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令和7年4月14日発行 第3547号 掲載

歌手・相川七瀬さんが講演/東京農業大学総合研究所

 東京農業大学総合研究所は3月27日、同大学世田谷キャンパス国際センター2階榎本ホールで、研究会「稲・コメ・ごはん部会」講演会を開催した。15回目となる今回は「稲作・コメの果たす社会的役割」をテーマに、「農福連携の始め方、続け方」(合同会社十色代表・サカール祥子氏)、「非常食の市場動向」(アルファー食品(株)東京支店営業部課長代理・内田将史氏)、「赤い米と神まつり」(歌手・相川七瀬氏)の3講演が行われた。
 このうち「赤い米と神まつり」に登壇した歌手の相川氏は現在、音楽活動のかたわら、國學院大學大学院文学研究科博士前期課程文学専攻に在籍し、民俗学の視点から「新しい時代の祭と組織」の研究を進めている。今回の講演では、主な研究テーマである長崎県対馬市、鹿児島県南種子町、岡山県総社市の3地域に、何千年にもわたって伝承されている赤米神事を紹介。相川氏は10年以上3地域を行き来して、古代米である赤米を使った神事を研究しながら、神事継承の支援活動も続けている。
 最初に、相川氏が研究を行うきっかけとなった対馬の赤米神事を紹介。これは、収穫した赤米をご神体として地域にお祭りするもので、古文書などでも調べられないほど古い歴史をもつ。「古代の人々が、稲に対してどのような思いをもっていたのか―といった精神的な文化をたどることができる希少な神事と考えている」などと述べ、文化的な貴重性を強調。さらに、国の重要無形民俗文化財に指定されている種子島(南種子町)宝満神社の赤米御田植祭と、総社市の新本両国司神社で行われる赤米の神饌についても、それぞれの神事内容などを紹介した。
 赤米神事は、国内3地域のみに伝わるが、近年、後継者不足から赤米の耕作や神事の継承が危ぶまれている。そこで3地域共同で、伝承文化を未来につなぐ活動を進めていくため、2014年に赤米文化交流会を立ち上げ、相川氏もその活動に参加。赤米の生産に地域住民が参加する取り組みや、音楽祭「赤米フェスタ」を開催し、その収益の一部を3地域の子どもたちの交流や、赤米研究に活用しているなどとした。
 相川氏らが東京大学と共同で行う赤米研究では、3地域の赤米種子のDNA鑑定などを行っている。この研究を通じて、それぞれの赤米の共通性やルーツなどが少しずつ解明されていくのでは―と展望を語った。
 最後に「これからは、環境というテーマも交えながら、田んぼが、文化・食・教育の場になれば」と述べ、赤米を地域の文化的シンボルとして守り育てていく活動のさらなる推進に意欲を示した。

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