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令和7年6月9日発行 第3554号 掲載

梨園草刈り自動化/東葛飾梨研究同志会

 東葛飾梨研究同志会(鈴木庸夫会長)は5月29日午後、千葉県市川市柏井町の圃場で、新梢管理に関する勉強会を実施し、芽かき、切除、摘心などの方法で梨の樹勢の維持・強化、品質向上を図る手法を学ぶとともに、樹冠下の草刈り作業を24時間、自律的に進めるロボット草刈機の技術情報を吸収した。ロボット草刈機については、和同産業(株)、水戸工業(株)、(株)共走の3社がそれぞれの製品を実演・説明した。
 勉強会には、同同志会メンバーのほか千葉県果樹園芸組合連合会なし部会の会員らも参加、約50人が今シーズンの確かな実り確保に向けて技術習得に励んだ。
 千葉県東葛飾農業事務所の山口大倫普及指導員の司会進行で、まず千葉県農林総合研究センター果樹研究室の押田正義室長が「ナシの新梢管理について」話し、同管理の目的は、樹冠内の枝勢の均一化、樹勢の維持・強化、樹冠内の均一な結果、病害虫防除効果の向上などにあると説明。
 その手法については、(1)芽かき=萌芽直後の芽を指先でかき取る。樹勢への影響は小さいが、作業適期が短い(2)切除=新梢を基部から鋏などで切る。新梢長20センチ未満の短いうちに行う(3)摘心=伸長中の新梢のうち果そう葉や基部の3~5葉程度を残し先端部分を鋏や手で摘み取る。新梢が再伸長するたびにくり返す必要があり煩雑なのが欠点(4)ねん枝=ある程度伸長した新梢を手でひねって傷を付けながら曲げる。新梢の硬さが適切な時期に行う必要があり、適期が短く習熟が必要(5)誘引=ある程度伸長した新梢をひもやテープナーなどで留める。新梢の生育を抑制する効果が小さいので、誘引角度に工夫が必要―とそれぞれの特徴、難点などをあげた。
 また、新梢伸長停止期以降に硬化した新梢を切除する(6)夏季剪定があり、(6)は日当たり向上や防除効果の改善を優先する場合に行うものと補足。新梢の生育抑制効果は(1)から(5)になるにつれて小さくなり、樹勢への影響は(2)が最も大きく(3)→(5)につれ小さくなり、(1)も小さいと指摘した。その後、圃場内の対象樹を使い、新梢の現況と、なぜ(1)~(5)の方法を用いるかを説明しながら実地に管理手法を示した。
 先進技術情報交換として実施したロボット草刈機の説明会では、水戸工業(株)(東京都千代田区)が(1)ワイヤーレス式草刈りロボットNEXMOW(ネクスモウ)、和同産業(株)(岩手県花巻市)が(2)ロボット草刈機KRONOS MR―400、(株)共走(東京都文京区)が(3)芝刈ロボットFJD RM21―を順に実演、各々の機能と特徴をアピールした。
 (1)と(3)はエリアワイヤなし、(2)はエリアワイヤを敷設しその境界内の草刈り作業を行う。(1)はバッテリー交換式で、4G/5GモバイルとRTKナビゲーションにより自動運転。一度作成した地図はクラウド上に保存し、いつでもアクセスが可能で、複数の場所を地図化すれば広大な農地などの管理に対応できる。また、1つの管理地に最大10台のロボットを展開でき作業性の向上を図れる。草刈り状況のライブ監視、作業レポートの送信など、管理面でのメリットも大きい。(2)は千葉県内の果樹園で最も多くの普及実績を上げており、既販のMR―301の作業領域が約3000平方メートルだったのに対し、MR―400は同約4000平方メートルに拡大。そのアシストとしてダイレクト帰還ポイントを自動設定、かつ作業エリア内にポイントを指定し、草の多いエリアを重点的に作業するように誘導する「ポイント指定刈り」(一定時間作業すると自動的に解除)の機能を加えた。スマホやタブレットを用いるアプリ機能もグレードアップし、曜日ごとに細かい時間設定を可能にするなど(設定可能数は10個)スケジュール設定の充実も図っている。
 (3)は、LiDAR技術による360度リアルタイム障害物検知、地形3点群マップ作成などにより、障害物のある複雑な場所でも安全に作業できるよう自動的に刈り取りルートを計画、衝突や損傷を防ぎながら草刈り作業の効率化、時間・労力・コストの節減をもたらす。また、同機のアプリは、いつでもどこでも機械を制御できる機能を提供する。
 実演会後、参加者は熱心に各製品の内容について担当者に質問を寄せ、導入メリットなどを聞き取っていた。鈴木会長は、草丈が伸びてから一挙に草刈りを行う従来のやり方を変え、絶えず草刈り作業を進めて管理するというロボットの性格を理解することが先決としつつ、比較的住宅が近い場所で使うことを考えれば、電動の静かさはありがたいと評価。実際の動きを目の当たりにできた勉強会の意義を語った。

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