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令和7年5月19日発行 第3552号 掲載

地拵えの機械作業/躍進2025林業機械18

 造林作業を円滑に進めていく上で重要なポイントとなる地拵えの機械化。現状はどうなっているのか。路網整備の進展、素材生産用機械の高性能化が進む中で、グラップル、プロセッサ、グラップルバケットなどの既存の導入機械を有効活用する方策が浸透しつつあると同時に、ベースマシンの作業機・インプルメントとして樹木を粉砕するマルチャーを搭載し、効率化しようとする対応などが進み始めている。変わる地拵えの機械化対応の現状を林野庁の技術指針を中心にみた。
 機械による地拵えは、伐採・搬出時に使用する、具体的には、丸太をつかむ機能と掘削能力とを併せ持つグラップルバケットや素材生産で活用したプロセッサ、ベースマシン装着のグラップルなどが活かされている。人力に比べ作業能力は高く、省力・低コスト化の決め手となる。
 先に林野庁が長官名で通知した「造林に係る省力化・低コスト化技術指針」では、特に平坦地や緩傾斜地にあっては、機械を林内走行させることでグラップル等によって作業範囲が広くなることから省力化効果が高いと指摘している。
 少量化、低コスト化に資する技術のうち、広く全国でその効果が認められる技術について整理した今回の技術指針では、使用機械ごとの留意点を次のように示している。
 林内走行系車両を用いる場合は、平坦地~緩傾斜地で用いられることが多いことから、必要な箇所での末木枝条等の片付けを行う、と指摘。ただし、土壌母材や作業日前日等の降雨状況を踏まえ、傾斜が急な箇所では、クローラの滑りで土壌表土を撹乱する可能性があるため、このような場合は作業を行わないこと、と注意を喚起している。
 また、作業路を走行する車両を用いる場合は、作業路走行系車両が中~急傾斜地で用いられることが多く、機械が作業路上を走行するため、そのアームの届く範囲について地拵えを行うこととなる、と指摘。ロングリーチ式のグラップルを使用する場合には、機械による実施面積の比率が高くなり、地拵えの生産性が上がると評価している。
 急傾斜地、とりわけ作業路の開設が困難な場合は、機械による地拵えは困難となる。そのような箇所では、なるべく地拵えが不要となるよう、架線による全木集材などを検討することが適当と指導している。
 実際、機械による地拵えの作業は、機械もしくはほぼ機械によるものだが、傾斜によって大きく違ってくる。車両系の林内走行の場合、傾斜0~5度で1・74ヘクタール/人日(調査カ所=北海道千歳市)、傾斜10度0・42ヘクタール/人日(同=長野県信濃町)、傾斜11・4度0・14ヘクタール/人日(長野県南牧村)、傾斜15度0・13ヘクタール/人日(熊本県水俣市)と差が表れている。
 技術指針では、全国各地で実施された機械地拵えの生産性は、人力地拵えの生産性である0・07ヘクタール/人日と比較すると、車両系・林内走行が0・12~1・74ヘクタール/人日、車両系・作業路走行で0・03~0・20ヘクタール/人日となっており、機械地拵えが有効である、と示唆。
 その際、林内の走行路沿いに筋置きすることや、全木集材により造材を路上で行うことなどにより、さらに効率的な作業が可能となると、推奨している。

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