紙マルチ田植機の実演研修会実施/三菱マヒンドラ農機

三菱マヒンドラ農機(株)(齋藤徹社長・島根県松江市東出雲町揖屋667の1)は4月28日、埼玉県幸手市の圃場で紙マルチ田植機の取り扱いに関する実演研修会を開いた。有機栽培に取り組む地元の生産者や地域おこし協力隊、幸手市有機農業推進協議会の関係者のほか、木村純夫・幸手市長も視察に訪れた。研修会では、有機米を栽培する水田で紙マルチ田植機を使って実際に植え付けしながら、圃場管理のコツや安全かつ効率的な作業方法などについて理解を深めた。
紙マルチ田植えは通常とは異なり、田植機の植え付け部直前から再生紙を敷設し、紙を突き破りながら田植えを行う技術。敷設された紙が田面への日光の通過を遮断し、田植え後約1カ月間、除草剤を使わずに雑草の伸長・繁茂を抑えることができる。再生紙は敷設後、約40~50日で溶け、有機肥料となる。通常の有機栽培に比べて紙マルチ田植機では除草作業の必要がほとんどないため、大幅な省力化が期待できる。
実演で使用したのは紙マルチ田植機LKE60AD。小谷雄太氏の圃場2枚(計51アール)にコシヒカリの苗を植え付けた。紙マルチは活性炭を配合した長さ170メートル(25キロ)の再生紙ロールを使用。ロールの交換を繰り返しながら順調に作業を進めた。今回初めて紙マルチ田植機を操作したという小谷さんだが、巧みな操縦技術で圃場1枚につき約2時間で作業を完了させた。
小谷さんは「通常の田植えとは方法が異なるが、作業はおおむね滞りなくできた。農作業の省力化や時短につながる技術としてこれから注目されていくのでは」と振り返った。
信州大学農学部を卒業後、4月から幸手市の地域おこし協力隊の一員として活動している小畑一輝さんは「再生紙ロールが1本25キロと重いので、1人で作業するのは難しい。紙マルチ田植えは周りの人の協力があってこそだと感じた」と話した。
三菱マヒンドラ農機と幸手市は今年2月、有機米の産地づくりに関する連携協定を締結した。連携事項として(1)有機米の栽培技術の確立・普及(2)有機米の産地としての持続的な発展に資する人材の育成(3)有機米の栽培の省力化・低コスト化(4)有機米の栽培に必要な農業用機械の整備、点検(5)有機米の加工・流通・販売体制の確立―に関することを取り決めた。
同社は今年2月6日に設立された幸手市有機農業推進協議会の構成員として参画し、有機米の栽培面積の拡大に向けた紙マルチ田植機の実演研修会の開催や栽培技術に関する情報提供を行っている。
また、有機米の販路開拓などについても協力し、地域農業の持続可能な発展に貢献していく。
三菱農機販売(株)営業支援グループCS担当の木賀昭彦氏は「紙マルチの認知度を高め、全国に普及させていきたい。今後はオーガニックビレッジ宣言をしている市などとのタイアップができれば」と意気込んだ。
幸手市は古くから米どころとして栄え、現在も米は同市の重要な基幹作物となっている。地産米ブランドをより一層強化するために有機米栽培の拡大を目指しており、今年は6経営体2・5ヘクタールで有機米を栽培する予定である。
木村市長は「紙マルチ田植えのメリットとデメリットをきちんと把握しながら、JAやメーカー、生産者らと協力して行政として支援していきたい」と話した。









