農研機構:丹波黒大豆の水管理指針/野菜・畑作関連機器特集

農研機構は3月28日、丹波黒大豆の収量安定化に向けた新たな水管理指針を公表した。これは、兵庫県丹波篠山市の生産者圃場で16年間にわたり蓄積された栽培データを基に、黒大豆の収量変動要因を解析したもので、10月上旬の土壌水分管理が収量向上と安定化に寄与することを示した。
丹波篠山市における黒大豆栽培は300年以上の歴史をもち、その伝統的な栽培システムは日本農業遺産にも認定されている。黒大豆は収量変動が大きく、特に開花期が夏の高温・乾燥の時期と重なるため、灌水が高収量のポイントとされている。
今回の解析には、農研機構が開発した「大豆灌水支援システム」と、新たに構築した収量推定モデルを活用。「大豆灌水支援システム」は、気象データや土壌データを用いて、リアルタイムで大豆栽培圃場の土壌水分を推定するもの。FAO(国連食糧農業機関)の灌水ガイドラインに基づいて、大豆が乾燥ストレスを受けやすい時期を予測し、最適な灌水時期を通知するWebシステムとして、2022年より一般利用が始まっている。
今回は、地域に蓄積された2008年から2023年までの16年分の栽培データを基盤に、同システムが推定した土壌水分と、新たに構築した収量推定モデルを組み合わせて解析。その結果、開花から子実肥大期間(8~10月)にかけての気温、日射量および土壌水分が、収量変動に複雑な影響を与えることが確認された。特に、10月上旬の土壌水分管理が、収量の安定化に大きな影響を与えることが分かった。
これまで「大豆灌水支援システム」は、主に普通大豆の水管理に活用されていたが、今回の研究を通じて、幅広い大豆の品種に応用できる可能性が示された。そこで農研機構では、他地域でも同様のアプローチで地域特有の水管理指針を効率的に構築し、農業関係者への適切な情報提供を目指したいとしている。









