し、北九州支店と改名した(10拠点・36人)。
 今年7月の価格改定に向け、香田和磨支店長は「トラクタの売上げ回復のため、地道に顧客訪問を続け、1台でも多く契約する」と前向きに抱負を語った。今年度の推進機種は、上期の新製品として発売したトラクタ、コンバインなど5機種8型式。特にトラクタはディスクハロー「クサナギ」をセットした実演で挽回を図る。6、8条田植機「XPS」も実演を強化。自動操舵システム「EFIX」も推進する。これについて同支店長は「自動操舵で他社に遅れをとっているので、コスパの良さをアピールして実績を出したい」と意気込む。
 農機サービスの動向は、24年度に工賃改定を施行し、今年度は増収に向けて業務改善に取り組んでいる。また、ドローンはスタッフ研修を行い、修理だけでなく使用方法などもレクチャーし、セールスにつなげるねらいだ。

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