未踏IT人材スーパークリエータを認定/経済産業省

経済産業省は5月29日、これまでにない付加価値を生み出す突出した若手IT人材として2024年度未踏IT人材発掘・育成事業スーパークリエータ19名を認定した。そのうち、農業分野では「機械学習に基づく中山間地域向け農業用散布ドローン群」のプロジェクト成果により、有田朋樹氏(慶應義塾大学理工学研究科総合デザイン工学専攻修士課程)及び和田唯我氏(同大学同研究科博士後期課程)が選出された。
成果の概要をみると、中山間地域の果樹栽培におけるミツバチの虫媒授粉について、蜂を機械化するドローンシステム「Agriswarm」を開発した。福島県の果樹農園を実証フィールドとして、棚下を飛行できる小型ドローンを開発し、キウイ栽培における労働負荷の大きい授粉作業の自動化を試みた。ドローンは目的別に(1)圃場監視用プロトタイプ(2)授粉機能追加モデルの2種類を開発。画像認識や飛行制御、吹付機構など種々の技術を高度に統合することにより、屋外環境でもドローンによる授粉を可能にした。
また、授粉作業などによる飛行中のデータを機械学習技術で処理することにより、圃場の高精細な3Dモデルを作成し、樹冠占有面積率・着果数など重要な値を計測できるようにした。
実証実験の結果、Agriswarmは1花当たり平均約12秒で授粉を行えることが確認された。一般的な開花期間と日照時間の条件下で、1台のドローンが約2万個の花を授粉できる計算。このシステムを複数台導入することで、中規模のキウイ農園における授粉作業の大半をカバーできる可能性があるという。同プロジェクトを担当したプロジェクトマネージャーの落合陽一氏(メディアアーティスト)は「農業という伝統的領域と最先端技術の融合が日本特有の地形的・社会的課題に直結する実践性を評価した」等と評価した。
なお、スーパークリエータ認定は、同省が突出したITの能力を持つ人材を発掘・育成する未踏事業(未踏IT人材発掘・育成事業)の一環で実施しているもので、事業修了者のうち特に卓越した能力をもった者をスーパークリエータとして認定している。2024年度は採択した35名のクリエータの中から、19名を選出し、スーパークリエータの総数は452名となった。









