AFICAT事業の進捗報告/JICA有識者会合

JICA(独立行政法人国際協力機構)は1日、JICA食と農の協働プラットフォーム(JiPFA)アフリカ農業分科会AFICAT(日・アフリカ農業イノベーションセンター)事業進捗報告ならびに有識者会合をWeb開催した。
開会挨拶したJICA上級審議役の山口博之氏は、JICAが進めるAFICAT事業について、サブサハラ・アフリカ地域に農業機械を含む日本の先進技術の導入を推進することを目的としたものであり、JICAは同事業の本格稼働に向けて、2022年2月~24年2月まで「アフリカ地域先進農業技術の導入を通じた農業機械化振興に係る情報収集・確認調査」を行い、タンザニア・コートジボワール・ナイジェリア・ガーナ・ケニアの5カ国でパイロット活動を実施してきたと説明。24年2月からは新たなフェーズとして「サブサハラ・アフリカ地域先進農業技術の導入を通じた農業機械化展開に係る情報収集・確認調査」を進めており、新フェーズ開始から1年が経過したことから、今回はこれまでの活動結果を最近の動きを踏まえて共有し、有識者から意見をもらい、AFICATの活動をさらに活性化していきたいなどと語った。
次いで、AFICATの概要と進捗の説明として、JICA経済開発部農業・農村開発第2グループ課長・山崎潤氏及び(株)かいはつマネジメントコンサルティング地域産業開発部コンサルタント・池ヶ谷二美子氏がそれぞれ報告を行った。両氏によると、AFICATは(1)広域アドバイス(2)展示・実証・デモンストレーション(3)ビジネスモデル/バリューチェーンの実証(4)金融(5)イノベーション・ラボ(6)広報(7)人材育成の7つの機能があり、日本企業のビジネス進出促進や農業機械化に関する情報提供・技術アドバイス、日本企業の製品展示、圃場での実証やデモなど支援している。現在アフリカ5カ国で実施体制を構築しつつあり、ケニア・ナイジェリア・コートジボワールの3カ国でAFICAT委員会/同事務局を設立。日本国内でも、日本企業のアフリカ進出を手伝うべく、情報交換会などを通した現地情報提供や、各企業による現地視察などの実施支援、アフリカ現地における技術・製品の常設展示などを行っており、AFICATを活用した企業数は日本企業が累計55社、アフリカ現地企業が4社となり、着実に増加。アフリカの現地関係者からの問い合わせも出てきており、日本と現地の情報を収集・発信・交換する仕組みを試行中などとした。
次に日本のAFICAT活用企業から経験共有が行われた。日本電気(株)・岩崎氏は、同社が開発した農業支援システム「CropScope」を広げる取り組みを紹介。同システムはICT・AI技術を用いて必要なデータを1つのサービスに集約し、圃場ごとに営農アドバイスや収穫予測、灌漑の自動制御機能などを提供して最適な営農を支援するもので、欧州などで既に実績を持つ。アフリカでも適用するべく、AFICATを通してアフリカ現地での面談・ヒアリングや展示会参加などを行った。その結果、現地の課題の把握やその解決に向けた技術活用の議論、同じ進出意向を持った国内農業関係企業との連携ができ、今後は現地課題に基づいた製品改良などを進めていきたいなどと語った。
(株)クボタ・田中麻衣氏は同社がAFICATの(1)広域アドバイス機能及び(2)展示機能を中心に活用した実績を紹介。(1)では同社エンジン事業推進部がAFICATを通じてケニア農業機械化局に機械化状況をヒアリングし、ケニアの農業生産者を訪問したほか、アフリカ各国関係者とオンライン面談を複数回実施して、各国の機械化状況や入札・補助金情報等の入手を行った。また、ケニアで開催された農業懇談会に同社のケニア拠点であるKubota Kenya Limitedが参加し、意見交換した。(2)ではAFICATによる4カ国(タンザニア・ケニア・ガーナ・コートジボワール)の5展示会に参加し、同社のカタログ展示を実施したほか、タンザニア・ケニアにおけるAFICAT常設展示にカタログを展示した。そのうえで今後のAFICATについて、継続的な活動の実施に加えて、サンプル機の購入及び現地での展示・貸出や、各国の統計データの整理などにも期待を寄せた。
有識者コメントでは、これらの報告を踏まえ、日農工・石井伸治氏や日本農業機械化協会・藤盛隆志氏、JICA・大石常夫氏、新潟大学・長谷川英夫教授、(株)新農林社・岸田義典氏がAFICATの更なる活用に向けて意見を交わした。









