県の取り組み:強い農林業を実現/福岡県特集

福岡県は6月、服部県政2期目となる2025年度の当初予算を発表した。県の当初予算は知事選挙が今年3月に行われた関係で7月までの暫定となっており、服部知事が再選したことで概要が決定した。
25年度の当初予算は、一般会計の総額で2兆1878億円で、24年度より3%増加した。同知事は6月3日に行われた定例記者会見で「人」「産業」「健全な環境・くらしを守る」という3つの柱を掲げた。その中の産業について中小企業のスタートアップ支援、また半導体など先端技術産業への支援、そして「農業構造の強化、生産力の強化に取り組み、強い農林水産業を実現」すると力強く宣言した。
農業関連予算の一部を紹介する。まず、今年度の予算組みで同知事が強調したキーワード「強い農業構造を確立」に1億5692万円を計上した。農業従事者の減少と高齢化の現状で、将来にわたって持続的な生産ができる構造に転換する必要があり、同時にブランド化など収益力の向上にも取り組むとし、「企業型経営体」への転換を後押しするため、経営規模拡大や生産性向上の支援を行うと説明した。また、林業においても、ICT機械の普及や、特定苗木への転換を推進すると発表。CLT(※木質建材。大阪・関西万博においてパビリオン建設にも利用された)で使用される県産木材のシェア拡大のため、流通経費の低コスト化を実証すると述べた。
イチゴ「あまおう」のブランド力、競争力強化に1億653万円とした。同知事は「全国初の環境保全型の増収技術を開発」すると述べた。これは、(株)西部技研(福岡県古賀市)による、二酸化炭素の濃度を管理する装置に、温度調節を自動で行う装置を組み合わせ、収穫量を増加させる技術だと説明し「今までの実験で1割以上増える」ことを確認したと、その手応えを伝えた。また、輸送に関して、現在のトラックや船から空輸を活用した実証を行うとした。「北九州空港からJALとクロネコヤマトの共同運行便、貨物便が飛んでいる。あるいは、旅客機の腹に積んで飛ぶこともできる」と説明し、「空とぶイチゴ」など差別化すると取り組みを発表した。そして、大型で糖度11度以上を「プレミアムあまおう」として販売することも合わせて発表した。「今、あまおうは糖度センサーによる判別はしていないが、これを行う」とした。続けて「育成者権が失効したといわれているが、全生産者に対して改めて研修会を実施するなど、苗の流出防止対策を実施する」とも述べた。
「八女茶の世界ブランド化を推進」に9975万円。同知事は、日本茶の輸出量はこの10年間で約2・6倍に増加し、特に抹茶とオーガニックで栽培したものの需要が高いと説明。抹茶の製造ライン増設などの生産拡大とそのPR、そしてオーガニックへの転換を推進するという。「八女の皆様と力を合わせ、オーガニックへの転換を進める。海外への輸出促進を生産と販売の両面から支援し、世界で高く売れる八女茶を作る」と述べた。
その他、園芸農業の競争力を強化する「活力ある高収益型園芸産地育成事業費」として14億5350万円。園芸産地の育成や雇用型経営に必要な施設や機械の導入を支援するとした。また、「水田農業の競争力を強化」に1億4495万円。農作業集約化や生産規模拡大のための機械導入を支援。動物保健衛生所の整備に7億5614万円。老朽化した筑後家畜保健衛生所を、みやま市に移転し整備するとした。









