日本企業のアフリカ進出支援/JICA・AFICAT情報交換会

JICA(独立行政法人国際協力機構)は4月24日、対面(JICA本部)とオンラインで「第6回AFICAT情報交換会(日本編)」を開催した。JICAが進めているAFICAT(日・アフリカ農業イノベーションセンター)事業にて、サブサハラ・アフリカ地域に日本の先進的な技術の導入や農業機械化を推進することを目的に、タンザニア、コートジボワール、ナイジェリア、ガーナ及びケニアの5カ国で情報収集・確認調査を実施していることを踏まえ、今回はアフリカ進出に関心がある日本企業を対象に、JICA、農林水産省による取り組み紹介や質疑応答が行われた。
冒頭、(株)かいはつマネジメント・コンサルティングAFICAT調査チーム・池田幸生氏が挨拶及びAFICATの紹介をした。AFICATは2022年4月からパイロット活動としてアフリカ5カ国で順次稼働し、昨年2月から新フェーズとして引き続き活動を実施。同事業では現地政府関係者やJICAアドバイザー/事務所とともに、日本の農業機械・資材メーカーのアフリカ進出を支援しており、主な対象国はタンザニア、ケニア、ナイジェリア、ガーナ、コートジボワールの5カ国。現地の政府や民間組織等との関係構築をはじめ、現地の情報提供及び視察の支援などを行っている。ケニアやタンザニアにはAFICATショールームを設置して日本企業の農業資機材や製品などをPRしているほか、国内でも情報交換会やタンザニア国スタディツアーなどのイベントをはじめ、様々な活動を行っていると紹介した。
次いで、JICA及び農林水産省が登壇し、講演を行った。
JICA青年海外協力隊事務局参加促進課課長補佐・松元隆氏ならびに石山竜也氏は「JICA海外協力隊(連携派遣)」の取り組みを紹介。JICA海外協力隊は開発途上国の国づくりに貢献できる人材を現地へ派遣する取り組みで、1965年の始動から今年は派遣60周年に当たり、昨年12月末現在の累計派遣人数は99カ国・5万7270人にのぼる。JICAは協力隊派遣に際し、長期派遣を対象に派遣前訓練を行うほか、派遣中もJICA在外事務所が安全対策や健康管理、隊員サポートなど手厚い支援を実施している。
同事業には個人が応募する「一般公募」に加え、日本登記法人格を有する大学や民間企業等の組織・団体がJICAと連携し、各組織に所属する人員が継続的に1つのプロジェクトとして派遣する「連携派遣」がある。連携派遣ではJICA海外協力隊の枠組みを活用して途上国に貢献しつつ、人材育成も期待でき、その経験を組織や地域に還元できるとともに、企業においては現地での事業展開に必要なネットワーク構築や情報収集の機会にもなり得るなどとメリットを示した。
一方、JICAアフリカ部計画・TICAD推進課課長・松村元博氏は「アフリカの若者のための産業人材育成―ABEイニシアティブ―」について講演。ABEイニシアティブはJICAアフリカ留学生事業で、アフリカの若者を対象に、日本の修士課程での就学と日本企業でのインターンシップを実施するプログラム。アフリカの成長の糧となる産業人材かつ、日本と現地のビジネスをつなぐ架け橋になる人材を育成する目的で行っているもので、2024年までの10年でアフリカ54カ国から約1900人受け入れており、昨年12月時点のインターン協力機関は約430機関、日本企業就職者は同年8月時点で200人以上を数えた。ABE修了生の進路をみると、全体の約7割が同事業の経験を機にキャリア転換し、プログラム終了後14%が日本の博士課程に進学し、就労者のうち23%が日本企業等に所属した。そして、終了後も全体の約8割が日本の組織と、約5割が日本の企業と、つながりを持っているという。インターンの受け入れを行う企業側からも、現地のパートナーづくりやアフリカ市場の入口探し、社員の社会貢献・後輩育成モチベーション、社内ダイバーシティ貢献などに役立ち、好評を得ている旨などが示された。
他方、農林水産省輸出・国際局国際戦略グループ国際農業機関調整官・中川拓馬氏は「西アフリカにおける農林水産省の新しい民間連携事業について」と題して、2025年度からのWFP(国際連合世界食糧計画)向け拠出事業「食料安全保障と地域発展のための地域食料システム構築支援事業」を紹介。
同事業は、2028年度までの3年間で、過去のWFP連携事業の成果を基に、日本企業との連携による農業協力を西アフリカへ横展開していく。2025年度予算額は約4600万円(2026年度以降の各年度の予算額は未定)。セネガル国内の対象地域・対象農協に実証圃場を設置。そのうえで日系民間企業の参画を得て、小規模農家に対する技術指導と共に参画する企業の資機材やサービスの実証を行っていくことで、それらの企業による食・農分野での西アフリカ地域への参入支援を進めていく。将来的にはセネガルから周辺諸国、西アフリカ地域全体へ面的拡大を目指す。
そして、民間企業が同事業に参画するに当たり、直接補助は受けられないものの、WFPと連携するメリットとして、(1)現地に根付いた実証・データ収集(2)現地での豊富な経験の共有、信頼できる現地パートナーとマッチング(3)国連機関の信用による政府関係者等とのつながり形成(4)国連機関と活動をした実績作り―などを提示した。
今後は、本年8月に横浜で開催予定のTICAD9での発信等を経て、今年度中に現地で事業を開始し、日本企業の進出拠点の確保と日本政府・企業・国際機関連携による現地の強じんで持続可能な食料システムの構築を目指していきたいなどと述べた。









