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令和7年6月23日発行 第3556号 掲載

「新しい林業」の実証成果④/躍進2025林業機械22

 先週に引き続き、新技術を導入した12の事例紹介から、をサブタイトルに掲げた「『新しい林業』経営モデル実証事業3か年の成果」報告書の概要を取り上げる。今週は、「新たな技術を融合させた経営モデル(古殿町モデル)実証」のほか、「川上と川下のデータ連携を柱とするコスト削減と山元還元の実証事業」、「最新式集材機とICTハーベスタ等を核とした主伐・再造林システム実証・普及事業」の3課題について。成長できる林業事業体の体制づくりなどが行われている。
 「新たな技術を融合させた経営モデル(古殿町モデル)実証」は福島県を舞台に、(株)サンライフ、福島県林業研究センター、古殿町の3者が実施体として取り組んだ。実際の実証作業では、ICTなどの新技術活用による伐採、造林、保育作業の軽労化、低コスト化を目指すとともに、効率的で将来的な林業事業体の体制づくり、投資回収までの期間短縮、内部収益率(IRR)の向上によって、持続可能な木材供給の定着による販路拡大、立木価格の向上を目指した。特に現場作業の機械化では、地拵え・下刈り作業の効率化や苗木運搬の効率化を図るため、0・45クラスのベースマシンにマルチャーヘッドの装着や電動一輪車などを導入し、作業効率の向上を確認している。
 「本実証により、ICTを活用した効率的な林業経営、機械化による省力化、新たな経営手法の可能性が確認された」との評価の一方で、費用対効果の見極めや、獣害・害虫対策、目標林型をどのように考えるかなどの課題も残されており、さらなる改善が求められる、と指摘している。
 「川上と川下のデータ連携を柱とするコスト削減と山元還元の実証事業」は、長野県の北信州森林組合を実証体として、信州大学、精密林業計測(株)が協力・支援事業体として進めた取り組み。
 新技術の活用による再造林・保育作業のコスト削減を実証するとともに、ICTハーベスタを用いた造材指示による乱尺丸太の生産・納入の可能性を検証した。
 実証事業の目的として、(1)主伐費用の増加を抑えつつ、納入丸太の品質を維持できるかを評価する(2)木材の販売価格向上と保育経費の削減により所有者への還元を図り、主伐インセンティブ高める―を掲げた。
 特に主伐材となるA材販売価格を向上させ、A~C材全体の平均単価を上昇させる「マーケットイン」の戦略を採用したこの取り組みでは、結果として大幅な収支改善とはならなかったものの、カラマツの販売価格が通常の合板用価格より20%高く設定できるなどの成果を引き出している。
 ただしマーケットインを目指すには、乱尺造材の歩留まりを向上させる必要があり、今後、高齢林での検証等が必要と指摘している。
 「最新式集材機とICTハーベスタ等を核とした主伐・再造林システム実証・普及事業」は、岐阜県の白鳥林工協業組合、中江産業(株)、岐阜県立森林文化アカデミー、岐阜県郡上農林事務所が取り組んだ。特に急傾斜地等で路網開設が困難なエリアでは、架線系システムによる集材の取り組みが求められることから、テーマとして、主伐・再造林の工程に最新式の集材機とICTハーベスタを導入したシステムにおける作業効率及び安全性の向上と林業経営上のメリットやデメリット、導入条件などを明らかにすることをあげた。
 結果、機械化による省力化と安全性向上の効果が確認された一方で、各機械の特性や現場条件との適合性が導入の可否を左右することなどが明らかになった。中でも再造林の機械化については地形的制約があり、今後の改良が求められる、と指摘している。

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