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令和7年6月9日発行 第3554号 掲載

「新しい林業」の実証成果②/躍進2025林業機械20

 一般社団法人林業機械化協会(島田泰助会長)が先にホームページにアップした報告書「『新しい林業』経営モデル実証事業3か年の成果~新技術を導入した12の実証事例から~」。平成4年度に林野庁の補助事業としてスタートした「『新しい林業』経営モデル実証事業」の3年間にわたる取り組み成果をとりまとめた一冊。3年かけて全国12の実施体が取り組んだ新しい技術や機械の有効性を実証し、伐採から再造林・保育に至る収支のプラス転換を可能とする方策を探った。
 このほどまとめられた報告書では、第1章で経営モデル実証事業の取組成果の概要を簡潔に示しているほか、第2章実証技術の評価と課題、第3章経営モデルの提案とその実現に向けての3章構成で12の実証主体が進めた取り組み成果とともに、今後のあり方、進め方などを展望している。
 特に第2章の実証技術の評価と課題では、実証対象の各工程となる森林資源把握(森林資源調査)、主伐・素材生産、再造林・保育、流通販売・その他ごとにとりまとめており、機械の装備や作業システムなどの特性評価を載せている。
 また、第3章では、ICTハーベスタ造材データ連携を軸とした生産・流通の合理化と造材保育作業の機械化などのモデルを示しながら実現に向けたあり方などの問題を提起している。
 報告書の冒頭、同経営モデル実証事業における有識者委員会の座長を務めた東京大学名誉教授の酒井秀夫氏によるメッセージ「『新しい林業』への期待」が掲載されている。
 この事業の持つ意義として、「新しい林業」は、減少傾向が続く林業労働力の下で、安全・低コストに、さらには環境に配慮した作業を行い、労働に見合った対価、報酬を捻出し、魅力ある林業でなければならないとした上で、事業実施期間である3年間に進めた新たな技術・仕組みの実用性の検証と今後解決すべき課題提起などを示しつつ「是非この事業の成果を参考に、自分たちに今求められていることは何かを考えていただき、残された課題を解決し、『新しい林業』の道を伐り開いていってください」と全国の林業事業体・経営体に対して熱いエールを送っている。
 酒井座長は、成果として、(1)川上ではLiDAR等を活用した精密な森林調査、在庫管理ができるようになっており、そうした中から立木市場という新しい概念がでてきたこと(2)最初から取り組んでいるICTハーベスタの課題や解決策が明らかになってきたこと(3)森林資源を有効に活用する取り組みが重要になる中、林地残材が発生しない仕組みを作ることも重要であることなどの把握ができた点を指摘し、今後求められる対応策などを示している。
 同経営モデル実証事業は、既報の通り、全国12の実証主体がそれぞれの地域に求められる新たな技術や仕組みを社会実装の観点から実用性を検証した取り組みである。取り入れられた新技術としては、森林資源把握、主伐・素材生産、流通販売、再造林・保育といったそれぞれの作業分野を効率化する機械が数多く採用されている。
 具体的にはICTハーベスタによる素材生産をはじめとして、ドローンによるレーザ計測、エリートツリーの低密度植栽、クラッシャー、乗用刈払機による地拵え、特定母樹による低密度植栽、自走式搬器を装備した架線集材、ICT機器を活用した境界の明確化など、これから現場での導入が見込める様々な技術、取り組みの実証が進められた。

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