食料・農業・農村基本法:野菜作さらに機械化/野菜・畑作関連機器特集

このほど答申された食料・農業・農村基本計画から、野菜に関する施策の方向をみる。特に国内消費の約3割を輸入が占める加工・業務用野菜については、国産シェアを奪還・拡大していく観点から、機械化適性品種・大型品種の導入、機械一斉収穫の導入などを推進していく。
野菜の消費動向は、国民健康づくり運動である「健康日本21(第三次)」における野菜摂取量の目標値350グラム(20歳以上、1人1日当たり、2032年度)に対し、野菜の消費量は減少傾向にあり国内消費仕向量は減少すると見込まれる。また、家庭における食の外部化や、インバウンドを含む中食・外食等のニーズを背景に、加工・業務用野菜の需要が高まっているが、約3割を海外産が占めており、国産野菜によるシェア奪還・拡大を図る必要がある。
このため、野菜摂取量の目標値350グラムの達成に向けて、消費者に向けた情報発信や消費拡大の取り組みを図るとともに加工・業務用野菜の国産シェアを高めるため、中食・外食等の場面で国産野菜の需要喚起に向けた取り組みを推進する。
輸出に関しては、「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」において、「いちご」及び「かんしょ・かんしょ加工品、ながいも、たまねぎ等」を輸出重点品目に位置付けており、輸出額は毎年増加し、2024年は金額ベースで155億円と過去最高を記録している。一方で、特定の輸出先や品目に偏っている状況にあり、更なる輸出拡大のためには、輸出先国・地域の規制やニーズに対応した輸出産地の形成等の取り組みが必要である。
このため、防除暦の見直しなど輸出先国・地域の規制やニーズに対応する産地育成等による供給力の向上とともに、プロモーション等による更なる海外需要開拓を図る。 生産、加工・流通の動向をみると、国内生産には端境期が存在するなど、周年供給が必ずしも可能でない場合等があることから、野菜の国内消費仕向量の約2割を海外産が占めている。加えて、加工・業務用では、国産野菜は安価な輸入品との競争に晒されることや、実需者が求める周年安定供給のニーズ(周年供給・異物除去・市場価格に左右されない価格等)に十分に応えきれていないことから、家計消費用にその多くが仕向けられている。
また、野菜の多くは卸売市場を経由して小売業者・加工業者に流通しているが、特に加工・業務用野菜は一部で卸売市場を通さずに産地(生産者・農協等)から加工業者等が直接買い付ける流通経路も見られる。
このような状況を踏まえると、担い手が減少する中でも、家庭用、加工・業務用を合わせて需要に見合う国産野菜の供給量を維持するため、労働生産性や土地生産性の向上を図る必要がある。特に、ニーズが高まっている加工・業務用野菜は、端境期を含めて周年的にリレー出荷ができる国内産地の育成や、契約栽培・出荷による効率的な生産・流通体系への転換により、国産野菜での周年的な安定供給を確立する必要がある。
加えて、環境負荷の低減を図るため、施設園芸における省エネ機器等の普及、廃プラスチックの排出抑制などを進める必要がある。
このため、国産野菜の生産基盤の維持・強化に向けて、スマート農業技術・省力化品種・高温耐性を備えた品種等の開発・導入や地域計画に基づく農地の集積・集約化、基盤整備などによる生産性の向上・コスト低減を進める。特に国内消費の約3割を輸入が占める加工・業務用野菜については、国産シェアを奪還・拡大していく観点から、機械化適性品種・大型品種の導入、機械一斉収穫の導入、出荷規格の簡素化等、実需者ニーズに応えた産地育成や、流通体制の合理化、冷凍・加工施設の整備等、複数産地、加工・流通、実需等が一体となったサプライチェーンの強靱化に取り組み、周年安定供給体制の構築を図る。
さらに、環境負荷の低減に向けて、ハイブリッド型施設モデルの作成による普及促進等や中長期展張フィルムや生分解性マルチの導入を進める。









