4.5年度スマート農業実証PJ成果:レーザーレベラーで圃場均一化/トラクタ・作業機特集

農林水産省農林水産技術会議はスマート農業実証プロジェクトの成果について取りまとめ、ホームページに掲載している。ここでは、その中から令和4年度及び5年度のスマート農業実証プロジェクトにおける採択実証課題の成果報告から、トラクタ・作業機を活用したスマート農業事例をみる。
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【令和4年度スマート農業実証プロジェクト成果】
畜産〈かわむら牧場(島根県大田市)〉
▽実証課題名=荒廃農地の再生による環境保全効果と生産性の高いスマート放牧体系の実証
▽経営概要=110ヘクタール(放牧地100ヘクタール、採草地10ヘクタール、肉用牛240頭)うち実証面積:放牧地37ヘクタール
▽導入技術=(1)新型フレールモアによる荒廃農地の効率的再生(2)牧草作付け計画支援システム(3)RTK―GPSガイダンス等による鶏ふんの効率的散布(4)放牧牛位置看視、電気牧柵監視、分娩監視(5)自動体重計測システム
▽目標=牧草作付け計画支援システムにより提案された草種の導入による放牧可能日数増加(180日↓200日)。荒廃農地の再生による利用面積拡大(21ヘクタール↓37ヘクタール)。放牧牛飼養頭数増加(30頭↓50頭)
▽目標に対する達成状況=牧草作付け計画支援システムにより提案された草種の導入を実施、放牧可能日数は182日から230日へ増加し、目標(200日)を超えて達成。荒廃農地の再生により利用面積が拡大となり(21ヘクタール↓37ヘクタール)、目標を達成。放牧牛飼養頭数が増加となり(30頭↓53頭)、目標を超えて達成。放牧草地に関する全取り組みについて、「みどりの食料システム戦略」とも対応させて、スマート農業を活用し、効率的に無農薬での草地の整備、鶏ふん散布技術による無化学肥料での施肥管理を実施。
▽導入技術の効果
荒廃農地の効率的再生=新型フレールモア3機種を活用により2年間で荒廃農地28・8ヘクタールの灌木除去し再生。これら3機種の作業効率は従来法(人力)と比べていずれも優れ、作業効率は最大121倍となった。無農薬で農地再生・雑草植生を管理。
放牧牛位置看視=放牧牛位置看視システムにより、放牧地面積約2倍(31ヘクタール↓64ヘクタール)、牛の飼養頭数約1・8倍(30頭↓50頭)を、増員なく2名で管理。
効率的な牧草導入と鶏ふんの散布=牧草作付け計画支援システムに基づく牧草導入により、牧草導入区の生産量は約2倍(52トン/ヘクタール↓103トン/ヘクタール)に増加、放牧期間は182日から230日へ延長。GPSガイダンス等による鶏ふんの散布により、化学肥料を散布する場合と比べて、無化学肥料を可能とし、さらに肥料の資材価格を200万円程度安くできた(作業時間は1・75倍・散布量5倍と増加)。
技術普及に向けた情報発信=農研機構西日本農業研究センターが実証成果の情報発信を、農政局・県・農研機構畜産研と協力して実施。19現地(17市町村)で説明・実演会を実施、うち7現地で実演した技術(牧草播種等)が使われた。シンポジウムを3件開催。動画及びスマート放牧導入マニュアルを作成・公開。
▽事業終了後の普及のための取り組み
同事業期間中に行った農政局・県・農研機構畜産研などとの連携協力を活用し、情報発信を継続する。事業で作成したスマート放牧導入マニュアルを活用し、技術の概要と技術導入に向けた情報発信を行う。スマート農業技術活用産地支援事業を通じ、技術の横展開を実施する。
【令和5年度スマート農業実証プロジェクト初年度実証成果】
水田作〈(有)エイドスタッフ(岐阜県飛騨市)〉
▽実証課題名=スマート農業技術による土地改良後大区画圃場における水稲・大豆作での豚ぷんペレット利用を中心とした環境保全型精密農業の確立
▽経営概要=32ヘクタール(水稲25ヘクタール、大豆6ヘクタール、その他1ヘクタール)うち実証面積:水稲2・4ヘクタール、大豆1・7ヘクタール、作業受託55ヘクタール
▽導入技術=(1)営農管理システム(2)ロボットトラクタ(3)GPS搭載車速連動ブロードキャスタ(4)施肥・防除用ドローン(5)食味・収量コンバイン(6)レーザーレベラー(7)シーダー(8)播種同時除草剤散布(9)センシングドローン
▽目標=水稲:化学肥料3割削減、化学農薬1割削減、作業時間12・13時間/10アール削減等。大豆:化学肥料8割削減、化学農薬4割削減、作業時間2・98時間/10アール削減等
▽目標に対する達成状況=基肥にブロードキャスタでの豚ぷんペレット及びドローンでの化学肥料のスポット施肥により、水稲・大豆とも化学肥料使用量を8割削減し目標を達成。気象データ及びセンシングに基づく生育診断データにより、化学農薬の成分合計量は水稲で0・2割削減、大豆は3割削減で目標は未達成。豚ぷんペレット及び追肥により、収量は水稲521キロ/10アール(目標480キロ/10アール)、大豆166キロ/10アール(目標120キロ/10アール)で目標を達成。大区画化及びスマート農機の導入により、作業時間を水稲は13・5時間/10アール、大豆は7・1時間/10アール削減で目標を達成。
▽導入技術の効果
化学肥料の削減=ブロードキャスタで基肥に豚ぷんペレット及びドローンで化学肥料のスポット施肥により、水稲・大豆とも化学肥料使用量を8割削減
化学農薬の削減=気象データ及びセンシングに基づく生育診断データにより、化学農薬の成分換算量は水稲で0・2割削減、大豆は3割削減
収量の維持・単収の向上=豚ぷんペレットおよび追肥により、水稲収量は521キロ/10アール、大豆単収は166キロ/10アール
効率的な作業時間=大区画化及びスマート農機の導入により、水稲は12・5時間/10アール、大豆は2・5時間/10アール
▽今後の展望・課題
春の作付け前に、レーザーレベラーで圃場を均一化する。センシングドローンによる生育診断と分析を行い、散布用ドローンによるスポット施肥とスポット防除を行う。水稲は食味・収量コンバインの営農管理システム(KSAS)収量・食味メッシュデータに応じて次作の豚ぷんペレット施肥量を決め、ロボットトラクタとブロードキャスタで精密散布する。









