裾野を広げる刈払機/刈払機・草刈機特集

手持ち式の刈払機は、草刈り用機械が多様化していく中でも最もポピュラーで使い勝手のよい機械にあげられる。これまでと同様、生産・出荷台数は群を抜いて多い。その他の競合機種が次々と台頭してくる中で手堅く需要を獲得している。
先に公表された日農工部会統計をベースにした「日農工統計・農機生産出荷実績」2025年1~4月分をみると、刈払機の生産は、国内向、輸出向けを合わせて28万1790台、対前年同期比98・3%。一方、出荷は、23万2209台、同103・6%と伸びている。
生産の内訳は、国内向17万9349台(対前年同期比82・1%)、輸出向10万2441台(同150・4%)。出荷の内訳は、国内向15万7173台(同101・5%)、輸出向7万5036台(同108・2%)となっており、生産・出荷ともに輸出が前年実績をかなり上回っている。
ここまでのところ刈払機は、国内市場というよりは輸出主導の形となっている。これらの統計数字は、いずれもレシプロ式、つまりエンジン搭載機ということになるが、昨今の手持ち式刈払機の動向で見逃せなくなっているのがバッテリー搭載の充電式だろう。
刈払機を取り扱い、国内市場を切り開いてきた各メーカー、商社がラインアップしており、ここにきて品揃えも充実してきている。
バッテリー搭載の充電式刈払機のセールスポイントは、何と言っても低振動、低騒音。さらには排気ガスを出さない、始動時の作業が楽という操作性などが評価され、特に、病院や図書館、学校といった音への配慮が求められる施設周辺での作業に適した機種として評価を得てきた。
また、使用頻度がさほど多くないカジュアルユーザー層にとってはいつでも簡単に使える機能性の良さが受けている。
いずれもこれまでは街場に適した商品として市場を広げてきたバッテリー搭載の充電式刈払機だが、手軽に使える草刈り用の機械として知名度を上げるとともに、プロ向け仕様の登場で、より大きな市場を形成するまでのバイイングパワーを備え始めている。
最近の刈払機市場は、プロ市場に欠かせないエンジン式にライトユーザーが指名し始めているバッテリー搭載充電式といった具合に、棲み分けをはっきりとしながら勢いを増している。









