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令和7年4月14日発行 第3547号 掲載

各社の対応:米価高で売上げ好調/栃木県特集

 (株)関東甲信クボタ(冠康夫社長)は昨年、過去最高の売上げを更新した。長嶋純第1営業部長兼第2営業部長は「7月に価格改定があったので、展示会を前倒しで開催するなど販売促進に努めた。秋口からは米価上昇の影響もあり、金額ベースでの売上げが順調に推移した」と振り返った。 主要3機種でも売上げが増え、特にインプルメントなど関連商品が大きく伸びた。
 県内のRTK基地局は、スマート農業普及のために同社が設置した小山、黒磯、矢板に加え、真岡市でも同社独自の運用が始まっている。県もスマート農業に力を入れており、今後、関連事業が増えることが想定されるため、その流れにうまく乗っていきたい考えだ。
 2025年度は、KSASや自動操舵、GS機能付き新製品など、スマート農機関連の販売戦略がカギになるとし、黒磯、西那須野、大田原など各営業所では、引き続きアグリロボや自動操舵の実演会に力を入れる。
 ほかに、乾田直播の研修会・実演会も人気で、2月末に西那須野で実施した際は、担い手農家を中心に30人以上が集まった。省力化に向けて多くの農家が関心をもつ分野だが、前処理や水管理など様々な課題があり、新たな農機も必要になる。そこで、導入に向けた相談に乗りながら、関連農機の販売につなげていく戦略を取る。
 サービス事業については、修理文化から整備文化への転換が進行中。現在、西那須野営業所で、大型農機への対応を含めたサービスセンターの建設が進んでいる。
 「冠社長は、今までと同じことをやっていてはダメだという思いを込めて、『元気に!チャレンジ!関東甲信クボタ』というスローガンを打ち出した。このもとで『スマート農業は関東甲信クボタ』としての動きを継続していきたい」と、長嶋部長は2025年度の意気込みを語った。
 ヤンマーアグリジャパン(株)関東甲信越支社(杉山靖彦支社長)栃木ブロックの昨年の状況について、黒内裕規エリアマネージャーは「トラクタの出荷台数は前年並み、田植機とコンバインは減少した。いずれも6条以上の大型機の出荷が目立ち、3条以下は少なくなっている」と述べた。これは、高齢化などにより離農が進む一方で、担い手農家の大規模化が進行、米価上昇で担い手農家の購買意欲が高まった影響とみる。
 今年に入ってからは、大型コンバインの動きが目立ち、直進アシスト付き汎用コンバインも好調。黒内マネージャーは、直進アシストや自動操舵の市場への浸透が急速に進んでいることを実感しているという。その性能を体感してもらうことでさらなる普及につなげたいと、個別実演にも力を入れる。
 今年の注力機種については、昨年11月、60~72馬力に直進アシスト仕様が加わったYT4Aシリーズと、YT333R,Aオールラウンドトラクタのコンパクトタイプをあげ、「YT4Aシリーズは、管内のボリュームゾーンクラスとして推進している。オールラウンドトラクタは、キャビンなしタイプが出ており、イチゴ農家に向けてしっかり宣伝していきたい」と述べた。ほかには、ディスクロータリーYDP802や、ミノスのディスクハローも好調だ。
 最近は、YouTubeなどで詳細な情報を得て興味をもった人からの問い合わせや実演依頼が増えている。同社でもWebによる情報発信に力を入れており、特に動画の効果が高いという。
 一方で、個別訪問による営業スタイルは一層推進していく方針。顧客のもとに足を運び、直接要望などを聞いて情報を集めることで、各農家に対し課題解決に向けた商品提案ができるのはもちろんのこと、今後の営業展開や商品構成を考える際の貴重なヒントを得られるからだ。
 「農家の方は長年の習慣で、課題を課題と気付かない場合もある。我々の目から見て、新技術による改善提案をしていければ」と、黒内マネージャーは農作業効率化へのさらなる貢献に力を込めた。
 (株)ISEKI Japan関東甲信越カンパニー(瀧澤雅彦社長)栃木営業部の2024年度の状況は、上期と下期で大きく変わった。
 上期は、前年比2ケタ以上の落ち込み。宮澤英樹理事栃木営業部部長は「大展示即売会が価格改定後の3月開催となり、当初想定していた駆け込み需要をとらえることができなかった。特に、前年の牽引役だったトラクタは、農繁期に個別実演を徹底したものの、苦戦した」と振り返る。
 下期になると、米価高騰の恩恵を受けて状況は一転。全機種で前年超えとなり、特に田植機は前年比140%と好調に推移した。7月の大展示会では、低コスト農業応援田植機「NP60―S」がリバイバルデビューし、コロナ禍以降、低調だった田植機販売の起爆剤となった。コンバインも、高性能型FMシリーズや低コスト農業応援コンバイン「HFR4050E型」などが発売され、全体を底上げした。
 今年に入ってからも、農家の高い購買意欲に支えられ、好調が続いている。2月と3月に開催した展示即売会は、いずれも前年比2ケタ増の売上げとなった。
 「多くのお客様が、新たな機械への投資に前向きになっていると感じる」と宮澤部長はいう。昨年不調だったトラクタは、低コスト農業応援機「NT―L型シリーズ」や高性能BFトラクタが好調に推移し、金額・台数を押し上げた。田植機も「NP60―S」を中心に、前年比150%と高水準で推移している。
 2025年度も引き続き、トラクタを営業活動の柱に据える。試乗機を10台以上そろえ、実演を通じて直進アシストなどの魅力をアピールしていく。
 「お客様のニーズを的確にとらえ、いかにそれに合った提案ができるかが、これからの営業活動のポイント」と宮澤部長。井関製品を主軸としながらも、インプルメントなどの取引メーカーとタイアップを図り、幅広い顧客ニーズに対応していく。
 三菱農機販売(株)関東甲信越支社(平木郁夫支社長)栃木支店の土屋陽二支店長は、昨年の状況について「米価高騰の追い風を感じる年だった」と述べた。
 2024年4月から今年2月までの販売実績は前年比110%程度で推移。特に、草刈機や乾燥機が好調。中古機販売も前年比150%と大きく伸びた。「展示会での来場者の反応が良い。100~200万円の商品がよく出ている」という。
 栃木支店では昨年7月、2年ぶりとなる展示会「ダイヤモンドフェアin栃木」を那須千本松牧場で開催。県内3営業所(那須野が原、矢板、高根沢)ごとの展示会も実施し、いずれも計画以上の売上げとなった。
 主要3機種では、トラクタが前年比80%とふるわなかったが、コンバインは130%、田植機は115%と増え、実績を支えた。土屋支店長は「田植機の中でも、独自技術であるペースト施肥や紙マルチの割合が、例年になく高かった」といい、みどりの食料システム戦略に関連したグリーン製品が同社の強みとなっていることがわかる。
 重点商品はディスクハロー「KUSANAGI」。若年層を中心に高い関心が寄せられ、HPでの実演依頼から、販売に結び付くケースも多いという。2025年度も引き続き、個別実演を推進していく。
 昨年2月に発売した新型乗用田植機「XPSシリーズ」の拡販にも力を入れる。業界最速の植え付けスピードを誇る同機の特徴を、営業マンが個別訪問で顧客にアピールする戦略を取る。このスタイルを継続することで、修理の依頼なども取りこぼすことなくサービスにつなげていきたい考えだ。
 「農家は減少傾向で二極化が進んでいるが、酪農家などには若い方もたくさんおり、まだまだ農機の需要は見込める」と前向きに語る土屋支店長。2025年度も、地道な活動を続ける。
 高田酪農機(株)(高田浩一社長)の2024年度実績は、2月下旬の取材時点ですでに増収増益が確定していた。高田社長はこの要因として、2023年につなぎ牛舎向け製品から撤退したデラバル社の搾乳ユニットを終売前に買い占め、その販売が好調だったことをあげた。
 春のトラクタ販売も、値上げ前の駆け込み需要で大きく伸びた。「トラクタは、県の畜産クラスター事業に通すのが難しい。汎用性が高い農機なので、値上げ前に購入しておこうと考える酪農家が多かった」と振り返る。この販売成果は、2024年度クボタプラチナ優秀販売店表彰にもつながった。
 「昨年春の乳価の値上がりなどにより、景気の底は抜けた感じがする」と高田社長。ここ数年、農機買い控えの傾向が続いていたが、そろそろ、その反動が出てくる時期。2025年度の動向を探る意味でも、これからの春商戦が重要となる。
 3月14、15日に那須営業所で開催した「2025春展示会」には、近隣の酪農家を中心に270人余りが来場。売上げは、計画の1・5倍にのぼった。展示会の目玉となったのが、トラクタやホイールローダ、ロールベーラーなど特価品の数々。同社では、国内・海外の農機メーカーの売れ筋商品を値上げ前に購入し、展示会などで値引き販売する在庫作戦を展開している。展示会の直前にクボタから値上げの発表があったことなども追い風となり、「買うなら今!」と酪農家の購買意欲を後押しした。春展示会が成功裏に終わり、「新年度に向けて、良いスタートダッシュが切れた」と高田社長。この勢いで上昇気流に乗り、栃木の酪農を盛り上げていく。

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