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令和7年6月30日発行 第3557号 掲載

高温耐性品種を導入/関東農政局が高温対策勉強会

 関東農政局は24日、農作物等の高温対策WEB勉強会を開催した。昨年、一昨年の記録的猛暑は、農作物の品質に大きな影響を及ぼした。今年も全国的に暑い夏になることが予想されており、同勉強会は、高温条件下での農作物の生産等に資する情報の共有を目的に企画された。当日は500人以上がオンライン参加し、その関心の高さをうかがわせた。
 最初に挨拶した関東農政局生産部長の土居下充洋氏は「夏場の高温がこれまでとは異なる次元に達してきており、農業への影響も深刻だ。昨今の米の価格高騰の要因の1つに、令和5年産からの高温の影響で、精米の歩留まりが低下していることがあげられる。また、暖冬でカメムシ類も多く発生している」などと述べ、高温対策の必要性を強調。参加者には、勉強会で得た情報を現場に持ち帰り、広く生産者らに提供してほしいと訴えた。
 勉強会は、▽近年の温暖化傾向、令和5、6年猛暑年が水稲品質に及ぼした影響と対策技術(農研機構農業環境研究部門エグゼクティブリサーチャー・長谷川利拡氏)▽茨城県における水稲の高温対策について(茨城県産地振興課主任・早坂賢将氏)▽斑点米カメムシ類の被害及び防除法(特に近年問題となっているイネカメムシを中心に)2025年版(農研機構中日本農業研究センター転換畑研究領域上級研究員・石島力氏)▽果樹における高温障害および対策技術(農研機構果樹茶業研究部門上級研究員・杉浦裕義氏)―の4講演が行われ、様々な高温対策が紹介された。
 最初に登壇した長谷川氏は、近年の高温による水稲への影響をまとめたうえで、高温耐性(登熟性)品種の導入により、白未熟粒の発生抑制や1等米比率の維持が期待できるとする研究結果を報告。また、関東農政局管内の米65品種の農産物検査結果を分析し、同じ高温曝露・同一耐性レベルでも、1等米比率にはばらつきがあることから、栽培管理などの影響が大きいことを示唆しているとした。そのため、適期移植、水管理、施肥などの基本技術の励行が、高温対策においても極めて重要であると強調した。
 続いて早坂氏が、茨城県の取り組みとして▽高温耐性品種の導入▽高温対策技術の普及・開発▽消費者に向けた情報発信―などを紹介。高温耐性品種のうち「にじのきらめき」は、県西地域を中心に作付けが拡大しており、ここ数年で検査数量が約8倍に増えていることなどを示した。今後、農業総合センター生物工学研究所を中心に、高温耐性「強」を目標にした、さらなる品種開発を進めていく。
 次に石島氏が、近年、農作物に大きな被害をもたらしている斑点米カメムシ類の増加要因や被害状況、防除方法などについて解説。2020年以降、特にイネカメムシの被害が拡大しているとし、その対策については、広域一斉防除が効果的であるとした。また、不稔防止には出穂期直後に、斑点米防止には出穂1週間後に、殺虫剤を散布機やドローンで散布することを推奨した。
 最後に杉浦氏が、果樹の高温対策などについて解説。果実生育期間中の高温障害として、果実の日焼けや着色不良をあげ、その対策として、園内の風通しを良くしたり水ストレスを受けにくい土づくりに努めるなど、年間の栽培管理を徹底することや、確かな最新情報をもとに対策を施していく必要性を示した。

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