畜産排水処理を軽労化/農研機構

農研機構は4月22日、畜産排水処理施設のスマート制御の実現に向けて、(1)改良型BOD監視システム(2)スマート汚泥管理システム(3)AI凝集制御システムならびに、排水処理にかかる複数の装置を省力的に管理できる(4)IoT遠隔モニタリングシステムを開発したと発表した。
畜産排水の浄化工程は各種装置を連動して制御・管理しているものの、飼養管理や季節によって変動する有機物濃度にあわせて装置を設定する必要があり、多大な労力を要していた。そこで、同機構は民間企業や畜産試験場などと共同で、AIを活用した新たなセンサーの開発や既存システムの改良に取り組み、排水処理における3つのパラメータ制御に必要な新規センサー及び、各種装置の自動制御システムを開発した。開発した技術の詳細は次の通り。
(1)BOD監視システム=水汚れの指標であるBODを独自開発のバイオセンサーを使って迅速に測定し、曝気時間の自動制御を行えるシステム。今回は電極電位の変数化や遠隔操作機能などを追加した改良型BOD監視システムを開発した。この改良により測定精度と操作性が改善され、スマート制御の性能が向上した。
(2)スマート汚泥管理システム=汚泥量を最適に維持する。汚泥量を測定するMLSSセンサーを使って汚泥の引抜量を制御して、処理施設の浄化作用を最大化する。
(3)AI凝集制御システム=凝集剤の投入量をスマート制御。AIによる画像認識を利用して凝集の状態を測定する新規センサーを開発。これを用いたスマート制御により脱水処理の効率を向上。
(4)IoT遠隔モニタリングシステム=それぞれの装置の運転・稼働状況を遠隔で管理。IoTとネットワークカメラを利用することで曝気槽や配電盤などの監視、さらにMLSSなど測定データを可視化し、排水処理の遠隔でのモニタリングを可能にした。
同機構では一連の排水処理スマート制御技術により、排水の濃度が変化しても曝気時間と汚泥量、凝集剤の投入量を常に最適に維持することが可能になるとし、家畜排せつ物処理にかかる時間と労力大幅削減を実現すると説明。
今後は同技術をセンサーメーカーや排水処理施設施工企業等に技術移転を行って畜産排水処理施設への実装を図り、環境調和型畜産および人手不足への貢献を期待するとしている。









