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令和7年6月23日発行 第3556号 掲載

もみ殻散布の効能:肥料費の低減資源/もみ殻関連機器特集

 土づくりにおけるもみ殻散布の利点はどのようなものがあるのか。各県などが公表している資料から、散布の効用やメリットについてみる。
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 新潟県農林水産部が令和3年3月に公表した「稲作経営への多収性品種導入のすすめ」では、施肥管理における生産コスト低減技術の関連技術として、もみ殻散布を紹介。もみ殻の施用効果としては、もみ殻の18~20%はケイ酸分であり、安価で有効なケイ酸質資材として活用できることを指摘。収穫後の籾すりによって得られたもみ殻(単収10アール当たり540キロで約135キロ得られる)を圃場にすべて散布すると、10アール当たりで24~27キロ(ケイカルで約80~100キロ分)のケイ酸分を散布することになり、肥料費の低減になるとしている。また、滋賀県農業試験場(現滋賀県農業技術振興センター)の試験結果では、もみ殻を施用することによりいずれの施用量(10アール当たり270~1040キロ)でも無施用区に比べ収量が多くなり、県農業総合研究所では、もみ殻の施用により土壌中の有機物が増加し、可給態窒素が増えることを確認したという。
 もみ殻の施用方法については、次の方法を推奨。
 (1)散布量=その圃場から得られたもみ殻は全量(10アール当たり540キロで約135キロ)を圃場に返すようにする。滋賀農試の研究では、10アール当たり540キロ(40アール分のもみ殻に相当)秋すき込みした区が最も増収効果があったと報告されている。
 (2)施用時期・期間=毎年、収穫後の秋期に散布し、稲わらと一緒に秋すき込みを行うのが基本。秋すき込み後は、圃場の排水性を良くした方が、もみ殻の分解が早まる。一方、低地力の圃場では、冬期間の圃場乾燥は地力低下を助長するので、逆に暗渠栓を閉めて圃場の水分維持に努めるようにする。
 (3)散布方法=トラクタに専用のもみ殻散布機を付けて散布すると1回の散布量が多く、手間もかからないため省力的。また、軽4輪やダンプトレーラーで散布することも可能だが、1回の運搬量が専用の散布機に比べて少なくなるため、荷台に板を立てるなど、工夫をする。もみ殻は比重が軽く重量当たりのかさが大きくなるため、粉砕した方が運搬や散布が楽になる。
 なお、もみ殻利用の留意点については次の通りとしている。
 ▽ごま葉枯病、稲こうじ病、墨黒穂病が多発生した圃場のもみ殻は翌年の伝染源となる可能性がある。例えば稲こうじ病や墨黒穂病が発生した圃場でコンバイン収穫を行うと、圃場にある稲こうじ病粒や墨黒穂病の被害籾の7~8割が粗籾に混入。そのため、病害が多発生した圃場のもみ殻は、施用しないようにする。
 ▽雑草の種子は、乾燥・調製段階で大半は選別され、もみ殻への混入は少ないと推定される。しかし、極端に雑草が多く発生し、籾すり前に種子の混入が多く認められた場合、そのもみ殻は圃場に施用しないようにする。
 ▽滋賀農試の研究では、もみ殻10アール当たり800キロ以上の多量施用(特に春施用)は、生育不良による減収の危険性が報告されている。一度に多量のもみ殻を施用することや、春施用は避ける。
 また、都道府県が取りまとめた施肥基準等のうち、岐阜県における「土づくりマニュアル(水田版)」では土づくり編の「4 有機物を施用する」でもみ殻の散布について紹介している。
 それによると、もみ殻は10アール当たり120キロ程度となり、ライスセンター等では大量に排出される。この活用方法としては家畜の敷料や堆肥原料、暗渠排水への利用、苗床培地への利用、農地へのすき込みなどがあるが、農地へのすき込みについてみると、堆肥化していないもみ殻を、水田に多量に施用すると、還元障害や空素肌成などにより悪影響が生じる。しかし、適量の施用では増収効果の報告もあるので、地域の状況(圃場の排水状況、気温等)を考慮して施用すれば問題はない。施用量の目安は10アール当たり100キロとし、秋に施用したのちロータリー耕などで土とよく混合する必要がある。
 後作の水場では、もみ殻の分解促進のため窒素施肥量を2~3割増肥する必要がある。また、夏期高温時の土壌還元や土壌膨軟に起因する倒伏防止のため、水管理を十分に行い、土壌を酸化的に保つ必要があるとした。
 北陸農政局生産部が令和7年2月に公表した「もみ殻の用途・活用事例集」では、水稲作において大量に発生する副産物であるもみ殻について、「もみ殻の処分に困っていませんか?」と呼び掛けた。平成28年度のデータによると、もみ殻はもみ重量の2割程度を占め、発生量の3割程度が未活用となっているという。処分方法の1つである野焼きは環境に悪影響を与えるおそれがあり、原則禁止であり、捨てれば産業廃棄物となり、出費の原因となることから、「もみ殻は隠れた資源」であるとしてお得に活用することを提案。▽農地に使えば土の通気性、透水性を改善し、ふかふかに▽くん炭化することで、土壌改善等の様々な用途に▽家畜の世話に使えば、清潔な敷料に▽燃料に使えば、再生可能エネルギーに▽J―クレジットの対象となるバイオ炭化することで、新たな収益も期待―と様々な活用法を紹介している。
 具体的なもみ殻の用途としては、加工度の低い方から順番に▽排水改良材(暗渠)▽家畜の敷料化・飼料化▽肥料化▽燃料化▽くん炭化―などを示し、それぞれの内容や取り組み、活用事例、必要な機器・機材・施設等、農林水産省の利用可能な事業等を紹介している。

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