「TIVIP」採用の保冷輸送、関西万博内で活用/タイガー魔法瓶

タイガー魔法瓶(株)(菊池嘉聡社長・大阪府門真市速見町3の1)は5月28日、物流・建築業界の断熱課題にアプローチする新技術のステンレス密封真空断熱パネル「TIVIP(ティビップ)」を採用した保冷輸送器材(真空断熱プロテクトBОXほか)のメディア向け取材会を大阪府高槻市の物流施設内で開催した。同社は日本通運(株)および岐阜プラスチック工業(株)と協業し、大阪・関西万博の会場内外での保冷輸送にTIVIP採用の保冷輸送器材を導入、実証として5月27日から活用を始めた。
取材会では日本通運の事業統括本部ネットワーク商品企画部専任部長の藏田隆典氏が冒頭に登壇。物流業界における現在の市場動向を説明した。市場では以下にあげる6つの動きや課題があり、今後も大きな変革が続くとした。
(1)EC市場の拡大と宅配需要の増加(2)人手不足と自動化の推進(3)物流DXの加速(4)サステナビリティへの対応(5)物流2024年問題(6)グローバルサプライチェーンの再構築―。このような状況を背景に、日本通運は日本通運(株)および岐阜プラスチック工業(株)の2社と協業し、高性能保冷輸送器材「プロテクトBOXサーマル」を開発した。実証事例として、同BOXは万博内にあるパビリオンや飲食店への保冷貨物輸送に使われる。
続いてタイガー魔法瓶のソリューショングループ商品企画第2チームマネージャーの南村紀史氏が、保冷輸送器材の内面に採用される「TIVIP」について説明した。
同社は真空断熱ボトルなど、水筒(魔法瓶)の老舗メーカーであり、独自の真空断熱技術をもつ。この技術で「温暖化社会の解決に貢献したい」という想いから、2015年より真空断熱パネルの開発に着手。南村マネージャーは「紆余曲折を経て高断熱・長寿命・不燃を実現する唯一無二の断熱材『TIVIP』を完成した」と力を込めた。
最後に岐阜プラスチック工業のTECCELL(テクセル)事業部技術部部長の岩井真人氏が、TIVIPに使われる同社の樹脂製ハニカムパネル「TECCELL」について説明した。
岩井部長は「同品は樹脂製のハニカムコア材で、軽さと強度において力学上最も優れた中空構造体となる。ハニカムとはハチの巣と同じく六角形の集合体のこと。材質はポリプロピレンで、厚みは5~30ミリと、あらゆる用途に応じる」などと話した。
ハニカムコア材は航空機の機体や新幹線の床材などに使われおり、これらの材質はいずれもアルミ製だが、同社は独自技術により、ハニカムコア材にプラスチック製を採用しているという。
3社が協業して開発した保冷輸送器材をまとめると、(1)屋外に設置する「真空断熱リーファコンテナ(保管用)」(2)「真空断熱プロテクトBОX(輸送用)」(3)「真空断熱ロールBОX(同)」の3品。いずれも万博の会場内外で実証として運用され、2026年度には商品化する予定である。
今後、ステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP)が活躍する分野について南村マネージャーは「輸送分野、建築建材分野、医療分野、工業分野、環境エネルギー分野での活躍を考え、農業分野にも広げたい。農業ではどのような活躍事例があるか楽しみです」と期待する。









