暑さに強い稲、果樹/農研機構が「推し品種」セミナー

農研機構は25日、都内の大手町ファーストスクエアカンファレンスにて、温暖化に負けない「推し品種」を紹介する報道機関向けセミナーを開催した。当日は、農研機構農業環境研究部門エグゼクティブリサーチャーの長谷川利拡氏と同研究員の若月ひとみ氏が「暑さに強い品種、温暖化適応品種が求められている背景」をテーマに講演。続いて、同作物研究部門上級研究員の松下景氏が水稲の高温耐性品種について、また、同果樹茶業研究部門の杉浦俊彦氏が果樹の温暖化適応品種について、それぞれ研究内容などを紹介した。
最初に登壇した長谷川氏は、水稲では、開花や登熟など感受性が高い時期の高温曝露が全国的に増加しており、1等米比率低下の重要な要因になっていると指摘。高温耐性品種の導入が対策のポイントになるとした。そして若月氏が、白未熟粒率を気象と水稲品種の高温耐性分類から推定するモデル開発について説明。高温耐性品種を導入することで、白未熟粒率の低下と1等米比率の向上に貢献できるとする同モデルを用いた試算結果を示し、長谷川氏の解説を裏付けた。
続いて松下氏が、近年、新潟・関東・東海を中心に急速に栽培面積が拡大している水稲の高温耐性品種「にじのきらめき」を紹介。その最大の特徴として、止葉が穂への直射日光を和らげるため穂温が上昇しづらく、白未熟粒の発生が少ない点をあげた。他にも、多収、耐倒伏性や耐病性の高さ、「コシヒカリ」と同等の良食味―などの魅力を紹介し、さらなる普及拡大に期待を寄せた。さらに、西日本向きの高温耐性品種「つやきらり」「秋はるか」「恋の予感」や、東北南部・北陸向きの高温耐性品種「笑みの絆」などを紹介した。
杉浦氏は、果樹の温暖化の影響として、着色不良と発芽不良をあげた。その対策として、高温でも着色しやすく食味の良いリンゴ「紅みのり」「錦秋」や、発芽不良が発生しにくいモモ「さくひめ」などを紹介。また、温暖化により、現在は日本での栽培が難しいとされるアボカドやライチなど新たな作物の導入機会になる可能性を示した。









