クボタ・飯田氏が特別講演/九州農業WEEK

九州農業WEEK(通称J―AGRI)の中で、(株)クボタの特別技術顧問/工学博士・飯田聡氏による特別講演「中山間地域におけるスマート農業の未来」が行われた。同社は、就農人口の減少など日本農業の課題を解決するためにスマート農業技術の開発と普及に取り組んできた。飯田氏の講演の一部を紹介する。
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日本農業は、農業従事者の高齢化や離農による農家戸数の大幅な減少で、農村の維持が課題となっている。各地域の担い手が抱える問題は、労働者および後継者不足、多数圃場の効率的な管理、生産コストの高騰、重労働や労働環境の改善、人材育成、ノウハウの伝承、販路開拓など多岐に及ぶ。
行政はスマート農業促進のため、2024年10月にスマート農業技術活用促進法を制定し「みどりの農業システム戦略」推進を支援している。一方、クボタはデータ活用農業と無人化による超省力化を組み合わせ、一貫体系のソリューション提供を目指している。
農機のクリーンエネルギー化や農業残渣活用など資源循環型システムの推進など様々な取り組みを進めているが、最終的には、生産性向上を図り、儲かる農業を実現することが目標だ。それには市場から求められる時期に、求められるだけ生産できること。加えて、増員なしで規模拡大、多角化できる体制の構築。そして重労働から解放し、データでノウハウを伝承し、若い世代にとって農業を魅力的なビジネスに転換することである。
中山間地農業の主な問題は、棚田が多く、圃場面積が小さく分散しているので、作業効率が低く高コストな点だ。その他にも、高齢化が顕著で人手不足なので、人材育成が難しいこと。野菜や果樹の栽培も多く、対応技術が複雑な上、通信インフラ整備も不十分だ。これらに対して我々は、通常のスマート農業一貫体系を必要な部分は縮小・小型化し、自動化を推進している。
「スマート農業加速実証プロジェクト」をみると、中山間地の経営体では、スマート農機による機械費上昇により採算が悪化するという報告があがっているが、費用面も我々の課題だ。また、果樹栽培では機械化が遅れ、その労働時間は稲作の約6倍である。この問題に対しても、ドローンによる生育診断・施肥・防除・受粉などの省人化技術や、不整地向けの小型プロットフォームロボット「KATR(通称・キャトル)」などを開発している。他にも草刈機のロボット化やAIを活用した灌水システム、スマートグラスを活用した剪定支援などにも取り組んでいる。
こうした我々の取り組みには、農業者の皆様はもちろん、それを取り巻くステークホルダーの皆様の協力が必要だ。コミュニティとしてスマート農業支援体制を構築してこそ、強い農業生産者、または組織づくりが可能になる。それが魅力ある農業の実現につながると考えている。
最後に、大阪・関西万博でクボタは、「地球と人に優しい、未来の食と農業の研究所」をテーマに、パビリオン「未来都市」の中に出展している。無人農機のコンセプト機や、本日説明したKATRも展示しているので、機会があればご覧になっていただきたい。









