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令和7年4月7日発行 第3546号 掲載

2024農業機械科フォーラム:ロボトラで作業効率化/トラクタ・作業機特集

 一般社団法人日本農業機械化協会(菱沼義久会長)は3月14日、都内の馬事畜産会館で2024農業機械化フォーラム「スマート農業のこれまでの取組と今後の展開」を開催した(既報)。
 その中から、農事組合法人神崎東部農場長・青野雄太氏による「発酵の里こうざきにおけるスマート農業技術の導入事例」、岩見沢市情報政策課長・谷口正行氏による「産学官連携によるスマート農業の推進」、農業DX推進研究所所長・内田欽也氏による「衛星画像×AI分析で農作物をモニタリング」の3講演の概要をみる。
 青野氏によると、神崎東部農場は千葉県香取郡で、約100ヘクタールの規模で水稲・小麦・大豆の2年3作を営んでいる農事組合法人。経営品目は水稲のうち主食用米が62・5ヘクタール、飼料用米が11・7ヘクタール、小麦・大豆が25・7ヘクタール。積極的に合筆を行い、圃場枚数は206枚、平均圃場面積は48アールとなっている。経営の特色としては、1箱当たり250グラムの高密度播種や鉄コーティング直播、乾田直播などを取り入れ作付面積を拡大しつつも移植面積・育苗枚数を増やさないように割り振っており、作期を分散。また、スマート農機も積極的に導入し、平成26年からクボタ営農管理システム「KSAS」を取り入れ、圃場を管理している。
 令和元年からは農林水産省のスマート農業実証プロジェクト事業「千葉県香取地域における大規模水田輪作体系におけるスマート農業技術を取り入れた米麦豆の収量向上と軽労化コスト削減を目指した技術体系の確立」に取り組んだ。自動運転トラクタ、オートステア装置、GPS連動直線キープ田植機、遠隔水管理システム、農業用ドローン、食味・収量コンバイン、汎用ロボットコンバイン、KSAS乾燥システムの一貫体系を活用して、(1)米生産コスト1割減(2)水稲収量1割増(3)作業時間9%減―を目標に掲げて実証。その結果、(1)(2)は目標未達であったものの、規模拡大や栽培・品種構成の見直しなどにより目標達成は可能と考えるとした。また、(3)は10アール当たり作業時間15%減を達成した。有人・無人のトラクタ2台協調作業により、代かき作業の作業時間を慣行区比で約17%減、耕うん作業を同60%減とした。
 青野氏は、実証を通じて生じた要望として、メーカーと生産者の連携を密にし、引き続き現場の要望をもとにした機械開発を進めてほしいことや、作業規制の緩和や圃場間移動の自動化等も推進してほしいことなどを示した。
 一方、谷口氏は北海道岩見沢市のスマート農業の取り組みを紹介。北海道岩見沢市は行政面積の41%が農地であり、土地利用型農業を中心とした国内有数の食料供給基地。最近は水田の転作が進み、水稲や小麦、玉ネギなどの基幹作物のほか、大豆や菜種などの生産が盛んだが、農業従事者の減少と高齢化が進み、スマート農業・農業DXの推進で持続可能な地域を目指している。同市におけるスマート農業の取り組みは古く、2013年に地域ICT農業利活用研究会を設立。国の事業を導入し、農業気象サービスや高度位置情報の配信などを進めてきた。令和元年に産学官連携協定を結び、北海道大学や民間企業と連携して、最先端の農業ロボット技術と情報通信技術の活用によるスマート農業を展開。ロボットトラクタの遠隔監視制御を実証し、岩見沢市をフィールドとしたデータ駆動型農業(農業DX)の実装・横展開を推進している。
 さらに、情報化施工技術や3次元データ等のICT活用事業のさらなる効率的な実施や、営農の維持管理の省力化・高度化を実証することを目的として「岩見沢ほ場整備ゼミ」を設置した。地元関係機関・研究機関とともに営農・維持管理に係る実施内容を検討する場としている。
 谷口氏は今後の展望として、1人のオペレータが数多くのロボット農機の作業を監視する作業請負サービス・シェアリングが事業化することをあげ、これにより、リモート農業で遊休地・耕作放棄地の減少を進めていきたいなどと語った。
 他方、内田氏は、植生指数を活用した作物生長モニタリングにより生長遅れや異常を早期検知し、適切な農業管理を支援する農業データ分析を紹介した。過去の植生指数データや気象データ、畑の特性情報からAI機械学習を用いて、個々の圃場の最適な植生指数の基準値を生成する機械学習モデルを提案。実際に圃場で計測した直近の植生指数と基準値を比較することで、作物生育の異常を検知でき、生長遅れや予想以上の生長などの把握が可能となった。異常をヒートマップや通知システムなどで可視化・通知し、適切な農業管理を支援する。畑作での実証実験を行った結果、高精度で植生指数を予測し、収量向上の成果が得られたという。同方法は収量安定や品質向上、収益性向上、後継者育成・新規参入にも有効であり、農業の持続可能性を高めることができるなどとメリットを語った。

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