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令和7年5月5日発行 第3550号 掲載

積雪地帯麦類の生育時期推定可能に/農研機構

 農研機構は4月23日、積雪地帯における麦類の生育時期の推定を可能にしたと公表した。
 積雪地帯試験圃場の気象観測データと麦類生育調査から生育の早晩を評価し、(1)温暖化と積雪減少が越冬麦類の生育時期を早めている(2)麦類が温度を感じる成長点の温度を使って生育の早晩を推定できる―ことを明らかにしたもの。
 今回の成果により、越冬麦類の正確な生育予測方法の開発が可能となり、気象変動影響を考慮した栽培管理に役立つとしている。
 同機構は北海道・東北・北陸の試験圃場の過去25年の気象観測データと麦類3品種の出穂期調査のデータを用いて、生育の早晩を評価した結果、温暖化と生育時期には各地域で共通した関係性が見られなかったものの、積雪などの地域的な差が生育時期に影響していることが判明した。
 さらに雪の下の温度の影響も反映できる成長点温度に着目し、成長点の下端を地面からの深さ2センチと仮定して出穂期を予測したところ、麦類の生育の早晩を示せることを明らかにした。
 気温を使った場合の出穂期の推定誤差は7・7日だったが、成長点温度を使った場合の推定誤差は4・0日まで改善されたという。
 例えば北海道では試験圃場3地点のうち3~4月の気温上昇が10年で1・1度Cと最大であったが、小麦品種「キタノカオリ」の生育は遅れ、温暖化と生育の早期化との関係は見られなかった。近年積雪がない年が増え、土が初冬から春まで凍り続ける影響で、同時期の地温が0度C以上になるまで時間がかかることが原因と考えられる。北陸も温暖化傾向があったが「ミノリムギ」の生育の早期化との関係は見られず、積雪期間が短いほど出穂が早くなっていた。それに対して、東北では温暖化に伴い生育が早期化した。
 このように、今回の成果は、同じ品種でも雪の降り方など冬の気候の地域的な差により、温暖化の影響の現れ方が異なることを明らかにした。
 同機構は今後、入手しやすい気象データから地温を推定し、さらに多くの地域で正確な生育予測を行う方法を開発する予定。これにより、より正確な生育予測に基づいた営農管理情報の提供や気候変動の影響予測への応用が期待できる。
 また、将来は全国的な積雪減少傾向が予想されていることから、積雪を考慮した成長点温度の推定と組み合わせて、積雪地帯における麦類の生育時期の予測精度向上が期待できるとしている。

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