「新しい林業」の実証成果③/躍進2025林業機械21

サブタイトルに新技術を導入した12の事例紹介からを掲げ作成された「『新しい林業』経営モデル実証事業3か年の成果」報告書。12の実証主体が研究機関等のサポートを得ながら、社会実装の観点から取り組んだ新たな技術、仕組みの実用性の検証や解決すべき課題提起などがまとめられている。報告書をまとめた林業機械化協会では、たくさんの人たちが関わり、そこから得た多くの知見をまとめたものとし、林業経営の改善を考える時に役立てば、と有効活用に期待を寄せる。
報告書の第1章で取り上げている「経営モル実証事業の取組成果の概要から」、12の実証主体が取り組んだ成果や課題などをみる。いずれも、各作業工程に先進的な機械、技術を導入している。
「北欧をモデルにした北海道・十勝型機械化林業経営」((有)大坂林業、(株)渡邊組、(有)サンエイ緑化、(国研)森林総研、(地独)道総研森林研究本部、(株)フォテク)では、北欧で実施されているICTを活用した高効率性と低環境負荷が両立する持続可能な作業システムを参考モデルとして、作業計画から素材生産、流通、再造林、保育に至る各工程において、新技術を導入した安全で収益性の高い作業システムの構築に取り組んだ。
報告書では、本実証により、LiDARを活用した高精度な森林資源把握、ICTによる素材生産の効率化、再造林・保育作業の機械化による省力化が確認された、と評価。一方で、技術の精度向上、機械化導入のコスト対策、取引慣行の見直しなどの課題も明らかとなり、今後の改良が求められると指摘している。
「ICTを活用したCTLシステムによる垂直統合型経営モデルの構築」((株)柴田産業、住友林業(株)、岩手大学農学部)では、素材生産から再造林、製材までのプロセスを一貫して管理する「垂直統合モデル」の構築を目指し、CTL(短幹集材)システムの採用とICT機器の活用による林業生産の効率化を実証し、その普及に取り組んだ。
システム構築として、▽素材生産管理システム▽造林計画システムを実施した他、森林調査、素材生産(生産管理機能、生産進捗管理機能、素材生産コスト、作業進捗管理機能)、流通・販売、再造林での検証を進めた。
その結果、CTLシステムの導入判断基準の明確化、ICTを活用した生産管理の効率化、カラーマーキングによる作業負担軽減が実現可能であることを確認。その一方で、カラーマーキングに伴うコスト増やデータ取得の制限などの課題が残っており、費用対効果を検証しつつ、更なる改善が必要と課題を指摘している。
「川下側の需要を反映した川上での効率的な素材生産及び特定母樹『遠田2号』及び早生樹『ユリノキ』の低密度植栽による低コスト造林での収支採算性向上の取り組み」(守屋木材(株)、(株)仙台木材市場、(株)佐藤製材所、(株)寺島木材、宮城県林業技術総合センター)では、実証に取り組んだ結果、従来型ハーベスタによる生産性や作業効率の比較、現場条件を異にする事業箇所での川下側の需要情報に応じた最適採材の効果、検知省略による材積精度の再検証、一貫作業システムによる低コスト再造林の経費削減効果等について検証する必要があると課題を指摘。
ICTハーベスタについては、操作の習熟などオペレータの養成も不可欠としながらも、その信頼性が広く認知されれば、検知省略などによるスムーズな流通販売につながると考えられる、と評価している。









