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令和7年6月16日発行 第3555号 掲載

各社の対応:農家の購買意欲向上/愛知県特集

 (株)東海近畿クボタ(森藤雅隆社長)の昨年の実績は計画を達成し、前年比も増となった。「昨年は7月の価格改定に向け、6月までに売上げを積み上げなければ秋以降は苦しくなるとみていたため、前半は計画達成に全力をあげて秋に臨んだ。しかし、米価の高騰で後半も実績を落とすことなく、計画達成できた」と、神野栄治東海事業部長は語った。
 今年の1~4月の実績も、前年比はもちろん、計画も達成できている。7月の価格改定を見据え、6月までにどれだけ注文を積み上げられるかがカギとなっている。
 そのため個別の実演会を実施し、提案していく。県内の農家は、アグリロボやGSなどのスマート農機導入に意欲的だ。今後も積極的に推進していくため、同社ではこれまで、RTK基地を3カ所設置し、今年新たに1基追加する予定だ。
 「担い手農家の田植機は、ほぼGS付き。また、トラクタも後付けを含めGS付きが主流になっている」と、RTK基地の充実により、さらなる増加を期待する。
 今後に向けて、まずは6月末までに1つでも多くの提案をし、注文を取るとした。そして価格改定後は、いかに反動を抑えるかが重要になる。
 「今後の米の価格により、顧客の動向も変わってくる。転作をやめて米作りをする人も出てくるだろう。転作すれば補助金は出るが、米作は出ない。米価の高騰により儲かるとわかれば、米作を始める人もいる。特に担い手農家は、常に次に何をしようか考えている」ため、やりたいことを実現するためのアドバイスや提案は欠かせない。
 また、修理対応は、顧客のニーズや課題を知るチャンスだ。周辺に離農をする人が増えたため、面積を拡大したり、他の作物を作りたい、防除をどうするかなど、修理対応をしながら顧客の課題やニーズを知ることができる。
 「米価の高騰により、農家も失敗できなくなっている。そんな中、機械の役割がますます重要になる。顧客が今後どうしたいのかを捉え、提案をしていくことが今後のカギとなる」とした。
 神野部長は「これから暑くなるため、社員及び顧客へ、熱中症対策及び農作業安全の声掛けを徹底していきたい」と、安全対策を遂行しながら、本格的なシーズンに向けて安全面からもサポートしていく。
 ヤンマーアグリジャパン(株)中部近畿支社(菱谷竜一支社長)中部営業部(愛知ブロック)の昨年度の実績は、前年並みで推移した。「昨年4月の価格改定後、4、5月は反動がみられ、前半は厳しい状況だった。後半は米価高騰の影響で、農機の更新、修理依頼の増加などが実績につながった」と、和田幸晴マネージャーは振り返った。米価高騰により、農家は今後の見通しを立てられるようになり、機械の更新や増台などが進んだという。
 主要3機種の動きをみるとコンバインが実績を牽引。大型機種を中心に、時期が過ぎてからも販売が続いていたという。
 また、ディスクロータリーYDPシリーズを中心に、作業機の販売も好調だという。「昨年から実演会を行ってきたことが、実績につながっている。圃場条件を選ばず、早く作業ができる製品」と、新規顧客獲得のカギとして今後も期待が高まる。
 その他スリップローラーシーダーや畦塗機などは、しばらく更新せずに使用していた農家が、米価の高騰により更新したと考えられ、これまでにない動きがみられた。
 今年に入ってからも、4月の価格改定に向けて駆け込みの購入があった。また、4月以降も反動はみられず、実績も計画をクリアしている。
 「これまでは提案しても反応が薄かったが、現在は提案に耳を傾けてくれ、前向きな意見も聞かれるようになった」と、農家の反応もこれまでと違っている。和田マネージャーはこれをチャンスと捉え、提案を強化していくとした。
 最近は飼料用米から主食用米へ転換する農家や、二番穂を収穫する農家も増えている。前者には収穫後の作物を、後者には汎用コンバインを勧めるなど、農家の希望に応じた提案で、農機販売増につなげていく。
 和田マネージャーは岐阜県から異動してきて1年になる。「年間を通して様々な作物が作られ、それぞれの機械が動いている。機械が動いていればチャンスがある」と、農機のアピールを積極的にしていくとした。
 今後については、顧客から信頼を得ることを第一に活動していく。「常に顧客目線で何を望むのかを考え、それぞれに合ったものを提案していく。前向きな顧客が多い今だからこそ、人を育てるチャンス」と、和田マネージャーは今後も将来を見据え、体制を整えていくとした。
 (株)ISEKI Japan関西中部カンパニー(南孝明社長)愛知営業部(鈴木辰行部長)は、今年1月1日に体制を変更し新たなスタートを切った。愛知営業部は引き続き鈴木部長がまとめ、指揮を執る。
 昨年の実績については、前年比増となった。「計画には若干届かなかったが、前年より実績を伸ばすことができた。前年の実績は自分たちがやってきたもの。それは必ずやり切ろうという思いで1年間やってきた」と、鈴木部長は振り返った。
 昨年3月に価格改定があり、駆け込み需要で2月までは順調に推移したが、その後、反動は夏まで続いたという。しかし秋以降、全体的に作物の価格が良かったため、盛り返すことができた。
 主要3機種の動きをみると、コンバインが実績を牽引した。「価格改定前に受注されたものも多かったが、時期中も継続して販売が続いた」と、中・小型クラスを中心に1年を通して売れていたという。
 アイガモロボの動きも好調だ。今年「アイガモロボ2」が発売され、既に完売した。「価格が安くなったことが決め手となっている」と、新規導入する人、増台する人が増えている。これまで実演を強化してきた効果が表れている。
 昨年は、修理整備の実績も伸びた。「特に野菜関連機器が目立った。キャベツの価格が高騰したため、関連製品を確保するのが難しかった。そのため、修理代はいくら掛かってもいいから、すぐに修理してほしいという依頼が多かった」という。
 今年に入ってからは4月までは例年並みで推移。4月になり7月の価格改定が発表され、5月に西三河と東三河で急遽、展示会を開催した。「7月からキャベツの定植が始まるため、前倒しで機械の受注が取れた。急な開催は準備が大変だったが、やって正解だった」と、手応えを感じている。
 7月には愛知、三重、岐阜、滋賀の4営業部合同の実演会の開催を予定している。「これまでにない大規模なものになる」と、価格改定後の反動対策として、資材を中心とした展示会とともに開催する。
 今後に向けて鈴木部長は、「まずは最低限、前年自分たちが作った実績を超える」とした。「愛知のスタッフは、皆、底力がある。無理だといいながらも、最終的にはやり切ってくれる。協力してくれる人が多い。皆で前年の自分たちを超えたい」と、力を込めた。
 三菱農機販売(株)中部支社(庄司聖志支社長)の昨年度の実績は、前年対比で増となった。「大型トラクタと、コンバインの出荷実績が増加。また、田植機も前年並みで推移し、全体的に良い動きをみせ、実績に貢献した」と、樋口英俊部長は昨年度を振り返った。
 今年度4~6月の実績については、前年比を大幅にクリアしている。「3月末までの受注残が4月に納品されたため」だという。
 トラクタは、前年比増。小型・中型・大型ともにまんべんなく売れている。田植機は前年並みの台数実績だったが、例年からみると少なかった。
 また、同社がこれまで提案し続けてきたペースト田植機への注目が高まっている。「ペーストも取り扱いの種類が増え、窒素成分の多い商品、遅効性の商品などユーザーの要望に合わせて提案している。新規での農家実績は少ないが、食味が向上するという声は他の農家の方々にも届いており、展示会等での問い合わせも多い」という。
 紙マルチ田植機のキャンペーンも実施しており、みどりの食料システム戦略やオーガニックビレッジ対象機として、問い合わせが来ている。「どちらもまだ行う人は少ないが、こだわる人からは注目され、長い間継続している人もいる。弊社のこれまでのノウハウを活かし、メリットを伝えていきたい」と、導入拡大を目指す。
 昨年の米価の高騰は、収量が少ない個人農家には、影響が少なかったようだ。「個人農家の購買意欲は高まっていない。農機具は全体的に値上げが続いており、更新する人は少ない」という。機械の更新時期を延ばし、少しでも長く使用しようと整備に出す農家が増えているためである。そこで整備修理事業の実績向上が期待されるが、重整備より簡易整備を希望する農家が多く、例年並みの実績となっている。
 今後については、新型トラクタ及びコンバインを中心に拡販を図っていくとした。同社は7月に価格改定を行うため、両機種は後半のカギとなる商品だ。6月から県内各地で新製品研修会を開催している。
 「商品知識のアップデートに努め、営業力の強化、提案営業の徹底により、積極的にPRしていく」と、樋口部長は意欲を示した。

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