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令和7年4月28日発行 第3549号 掲載

持続可能な農業推進コンクール受賞取り組みの概要/農林水産省

 農林水産省は16日、令和6年度「未来につながる持続可能な農業推進コンクール」受賞者を決定の上発表した。
 同表彰は持続可能な農業の確立を目指し、意欲的に経営や技術の改善などに取り組んでいる農業者等を表彰するもので、同年度からGAP部門、有機農業・環境保全型農業部門をそれぞれ隔年開催としており、6年度において表彰部門は「GAP部門」のみとした。受賞者は次の通り。
 【農林水産大臣賞】
 長野八ヶ岳農業協同組合(長野)
 【農産局長賞】
 南郷トマト生産組合(福島)▽(株)国太郎(群馬)▽(有)山波農場(新潟)
 表彰式は5月8日午後3時半より、都内霞が関の農林水産省本館7階講堂で開催される。オンラインでも同時配信。
 各受賞者のGAPの取り組み概要は次の通り。
 ◎長野八ヶ岳農業協同組合(団体の部)=レタス農家41名で構成。2020東京オリンピック・パラリンピックで食材供給する際、産地のアピールにつながるなどの理由で一部構成員がJGAP認証を取得したことが取り組みのきっかけに。
 ▽生産工程管理の改善:内部監査員によって検査内容に差が出ないよう、事前に確認事項等について目合わせを行うとともに、GAPに関わる職員の増加を図り、一部の職員に負担がかからないようJA全体でのサポート体制を確立。
 ▽生産効率性の向上:JAが独自で作成した「GLOBALG.A.P.日誌」とGLOBALG.A.P.用にカスタマイズされた営農支援プラットフォーム「あい作」により、各構成員が自ら営農記録を行う仕組みを構築。記録・確認の効率化により、事務作業の負担が軽減した。また、GISシステムの導入により圃場管理履歴をデータで一元管理することで圃場確認・情報共有等を簡素化。
 ▽経営の改善:構成員の意向確認を行い慎重にGLOBALG.A.P.へ移行するなど、JAと生産者の着実な信頼関係の構築により、構成員数は2年間で1・4倍に増加。また、認証品の安定出荷・品質面が評価され、取引先から生産者MVPを受賞するとともに、販路を拡大し合計の取引数量が28%増加。
 ◎南郷トマト生産組合(団体の部)=トマト農家102戸で構成。トマトの生産から出荷までのルールを統一し、産地全体で生産工程を管理する体制を構築するとともに、100年続く産地を目指すために産地生産基盤の強化を図ることを目的に、令和元年からGAPへの取り組みを開始。
 ▽生産工程管理の改善:生産者を、65歳以下・新規就農者・その他の3つに分け、生産組合役員と併せて65歳以下の生産者に対し、先行して認証取得を推進。先行して取り組んだ生産者は、新たに認証取得を目指す生産者に助言を行うとともに労働環境整備について支援。また、化学農薬による土壌消毒に頼らない土壌病害の対策として、抵抗性台木の使用や転炉スラグによる対策を実施した結果、土壌病害の1つである青枯病の発生が減少。さらに、労働安全に関するリスク評価を年1回各農場で実施。リスク評価の中で他の生産者にも共通すると思われるリスクがあった場合には、内部監査や研修会等で共有し、生産組合全体でリスクに対する意識改善を図った▽生産効率性の向上:効果的な利用による化学農薬の使用回数削減を図り、生産者の約40%で農薬費が削減▽経営の改善:団体の方針・目的を定めたことで、生産組合の目指すシーズンを通した安定出荷の重要性が全生産者に周知。それにより生産者の意識が向上し、栽培技術に係る新たな講習会の開催や、新品種の導入が進んだ結果、猛暑による厳しい生産環境が続く中でも安定した高単収を維持。また、JGAP団体認証を取得したことで経営内容の見える化が進み、経営の早期安定が可能であることを就農希望者にアピールできるようになり、新規就農者の確保にも役立っている。
 ◎(株)国太郎(個別経営の部)=優良経営体の多くがGAP認証を取得していることを知り、今後の農業経営に必須になると考えて取り組みを開始。
 ▽生産工程管理の改善:令和5年から脱炭素型農業の試みとしてバイオ炭施用による炭素貯留に取り組み、環境負荷低減、コスト削減を実現。また、従業員からの提案による作業場改善により、従業員の主体性と協調性を醸成。「従業員目線」の提案・合意の形成を経て、従業員同士の連帯感を創出した。さらに、栽培から労務までを一括して管理できるオリジナルソフトを会計事務所と共同で作成▽生産効率性の向上:同一ハウスで収穫から次作の播種までを1日で完結させる効率的な作業体系「国太郎農法」により、ハウス利用年間9回転(地域慣行栽培では年間6~7回転)を可能とし、限られた施設を有効活用▽経営の改善:年齢による偏見をもたない「脱エイジズム」実現のため、作業工程の分業化、作業内容の単純化及びマニュアル化を行う。従業員は20~80代と幅広く、65歳以上が半数以上で、高齢化による労働力不足の解消と、「社会とつながりたい」という高齢者のニーズに対応。
 ◎(有)山波農場(個別経営の部)=従来のトップダウン体制の組織運営ではなく、組織で責任をもつボトムアップ型の体制にするため、また、農業が他産業と肩を並べるためには当たり前のことを当たり前にできる会社の仕組みが必要と考え、JGAPを活用した人材育成・組織改革を開始。
 ▽生産工程管理の改善:企業として最も重要と考える労働安全について、リスクアセスメントを使い、社員自身が主体的に労働安全(労働災害リスク低減)を考え、業務手法に組み込み実行。農薬管理や労働安全について掲示物での注意喚起を行う▽生産効率性の向上:作業別責任者制度を考案・実行することにより、各作業工程に社員が責任をもち、自ら効率化を考えて計画を立てるようになる。10アール当たりの水稲作業時間は19%短縮。また、地域から多くの信頼を得て7割の農地集積・集約化を実現。圃場整備の結果、一区画当たりの平均面積が1・9倍となり、作業効率を改善した▽経営の改善:JGAPを商品の販売などの対外的なツールではなく、会社の改善・体制強化のツールとして利用しているが、結果的に商品の品質向上にも寄与。また、改善の結果、運営体制が整備された会社は品質の良い商品を生産できるとみなされ香港への輸出が年々増加している。

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