欧州向け乗用モーアを国内展開へ/井関農機・2025年下期新商品

井関農機(株)(冨安司郎社長・愛媛県松山市馬木町700)は12日午後、茨城県つくばみらい市の同社つくばみらい事業所で2025年度下期新商品として、欧州で高い評価を得ている乗用モーア「SXG327」をはじめ、低コスト栽培「密播疎稙」が可能な小型乗用田植機「さなえ」RPQ5シリーズなど、2品目3型式を発表した。冨安社長は、国内成長戦略の一環として「Non―Agri(農業用以外)商品市場」への取り組みを強化すると強調するとともに、電動化については世界トップブランドである「EGO(イゴー)」商品を国内草刈り市場に投入することを明らかにし、これら商品を推進するために体制を強化するとし、開発面では「ランドスケープ技術部」を新設、景観整備用機械の研究開発を進めるとともに、営業面では農機ルートに加え、ISEKI Japanに設置した「大規模企画室」を中心に「BtoB」ルートで拡販を図るとした。
発表会には、冨安社長はじめ、小田切元代表取締役専務、神野修一取締役常務執行役員、谷一哉取締役常務執行役員、渡部勉執行役員開発製造本部長、石本徳秋執行役員営業本部長、木全良彰執行役員海外営業本部長、勝野志郎執行役員、井下昌計常務理事、山上修生理事らが出席した。
冒頭、挨拶した冨安社長は、長期ビジョンである「『食と農と大地』のソリューションカンパニー」を紹介したあと、新たな価値を創造するソリューションカンパニーを目指すとし、具体的には(1)スマート農業や環境保全型の農業、アジアへの農業機械の展開などにより、生産性の高い持続可能な農業の実現に貢献していく(2)草刈機やコンパクトトラクタ等、景観整備を通じて、住み良い村や町の実現に貢献し人々の生活の質の向上を支えていく(3)環境に配慮した事業活動を通じて、これらの生産性と持続可能性を高めつつ、脱炭素社会と循環型社会の実現に貢献すると述べ、成長戦略としては、海外は欧州事業の拡大(英国代理店プレミアムターフケア社の連結子会社化完了)とNon―Agri(農業用以外)商品拡充、環境対応型商品の投入。国内は「大型・先端・環境・畑作」の成長分野へ集中し、拡販を図るとした。
次いで、成長戦略への取り組みとして、「草刈り事業の方向性」((1)欧州市場での取り組み=欧州営業部・宮崎竜之介氏)(2)国内草刈り事業の方向性(営業推進部・小野里泰仁氏)、「電動化の取り組み」(商品企画部・坂井義明氏)の3氏がそれぞれ説明した。
このあと、事業所の構内に場所を移し、野外で今年10月から日本市場に投入する新製品乗用モーア「SXG327」(21・9PS)をはじめ、SXGE2、TXGS24、また北米・欧州でヒットしているEGO(中国製)(発売時期は未定)の電動芝刈機の実演を行った。ここでは欧州で高い評価を得ている大容量の「コレクタ」(刈取った芝、草を収納する)を高く持ち上げ、そのバランスの良さを披露した。
また、農研機構のクラスター事業に参画し、開発中の共有バッテリーパックを活用した電動野菜移植機を紹介した(乗用モーアSXG327の特徴は別掲)。
最後に、石本営業本部長が挨拶に立ち、「食を支える農業や人の暮らしを支える景観整備事業はまさにエッセンシャルなビジネスとして、重要度が改めて認識されている。これらを支える井関グループは、お客様に寄り添い、現場ニーズに即した最適な商品ソリューションを提供し、食と農と大地のソリューションカンパニーとして持続可能な社会の実現に貢献していく」と述べた。
新商品のうち、ヰセキ乗用モーアSXG327の特徴などは次の通り。
【ヰセキ乗用モーアSXG327】
〈開発のねらい〉
乗用モーアはゴルフ場や空港、高速道路、公園などの芝・草刈り作業で欠かせない。需要は堅調に推移している。欧州では高く評価されており、国内で展開することで景観整備市場での販売拡大を図る。
〈発売型式〉
SGX327(21・9PS)
〈主な特徴〉
(1)エンジン=搭載された大排気量1123立方センチ、21・9PSのエンジンは軽作業から高負荷がかかる作業まで十分な力を発揮。傾斜地や背の高い雑草刈りでも安定したスムーズな作業が可能となる。
(2)HSTトランスミッション=搭載しているHSTミッションは反応が早く、スムーズな走行ができる。2つのペダルで素早い前後進の切り替えができる。
(3)大容量ハイダンプコレクタ(集草機)=刈った草の集草容量は650リットルと大容量で、効率的な作業を実現。ハイダンプ仕様なので、最大高さ約2メートルまで素早く持ち上げることができ、トラックへの排出も容易。コレクタが満杯の状態で最大高さに持ち上げた場合でも、安定するように前後バランスを考慮して設計している。
(4)54インチモーアデッキ=刈り幅は54インチ(1372ミリ)と広く、センター排出方式を採用。広口のシューターによって、背の高い草や濡れた草でも詰まりにくい。
発売時期は2025年10月。希望小売価格はオープン価格。









