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令和7年4月14日発行 第3547号 掲載

「みんなで考える有機農業セミナーin高知」開催/中国四国農政局

 中国四国農政局高知県拠点は3月7日、「みんなで考える有機農業セミナーin高知~有機農業・農産物をもっと身近に~」を高知市のオーテピア研修室及びオンラインで開催した。様々な関係者に有機農業・有機農産物への関心を高めてもらう目的で、有機農業の現状や消費者の意識・購買状況について情報を提供し、高知県での有機農産物の生産と消費の拡大に向けた意見交換を行った。
 開会にあたり挨拶した同農政局地方参事官(高知県担当)の近藤直樹氏は、今回はセミナー名称にもある通り、「みんなで考える」を掲げて、広く生産者から流通業者、消費者まで有機農業の認識を深めてもらい、有機農産物をより身近に感じてほしいとの思いから企画したと述べ、本日がそれぞれが何をしたらいいのかを考える契機となり、一層の有機の選択につながることを期待するなどと述べた。
 セミナーでは、講演とパネルディスカッションが行われた。前者は、中国四国農政局生産部持続的食料システム戦略推進官・青木一郎氏による「有機農業をめぐる事情について~生産から消費まで 有機農業・有機農産物の実態と今後の取組~」及び、(株)インテージリサーチによる「有機農業・有機食品への消費者の意識・行動実態と高知県における有機農産物の生産に係るコスト調査結果報告」―の2講演。
 青木氏は国の取り組みとして、みどり戦略で2040年までに次世代有機農業技術を確立、2050年までに同面積の割合を25%(100万ヘクタール)にすることを目標に掲げて有機農業を推進していることを示し、国内の取り組み面積は令和4年に3万ヘクタールと10年で5割増、特に有機JAS認証取得面積は同1万8800ヘクタールと同9割増と拡大傾向にあると指摘。世界の有機農業の取り組み面積も2022年には約9640万ヘクタールと、過去15年で約3倍に拡大した。取り組み面積割合は欧州で高い一方、米中は1%に満たないという。
 国内の有機農業の取り組む生産者は、平成22年度時点で1万2000戸、うち有機JAS取得農家は約4000戸と推計された。地域別では北海道や九州で有機JASの面積や生産者戸数が多くなっている。生産者が有機農業の取り組む理由は「よりよい農産物を提供したい」、今後の取り組み面積については「現状維持」がそれぞれ約7割と最も高かった。
 また、国は有機農業に地域ぐるみで取り組む市町村「オーガニックビレッジ」を2030年までに全国200市町村で創出することを目指し、現時点で45道府県131市町村で実施している。中国四国管内では9県14市町村で実施しており、高知県では馬路村で取り組んでいる旨を紹介した。同村ではユズの有機農業の取り組み面積と農業者数拡大を目指し、学校給食での活用や新商品開発、シンガポールへの販路拡大など推進している。
 一方、インテージリサーチ社は、(1)有機農業・有機食品への消費者の意識や行動実態(2)高知県における有機農産物の生産に係るコスト調査―の2つの調査結果概要を発表した。(1)は全国47都道府県から得た回答のうち高知・東京・大阪で比較し、(2)は県内のトマト・小ネギ・ニラ・ピーマン・ナスの5品目における有機栽培・慣行栽培の10生産者にヒアリングを行った。それによると、有機やオーガニックといった言葉及び、その生物多様性保全などの効果についての認知、購入意欲は東京・大阪よりも高知の方が高かった。3都府県とも嗜好品よりも、普段の食事に使われる食品で有機食品を購入する意向が高くなっている。
 また、居住都道府県内で生産された有機食品の購入意向は、高知県は71・9%となり、東京・大阪より17ポイント以上高かった。世帯における毎月の有機食品にかける食費はどの地域とも5000円未満が最多だった。有機食品を利用する理由は、環境保全や生産者の応援、農村の活性化、安全な食品ニーズなど幅広い。
 一方、(2)で生産者に出荷量100キロ当たり生産コストを聞いたところ、トマトのみ慣行栽培の方が生産コストが高く、他の4品目は有機農業の方が高くなった。生産コストが高い要因の1つに「労働費」があるとしている。
 まとめとして、有機農産物の生産に必要なコストを、流通・小売りは適切な価格設定、消費者は適切な価格での購入を通じて生産者を支援できると述べ、有機農業の推進には各主体が協力することが不可欠だとした。
 その後、パネルディスカッションにて「生産者・消費者・事業者で支える有機農業の未来に向けて」をテーマに議論が行われた。

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