各社の対応:市場ニーズに即応/北海道畑作酪農特集

ヤンマーアグリジャパン(株)北海道支社帯広支店の藤田学支店長は、昨年実績が計画通りに推移し好調だったことを明かした。「トラクタ、コンバイン、作業機の台数、受注金額も好調だった」と話す。また、購入意思はあるものの、補助事業を模索する農家が増えていると、その傾向を述べている。
昨年11月後半の土日に開催した展示会は家族連れが多く、過去最高の来場者数と大盛況。ロボットトラクタや新型トラクタに注目が集まった。なお、JA帯広かわにしの事業で昨年導入されたヤンマーのロボットトラクタ18台とドローン25台は、今年から本格稼働する。実演はロボットや自動操舵を含めたトラクタ、豆収穫用のコンバインを中心に展開した。
今季はロボットトラクタの普及に期待し、ロボットに精通した社員を十勝推進部に配置。万全の体勢で臨む。また、ジョンディアの大型トラクタもこれまでより動きが良く、機械を大型化して、生産性を高めたいというニーズは多い。
アフターサービスは、昨年から新たに大型サービスセンターが稼働。6名ほど増員しているが、さらに増やしたいと藤田支店長。育成にも力を入れる。
(株)北海道クボタ道東支社の昨年実績は、過去最高だった一昨年には届かず。トラクタを含めた作業機の動きが鈍かった。結果、3年前と同程度の実績となった。一方で、コスト低減につながるICT関連のGPSワイドスプレッダやスプレーヤ、播種機等の関心は高かった。整備売上げは前年比104%と伸長した。
展示会は例年と変わらず盛況。「スマート農業は北海道クボタ」のスローガンのもと、GPS製品、ドローン、KSASなどをPRした。また、実演も積極的に実施。四十物支社長は「実演後の即決がなかなか出づらく、慎重な方が多かった」と振り返る。
今季の立ち上がりは、昨年同時期に比べるとトラクタ台数が増加。産地パワーアップ事業を活用したワイドスプレッダの導入や実証事業もあり、今後の動きに期待だ。今年も「スマート農業は北海道クボタ」をテーマに、トラクタM7やM125GEP、ロボトラやロボットコンバイン、ワイドスプレッダ、ワイドスプレーヤ、真空播種機など複合作業機を中心に推進していく。また、ドローンは長芋圃場の融雪剤散布や秋まき小麦の防除などニーズが出てきており、活用状況に注視しながら、使い方を含めPRしていく。
(株)ISEKI Japan北海道カンパニー道東営業部の実績は2桁増に迫り、前年を超える結果。トラクタは平年並みながら、国産インプル、特に整地関連製品がかなり好調だった。一方、輸入作業機は落ち込みがみられた。菅原拓師部長は「台数はやや伸び悩んでいるが、販売単価が値上がった分で上積みされている」と述べる。例年は収支が決まると税金対策で農機に投資する農家が出てくるが、今年はそこまで多くなかった。秋の展示会は、例年よりも来場者が多く、補修部品の動きは良かった。
アフターサービスは、仕事量に比して人員補充が難しく、時期中のクイック作業を減らすため、事前点検をできる限り受付け、時期中の緊急性の高い修理は減っている。
今季の実績は計画通りに推移しているものの、台数は昨年同様に伸長していない。輸入作業機の動きも芳しくない。一方、トラクタは順調に推移。ロボットトラクタは管内で2台、補助事業で導入が決まり、今年から本格稼働する。ロボットトラクタと牧草用ロールベーラーやアマゾーネの畑作向け製品などの輸入作業機を特に推進。併せて実演も強化する。
エム・エス・ケー農業機械(株)(高畑年伸社長)十勝支社の昨年実績は、輸入機の大幅な価格上昇を背景に、前年を下回る結果。「市場規模が1割以上縮小したような印象」と早坂隆次支社長は話す。価格上昇が緩やかだった国産製品への需要は相対的に根強かった。畜産クラスター事業など、酪畜関係の補助事業で申し込みがあり、採択を受けた案件で動きがあったが、申し込みが激減した。
展示会は11月に開催し、来場者も多かったが、購入まで至らないことが多かった。実演はトラクタとともに栽培体系に合わせた作業機を選定し、年間の栽培スケジュールに即して予定を組み、時期ごとに実施。「案件発掘のための実演という側面があるが、高額商品がより高騰し、補助事業を検討する傾向が強かった」と述べた。
アフターサービス面は、昨年整備工場が増強され、修理件数は増えている。しかし、仕事量に対して、人員が不足している状況は否めない。社員の体調管理の面からも残業時間には制限があり、さらなる人員の募集と育成に力を入れ、対応力を強化していきたい考えである。「まずは顧客に迷惑をかけないということを大前提に、早急に人員増強を図りたい」とした。
三菱農機販売(株)北海道支社道東支店帯広営業所の昨年実績は若干のマイナス。前田右博支店長は営農コスト増の影響から、先行きの不透明感に起因する投資意欲の減退を指摘する。トラクタは国産の需要が例年より多く、輸入機は価格高騰から動きが鈍い。トラクタ以外では中国製の安価型の自動操舵システム「EFIX」の販売が11月から開始され、非常に好評だった。前田支店長は「事前告知もしていたおかげで、秋の展示会には、多くの方が説明を聞きに来てくださった。加えて農業系ユーチューバーが撮影に来てくれて一気に認知が広がった」と話す。来場者数もこれまでにないほどの盛況ぶりで、例年であれば600人程度のところ、1000人近くが足を運んだという。実演は要望に沿って個別で対応した。「多かったのはヒサルラー社の作業機。特にディスクハローが目立った」とセールスの白木健太氏は振り返る。
今年の立ち上がりは、緩やか。昨年度の受注に対応しつつ、一部地域でジャガイモ関連製品の更新が見られている。引き続き、EFIXの動きは好調。300万円くらいまでの作業機にも動きが見られる。今季はEFIXを柱に周辺の作業機も拡販していく。秋の展示会もその時の状況に合わせて開催規模を調整する考えである。アフターサービスは、更新需要による新規導入機が少ない分、修理整備が増えると見込んで対応していく。
新たな製品の取り組みとしては、小麦や豆で可変播種の実証実験を行い、収量や品質の安定を目指している。









