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令和7年5月26日発行 第3553号 掲載

CN向けNETs推進/生研支援センターが報告書

 農研機構生研支援センターはこのほど、令和6年度生研支援センター調査報告書(研究開発構想)「農林水産分野のカーボンニュートラルに向けたネガティブエミッション技術の研究開発」を取りまとめて公表した。同センターでは毎年度、農林水産・食品分野における国内外の研究開発の動向について情報収集・分析し、今後必要と考えられる研究開発の方向性を示す報告書を作成しており、同報告書もこの一環。
 今年度のテーマであるネガティブエミッション技術(NETs)とは、大気中のCO2を回収・吸収し、貯留・固定化するもので、大気中のCO2除去に資する技術とされている。
 我が国は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言しており、その実現に向け、温室効果ガス(GHG)の大幅な排出削減が求められている。一方で、排出を完全にゼロに抑えることは難しいことから、大気中のGHGを回収・吸収し貯留・固定化するNETsが不可欠だと考えられている。
 同報告書において、農林水産業は、農地や森林、海洋の保全管理を通じて、GHGの巨大な吸収源になることが期待されている。農林水産分野のNETsに関する研究開発が進み、農林漁業者等への導入・普及が拡大することによってさらにGHGの削減が進み、カーボンニュートラルへの貢献につながるとしており、同報告書では、土壌炭素貯留、バイオ炭、森林の循環利用などに関する技術について、研究開発の動向、さらなる研究開発や技術の導入・普及に向けた課題、今後必要と考えられる研究開発の方向性を示している。
 このうち土壌炭素貯留の研究開発の方向性としては、▽飼料用トウモロコシの二期作や再生稲を利用した米の二期作、温暖化に伴う輪作体系や田畑輪換など、新たな栽培方法に伴う土壌炭素貯留への影響等の定量化および生産性向上と土壌炭素貯留を両立させる技術の確立▽耕作放棄後の農地の環境変化や植生の遷移に伴う生態系の炭素動態および炭素の各プールへの分配の解明による、耕作放棄地を活用した土壌炭素貯留の可能性の評価―などがあげられた。同じくバイオ炭については、▽原料の種類に応じた最適な製造条件・製造方法の研究、製造過程で発生するCH4など他のGHGと炭化炉・炭化方法の調査▽原料や熱分解条件により相違が生じるバイオ炭の特性と効用効果の定量化、同特性と効用との関係性のより体系的解明およびそれらの整理、バイオ炭施用と作物の品質向上の検証研究―など。
 また、今後NETsの研究開発を進めるに当たり配慮すべき事項として、(1)GHG吸収・除去と生産性向上等のwin―winの関係を築くこと(2)自然(生物多様性)、気候(脱炭素化)、公平性(人権)のバランスを取ること(3)サーキュラーエコノミー(循環経済)を実現すること(4)CO2以外のGHGについて、排出への影響評価や吸収・除去技術の開発に取り組むこと(5)海外への技術展開も視野に入れること―の5点に言及。農林水産分野におけるNETsの社会実装・普及に強い期待を寄せた。

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