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令和7年6月9日発行 第3554号 掲載

日本技術に高い期待/JICA・AFICATビジネスフォーラム

 JICA(独立行政法人国際協力機構)は5月22日、都内千代田区のホテルニューオータニ東京で、AFICAT(日・アフリカ農業イノベーションセンター)ビジネスフォーラムを開催した(日農工後援)。AFICATは、JICAが推進し、アフリカ諸国における先進農業技術の導入促進を官民連携で実施する事業。今回はAFICAT重点支援5カ国(ケニア・タンザニア・ナイジェリア・コートジボワール・ガーナ)から、農業機械化関連省庁の担当幹部や民間団体の代表者など、AFICAT推進に従事する関係者を各国2名・合計10名招聘し、各国の最新情報を発表。また、アフリカ進出を検討している日本の民間企業等約100名が出席し、活発に交流した。
 開会に当たり挨拶したJICA上級審議役・山口博之氏は、今回は2023年以来2回目のビジネスフォーラムに当たり、前回も100名超が参加し好評を博したことから、開催することになったと経緯を説明。AFICATを活用して現地調査を開始したり、受注につながった本邦企業も出てきており、国内民間企業による市場としてのアフリカに対する視線も大きく変わってきたと述べ、もう一方の当事者であるアフリカにおいても、今年1月に開催されたアフリカ連合(AU)首脳サミットでカンパラ宣言が採択され、アフリカにおける強靱で持続可能な農業生産システムの構築を目指す中で農業機械化がその達成に向けた重要な手段と位置づけられており、アフリカ各国による農業機械化のモメンタムが以前にも増して高まっていると指摘。また、アフリカ人口は今後さらに増加が予想され、市場としての魅力も増していくことが考えられるとし、本日は対象5カ国の官民の代表者を招いたので、各国の農業の現状や農業機械化等に係る課題・ニーズなど生の声を聞いていただき、AFICATの活用に関心を持ってほしいと呼びかけた。
 続いて、後援の日本農業機械工業会から石井伸治専務理事が挨拶に立ち、日農工としてAFICAT活動に関わってきたが、これまでの活動を通じてアフリカの今後の農業機械化に大きなポテンシャルがあると考えていると説明。対象5カ国はそれぞれの課題や事情を有しているので、本日お互いの事情を話し合い、理解を深め、農業機械化を通じて食料問題の解決に貢献できればとし、農機メーカー団体としても最大限協力していきたいなどと語った。
 フォーラムは2部制で、第1部のセミナーでは、JICAによるAFICATの紹介の後、アフリカ5カ国の官民代表者が農業機械化の現状と課題、ニーズ、AFICATの進捗、日本企業への期待を講演。第2部は名刺交換会が行われた。
 5カ国による講演の一部概要をみると、ケニアは農業畜産開発省のラバン・キプコリル・キプラガット氏ならびに東アフリカ穀物評議会のジェラルド・マカウ・マシラ氏が講演。キプラガット氏によると、ケニアでは農業部門が総人口の4割以上を雇用し、2025年にはGDP全体の21・4%を占めるなど重要な産業となっている。特に農村人口の7割以上を雇用し、農村経済において重要な役割を果たしている。主要作物はトウモロコシや豆、米、茶、コーヒー、サトウキビ、切り花など。一方で農業機械化は30%程度と未だ不十分であり、特に小規模農家における機械利用が少なく、同国は「ケニアビジョン2030」と「農業の変革と成長戦略(ASTGS)」において機械化を50%まで引き上げることを目標に掲げた。国家農業機械化政策(NAMP)では生産性・収入・食料安全保障を向上するべく農業機械化のレベルを上げることを推進。一方で、民間部門による取り組みも進められており、民間主導の機械化イニシアチブでは、民間砂糖会社による移植・収穫・輸送・加工などの機械化サービス提供が成功をおさめているという。また、同イニシアチブ発案にて、農業機械化のハブとなるセンターが開設され、これにより、農家はワンストップで農作業サービスを受けられる仕組みを目指している。さらに、ケニア農業畜産開発省は農業機械化支援策を通じて、これまで3つのパイロット農業機械化ハブを設立しており、その1つに米を対象としたものもあると説明。ハブを通じて耕作面積5ヘクタール以下の小規模農家に機械化サービスを提供しているという。同国西部地域の米生産には農業機械化投資の可能性があると述べ、民間による農業機械化への投資が変革のカギになるとし、ぜひ日本企業にもケニア農業機械化へ投資をしてほしいなどと語った。
 一方、コートジボワールは農業・農村開発・食糧生産省コメ振興総局のヴェ・ユデ・メダール氏並びにコートジボワール商工会議所のヤオ・クアク・ジェマン氏が講演。メダール氏によると、西アフリカ経済圏で最大の産業基盤を有する同国の基幹産業は農業であり、GDPの25%を占める。農業者は500万人以上と人口約3000万人の6分の1以上を占めるが、面積が3ヘクタール未満と小規模であり、1ヘクタール当たり収量1トンと生産性が低く、米生産量の3割が収穫後損失になるなど、ロスが大きいのが課題。カカオ、カシューナッツ、パーム油、バナナなど高い生産量を誇るが、米は国内需要を満たすために多くを輸入している。
 これを踏まえ、国家稲作開発戦略(NRDS2)において国のニーズを満たし、余剰を生み出す競争力のある持続可能な米バリューチェーンの構築を推進。機械化については現在の機械化率約5%から2030年までに30%に向上させる計画を立て、費用は2億3425万ドルを見込んでいる。日本への期待では、日本ブランドの品質の高さが認知され、特に米分野で日本製機械に期待がかかっており、現地の状況に合わせた機器へのアクセスやメンテナンス・部品交換などアフターサービス・手ごろなコストを叶えた機械化ビジネスモデルを進めてほしいと呼びかけた。

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