NDSCフォーラムで技術開発の方向性探る/農研機構

農研機構(久間和生理事長)は5月26日、都内千代田区のイイノホール&カンファレンスセンターで「農研機構NARO開発戦略センターフォーラム~農業・食品産業技術開発の羅針盤~」を開催し、これには250名以上が参加した。同センター(NDSC)による取り組み紹介をはじめ、幅広い意見交換や総合討論を通じて農・食の技術開発の方向性を検討した。開会挨拶した久間理事長は、NDSCについて理事長直轄の組織として設置し、国内外の農・食を俯瞰する農研機構のシンクタンクであると言及。農・食のあるべき姿とそれを実現するための技術を示す組織であり、今回は5つの話題を提供するなどと語った。
来賓挨拶では、経団連常務理事・岩村有広、全国農学系学部長会議会長/東京大学農学部長・東原和成、全国農業関係試験研究場所長会会長/東京都農林総合研究センター所長・濱松潮香、農林水産省農林水産技術会議事務局長・堺田輝也の各氏が登壇。岩村氏は農研機構が設立以来、農・食のスマート化・デジタル化を推進してきたことに敬意を示し、食料安保への関心が集まる中で持続可能な農業の実現が急務であり、NDSCの重要性が高まっていると述べ、経団連としても農研機構と連携し食・農の成長産業化に向け注力していくなどと語った。
次いで、NDSCの取り組み紹介として(1)農業・食品産業の未来を拓く戦略拠点 NARO開発戦略センター(NDSC)(NDSCセンター長・横地洋氏)(2)欧米の精密農業から考える日本のスマート農業(NDSC研究俯瞰グループ長・小柴太一氏)(3)グローバル連携で実現する日本の課題解決への道(NDSC連携戦略グループ長・町田(平野)僚子氏)(4)GHG削減・吸収技術をビジネスに(NDSC食料安全保障・環境負荷低減戦略グループ長・桑畠健也氏)(5)2040年に向けた食料安全保障の技術をソウゾウする(NDSC副センター長・渡邊一正氏)(6)農業・食品研究からバイオエコノミー社会を創生する(NDSC成長産業化戦略グループ長・鈴木貴之氏)―の6講演が行われた。
そのうち小柴氏によると、農研機構は土壌管理にロボティクスを融合させたスマート農業システム「データ駆動型の土壌メンテナンス」を開発。センシングデータに基づく土壌管理と可変施肥により、畑作における収量・品質維持と肥料の効率的な利用の両立を図っている。さらに窒素の他の肥料成分の利用効率向上には「精密可変施肥システム」の開発が求められることから、肥料成分センサーの開発を加速し、早期実用化を目指すことが重要などと語った。
講演後、「危機をチャンスに変える農研機構の技術と頭脳」をテーマに掲げた総合討論を行い、議論を深めた。









