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令和7年6月9日発行 第3554号 掲載

各社の動向1:主要機は大型化進む/北陸特集

 (株)小出農機(小出一夫社長・富山県富山市・20人)、2024年度(※決算・6月末)の実績は前年対比増で推移している。富山県では今年2月上旬に降雪が連日続き、その影響で主力商品の1つである除雪機が順調に売上げを伸ばした。23年度は降雪量が少なく除雪機の売上げが減少したので、まさに雪辱を果たした、と小出社長は振り返った。また、後継者不足などで更に離農が進んだ印象があったと述べた。
 春商戦については、恒例の展示会を同社拠点の「テクノサイドKOIDE」(富山市)において今年3月に開催した。4月1日から実施されるヤンマー商品の価格改定の影響に加え天候にも恵まれて23年度より客足は良く、駆け込み需要に対応できたという。同社の年度末である6月にも展示会を予定している。クボタ商品の価格改定が7月から実施されるので、なるべく商品のバリエーションを増やし、駆け込み需要に対応する準備を進めている。
 主要機の動向は前年より大型化が進んだ。トラクタは33~57馬力が主流となり実績は前年並み。田植機は6条、8条植えが主流で、こちらも横ばい。コンバインは3条、4条刈が主流となった。その他、種類が豊富なヤンマー管理機が伸長した。一方でスマート農機の販売に関しては、需要の少なさから消極的な印象だった。
 25年度に向けての抱負を同社長に問うと、米価の上昇で顧客の雰囲気は良いが、ここ4年ほど毎年実施された商品値上げの影響が顕著に出るのではないかと推察した。対策としては「お客様第一主義」を営業方針に掲げ、顧客のニーズに寄り添った商品構成を徹底し、どんな要望にも対応できる姿勢が重要だと述べた。 同年度前半の推進機種は草刈機だといい、小型から大型、ラジコンなど、全てにおいて顧客の要望が多いという。その他の商品に関しても、なるべく取り扱いの幅を広げ、それらを深く知ることで顧客への提案を強化したいと述べた。
 石川スズエ販売(株)(杭田節夫社長・石川県金沢市・15人)の24年度(決算・1月20日)の実績は前年比微増で推移した。同社は、農機販売、米穀卸売、肥料販売などの部門があり、農機部門は17%減少(大型農機だけでみると25%減)となった。一方で米部門は42・5%、肥料部門は4・1%と、それぞれ増加した。
 杭田社長によれば、農機部門に関して24年前半は前年並みで推移したが、9月以降に農機、部品、サービスそれぞれの売上げが減少。しかし予約分を鑑みると25年度3月までには回復の見込みだとした。
 24年度の主要機の動向は、トラクタは13~80馬力と幅広い需要があった。田植機は4~8条植え、コンバインは2~5条刈でそれぞれ動きがあった。その他に、畑作関連が堅調。草刈機、除雪機はともに伸長した。
 25年度の目標を同社長に問うと、24年同様に「生き残り」だと語った。農林水産省が24年11月に発表した各品目の耕地面積と農業者数の予測を引き合いに(※20年と30年を比較し、耕地面積は約35%、農業経営体は約50%、それぞれ減少するとした予測値)、石川県でもその数値は当たらずとも遠からずだとし、対策としては、担い手などの顧客に対し「地道なコミュニケーションの積み重ねによって信頼を得て、価値を高める対応を心掛ける」と、密接な関係性の構築が会社の存続につながると述べた。
 またレンタル事業の推進もあげた。同社が30年ほど前から開始したレンタル事業は、主要機の他に肥料散布機や草刈機など20機種以上を取り揃えている。実演活動はレンタル事業に取って代わり、また修理の際には代車としても活用しているという。
 農機の整備修理サービスは堅調だとし、25年度は新規顧客が増加し、前年の3割増で推移している。同社は362日稼働し、スタッフはシフト制を施行している。同社長は「サービスの対応の良さが次の売上げにつながる」と営業方針を語った。
 (株)ヨシミ商会(吉田耕司社長・福井県福井市・5人)の24年度(決算・1月末)の実績は前年比増で推移した。これについて吉田社長は「製品の価格改定で売上げは増加したが、利益は前年並み」と説明した。同社の主な顧客である兼業農家の減少とともに、主要機、中古機の販売台数も減少し、「何が売れるかわからないので仕入れは博打のようだ」と、先行きが不透明な現状を訴えた。
 25年度は、整備修理サービスの価格改定を実施した。また、主要商品のひとつである除雪機に関して、販売の他にシーズンオフの4~11月の期間に保管サービスを実施しており、順調に顧客を増やしている。主な客層は法人だが、その他に美容室や喫茶店といった店舗からの依頼も多く、中でも点検整備付きプランの人気が高いという。農業関係者以外の顧客増加に伴って、除雪機のような季節商品だけでなく年間を通して新たなビジネスの提案もできないか思案中だ。
 それと並行し、同社が水田の除草用に製造した「ラジコンホバークラフト」を活用した除草作業委託の事業展開も考えている。農業に軸足を置きつつも、価格競争に巻き込まれにくいBtoBビジネスへ移行する模索が続く。
 とはいえ、同社はイギリス製オートバイを取り揃えるオートバイショップ「スネークモータース北陸」を既に10年運営している。
 様々な事業を通して本業である農業を俯瞰して把握できるようになったと同社長。そういった観点から農業機械整備技能士の地位が低いことが問題だと警鐘を鳴らした。40~50種類の農機を整備する特殊なスキルを必要とされる職種に対し、金銭的な補償以外に、認知度を向上させるような策を打ち出さないと人材が枯渇するとし、積極的な情報発信を心掛けたいと話した。

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