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令和7年6月30日発行 第3557号 掲載

「新しい林業」の実証成果⑤/躍進2025林業機械23

 今週は報告書「『新しい林業』経営モデル実証事業3か年の成果~新技術を導入した12の事例紹介から~」から、「京阪奈+三重 需要地と供給地の事業連携による新しい地方創生型SDGs林業への挑戦」「先進的林業経営体によるタワーヤーダフル活用モデルの構築」「森林管理組織『リフォレながと』を核とした長門型林業経営モデル構築事業」の3事例。ICTを活用した森林境界の明確化をはじめ、急峻な地形の多い日本林業には避けられない架線型技術に挑んでいる。
 バイオマスパワーテクノロジーズ(株)、(株)玉木材、(株)古家園、(株)森のエネルギー研究所が進めた「京阪奈+三重 需要地と供給地の事業連携による新しい地方創生型SDGs林業への挑戦」。森林資源調査、主伐、流通、再造林の各分野でICTやウッドライナーによる架線集材、移動式チッパーによる残材チップ化など、新技術の実証に取り組んだ。
 森林調査では、地上・空中デジタル機器による省力化と資源量の把握をはじめ、主伐では架線集材と林地残材のチップ化によるコスト削減、流通では製材向け品質評価と付加価値化、再造林では獣害対策と新たな樹種・省力技術を導入し、それぞれの効果等を確認した。その結果、今後の取り組みとして、立木データの精度向上と製材側との評価基準の共有をはじめ、主伐におけるコスト削減、広葉樹などの付加価値化と販路拡大、獣害対策の改善、省力機材の活用ノウハウの確立、地域連携の強化等が求められるなどと指摘。
 これらを通じて、調査・主伐・再造林・流通までの工程の効率化と収益性の向上を図る、としている。
 「先進的林業経営体によるタワーヤーダフル活用モデルの構築」は、前田商行(株)が日本森林技術協会の協力、支援を得て取り組んだ。実証作業では、地形急峻な地域におけるトラック搭載の大型タワーヤーダによる主伐作業における架線計画の高度化やタワーヤーダを活用した再造林の効率化とともに、林地残材のバイオマス発電用資材としての収益化、再造林の支出削減などを検討した。
 架線計画の高度化では、オープンソースのソフトウエアなどを活用した架線計画シミュレーションの作業手順の確立のほか、机上計画の高度化を実現。また、ツリーシェルターの活用では、植栽・獣害対策・下刈りまでを考慮することで再造林の支出を削減できることを検証。
 これらの成果を踏まえて、地形の厳しい地域における効率的な主伐・再造林作業を実現するため、QGIS等を活用した架線計画シミュレーションの高度化と、それを運用できる人材の育成に取り組むとしている。また、林地残材のバイオマス資源としての収益化を図るため、作業システムや機械開発を検討課題にあげる。
 一般社団法人リフォレながとが山口県農林総合技術センター、住友林業(株)とともに取り組んだ「森林管理組織『リフォレながと』を核とした長門型林業経営モデル構築事業」。ICT機器の活用による森林境界の遠隔確認、レーザー計測による資源量把握、ICTハーベスタによる生産性と収益性の改善、日報データを用いた進捗・生産性管理、再造林作業における資機材・苗木運搬の省力化、獣害対策とジビエ活用等に関する実証を進めた。
 その結果、労働負担の軽減、作業効率や精度の向上、コスト削減といった成果を得ている。一方で情報の電子化や担い手の高齢化、機器精度や運用面での課題を把握している。

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